21世紀枠(仮)こぼれ話〜川島・新潟、旗をめぐって
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仲本
2010年01月17日 22:47 visibility267
本筋からは大きく外れるがネタにはしやすい21世紀枠候補を懲りずに取り上げる。
春の選抜の各出場校には校章・校名、大会名の入った「選抜旗」が授与される。開会式の入場行進にはこれ使ってね、というわけだ。見た目は校旗とほとんど変わらないが出場の記念になる。別に校旗でいいやん、ともいえなくはないが…。
『校旗の誕生』というマニアックな本を読んでいて、偶然、川島高校・新潟高校の名前が出てきた。かつてこの二つの学校、「旛」というタイプの校旗を使っていたというのだ。
普通、旗は長方形の一辺の両端の角にひもを通して旗竿に結わえるが、「旛」は長方形の一片に掛け軸のようにひもが付いていて、立てた旗竿の先端に縦にぶら下げて飾る。平たく言えば「紅白歌合戦の優勝旗」みたいな形で…(よけいわかりにくい)。
上記の本によると、川島高校の前身・麻植中学の校旗は中でも異彩を放った。校章ではなく校訓の「至誠無息」の文字がそれこそ掛け軸のように墨書されている。筆は東郷平八郎によるという(余談ながら、折しもNHKがドラマ化して「坂の上の雲」に再び注目が集まっている。しかし秋山兄弟ならともかく、日露の軍神・東郷ではちと記事にしにくいか)。
さすがに第二次大戦に敗戦後、新制高校に移行したのち、新しい校旗を作成したそうだが、元の旗はいまでも川島高校のHPで見ることができる。
逆に新潟高校は新制高校に移行後、緑の地に校章をあしらった「旛」型の校旗を作成した記録が残っているという。あるいは一般的な校旗が(実は今でも)軍旗を模した型になっているのを嫌って形を変えたのかもしれない。が、しばらくして火災により焼失してしまったとのこと。
結局両校とも今は普通の校旗になっているようだが、広い日本の中には各学校がどんな旗を持っているかわかったものではなく、主催者側としてはなんとなく見た目を揃えたいのだろう。夏の選手権は各地方大会の優勝旗があるのでそんな心配もいらないのだが。
ちなみに両校とも、甲子園出場経験はなし。初の「選抜旗」を手にすることができるだろうか。
肝心の両校の秋季大会の戦いぶりを書いてると長くなりそうなのでまたの機会に。
というか、代表決まるまでに書かないと??
(参考:『校旗の誕生』水崎雄文/青弓社)
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