乙訓放浪記おまけ~路線バス乗り継ぎの旅乙

  • 仲本
    2018年02月25日 11:59 visibility836

土曜日の朝・大阪梅田。乙訓高校へ行くには阪急梅田から長岡天神まで乗って、そこから徒歩になる。梅田-長岡天神間は特急ならば約30分。なんなら毎日通勤通学してますよっていうくらいの距離だ。

 

 

そこで今回のルールは電車禁止。大阪駅前バスターミナルから出発して乙訓高校の最寄りと思われる「東浦」バス停までバスと徒歩でつなごうという趣向だ。某番組とは違って、各バス会社の経路図と時刻表からあらかじめルートは割り出しておいたので、あとは実行あるのみ。

 

 

さっそく1本目に乗車。大阪市営バスで大阪市の北東、摂津市との市境ぎりぎりまで行く。行き先表示がきれいに映っていないのはこのタイプの表示板ではよくあること。数分前に同じ方向へ向かうバスが出たせいか、乗車したのはわたし一人だった。

 

天神橋筋を北上していくにつれ、途中のバス停でぽつぽつと乗車してきた。それでも座席の半分は空いている。淀川にかかる長柄橋を渡る。川面は静かで、のどかな休日の朝といった風情。しかし自然の風景といえばそれくらいで、バスは基本的には幹線道路を走り抜けていく。阪急上新庄駅に乗り換え接続する停留所で乗客は少なくなり、バス停「江口橋」でわたしが降車すると、バスは残った1人だけの客を乗せて行ってしまった。

 

バス停の名前は同じでも、大阪市営と阪急バスではバス経路の方向が違うために停留所が少し離れている。乗り継ぎの時間は約30分あったが特に行くところもないのでベンチでぽつんと一人待つ。次に乗る路線は1時間に1本しか来ない。もうトイレに行きたくなってきたが周りにそれらしいものはなし。

 

JRの吹田駅からきたという2本目に乗り込むと乗客はわたし1人だった。この路線の走る道路両側には宅地よりも工場・倉庫が立ち並び、渋滞とまではいかないがトラックなどの業務用車両で交通量は多かった。途中で乗り降りはあったものの、終点まで乗りとおしたのは私のみだった。

 

 

路線の都合で次に乗るバスの停留所までは少し歩かなければならない。こういう暇な乗り物好きがときどきやってくるからなのか、ちゃんと案内図が掲示されていた。歩いて15分はだいたい読み通り。道はちょっと間違えたけど(やっぱり)。

 

それより重要だったのはこの乗り継ぎの途中、トイレ休憩がとれる公園を見つけたこと。路線バス乗り継ぎの旅を考えている人は、水分補給は慎重に行うようにここで老婆心ながら申し添えておきたい。 うん、誰もやらないね。

 

乗り継ぎのバス停は昔なつかしい給水塔のある公団住宅の入口にある。阪急バスと高槻市営のバス停が二つ並んでいる。ルートをいろいろ探っているときにはじめて知ったが、このあたりはもう高槻市内なのだ。今回は高槻市営バスに乗り、阪急高槻市駅まで出る。ここまでは乗客の少ないバスに乗ってきたが、このバス停には30分に1本の便を待つ長い列ができていた。やってきたバスに待っていた客がすべて乗り込むと座席は満席となり、私は通路の一番前に立つことになった。乗客はほとんどが老齢の方だ。高度成長期にこの団地に入居した人がそのまま年を重ねたということだろうか。

 

 

市の中心部へ向けて走るバスはそれから先も乗客を少しずつ拾っていき、そのうち降りるのも苦労するほどの混雑になった。交通量も多く、阪急高槻に到着したのは予定時刻から10分以上の遅れになった。乗客も半分以上が降りた。次の乗り継ぎまで約50分あるので、少し早めの昼食をここでとる。駅前なので食事をする店には事欠かない。ここまで順調。

 

4本目のバスで高槻市から阪急上牧まで。もちろん電車とはいったん別の経路を通って、ふたたび一駅先の駅前のバス停に立ち寄るという路線だ。普通の人はわざわざ隣の駅までバスに乗らないだろう。乗車率は座席の約半分程度だった。

 

事前に調べた範囲では、阪急上牧から京都方面へはバス路線が途切れている。駅前から旧・西国街道を約1km歩いてJR島本駅に出れば、そこから路線がつながる。

 

 

しかしここでは歩きよりも2時間に1本しかない接続が問題。今回は13時18分のバスに乗るために経路を逆算して出発時間を決めた。しかしそれでもJR島本駅到着は12時40分ごろ、ここで約30分時間をつぶすことになった。幸い、駅前には楠木正成親子ゆかりの史跡公園があるのだが、ボランティアガイドさんにつかまるとなかなか解放してくれない(過去に経験あり)。戦後生まれのわれわれにとっては楠木正成と言われましても、というのが正直なところで、そちらには近づかず駅前のベンチで文庫本でも読みながら座っていることにした。朝のうちの青空がどこへやら、雲が出て風も冷たくなってきた。もうやだ帰りたい。

 

 

駅前広場のベンチでわたしが冷たくなっていると、2時間に一本のバスが3分ほど延着でやってきた。もちろん乗り込むのは私一人である。終点の新山崎橋まではバス停わずか3つだが、歩くとなると隣町なのでそれなりに距離がある。島本町の北側から乗ってきた乗客も次の阪急水無瀬駅ですべて降り、あとは私と運転手の二人旅となった。

 

心の中で「県境ぴょーん」とひとり呟く(お約束)。

 

終点・新山崎橋には阪急バスの車庫があった。この路線には車庫入りの回送的な意味合いもあるのだろう。車庫内の降り場で降ろされ、さてここから先へのバスはどこから乗ればよいのか。きょろきょろしながら道路へ出てみると、バス停が見つかった。しかし次に乗るはずのバスが今まさに出て行ったではないか。これは痛恨のミスというやつか?

 

しかしそこはさすがに大阪-京都の都市間近郊のこと、13時台の便を逃しても1時間待てば同系統の便がやってくる。さらにいえば、1時間待たなくても、約30分後に出る別系統のバスに乗り、途中で細かくもう1本つなげばそちらのほうがゴールには早く着くのだ。

 

 

最後の仕上げに入る。新山崎橋から阪急バス19系統JR長岡京東口行に乗り、「落合橋」で降車。約10分の待ち合わせでやってきた阪急バス90系統JR長岡京行がラストランとなった。路線バス7本、所要時間は乗り継ぎ含めて6時間04分、運賃は計1,450円。今回乗車したバスはすべてPitapaが使用可能。

 

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