草津vs岡山@正田スタ(天皇杯)



 



<草津前半>



 4-4-2。GKに橋田、DFには佐田、有薗が入るなどリーグ戦と若干メンバーを変更してきた。中盤は櫻田が負傷してしまったが、前線も含め大きな変更はなし。



   後藤 萬代



熊林     アレックス



   戸田 松下



佐田 御厨 有薗 古林



     橋田



岡山のプレッシャーが掛からず開始から中盤で自由を手にした前半は、草津が標榜するポゼッションができていた。得点こそ奪えなかったが内容は充実しており、萬代を中心に岡山ゴールに攻め立てた。12分には左サイドを突破した佐田が1度ボールを奪われるも、再び奪い返しCKを得たり、直後の14分には高い位置で後藤が奪いショートカウンターを仕掛けている。37分には右サイドの熊林から中央のアレックスへパスを供給。アレックスのシュートは僅かに左に逸れたが、各々がチャンスメイクしてゴールの匂いを感じさせた(この場面は佐田がフリーで左サイドを疾走していたので、パスを出してもよかった)。



ゴールへの姿勢やパス回しも悪くなかったが、岡山DFの寄せの早さもあって最後の部分で崩しきれずシュートが枠に飛ばなかったのが懸念材料。アタッキングサードの精度とも呼べるが、流れがある内に1点を取らないと逆に岡山の1発に沈む可能性もある。そんな落とし穴にハマらないためにも後半で決着をつけたい。



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<岡山前半>



 3-4-2-1。戦列を離れているチアゴとストヤノフはやはり欠場。代役は前者が久木田、後者が竹田となり、先週の鳥栖戦と全く同じ11人が先発に名を連ねた。

   久木田



   山崎 妹尾

小林       澤口

   千明 キム

 植田 竹田 近藤

    真子



 予めDFラインを低く設定したためか、前線からプレスを掛けるより草津にある程度自由にポゼッションさせ、奪ってから縦へ素早く仕掛ける場面が多かった。それはストヤノフ、チアゴがいて力を発揮するロングボールには頼らない姿だった。



思ったのは久木田にチアゴの役割を求めるのは少々酷ということ。タイプが異なるし、サイドハーフでもプレーする選手である。ハイボールに競り負けることも多く見られ、草津DFに抑え込まれてしまっていた。



 守備から攻撃への切り替えは早く、サイドチェンジしてから左サイドの小林からのクロスが非常に多かった。20分には中央でフリーだった山崎が合わせたがGKの正面に飛んでしまいゴールネットは揺らせず。チャンスにもなったが、これも逆サイドに流れてしまうことも多く、単発に終わってしまい迫力を欠いた。



 ここ数試合の早い時間帯での失点癖を考えてか、守備から入る慎重な立ち上がりで無理をしない前半だった。先に1点を失えば狂ってしまうゲームプラン。それは後半も続くだけに、残り45分も0に抑えて守備のリズムを攻撃につなげたい。



 



 



<草津後半>



 後半に向けた変更や交代はなく、前半の調子で内容をスコアに結び付けたい。



前半の勢いそのままに岡山陣内でのプレー時間が続く。セットプレーのチャンスが増え、決定機も増えたが、肝心なフィニッシュの場面で決め切れず、スタンドからは溜息ばかり。



 逆に60分過ぎからは守備から攻撃への切り替えができなくなり、岡山の反撃を食らうことが多くなってしまう。DFラインがズルズル下がる悪い癖も出てきてしまったが、この日の守備は安定しており、珍しくあまり心配しないで見ていられた。



前半の余裕は消えてなくなり、内容云々1点だけでもいいからとにかく勝利をという思いがピッチを包む。杉本が途中出場してから、さらに攻撃はテンポアップするが、この試合の最大の課題である1点が遠い。FK、カウンター、サイド攻撃などなど。特に萬代は後半だけでも2度は決定機を外すなど絶不調。彼を下げて、アレックスを前線に上げ杉本と2トップにした方が・・・とも思ってしまった。



90分戦い終えて無情の笛が鳴った。草津として延長は避けたかっただろう。90分で試合を終わらせなければいけない内容だったが、決め切れなかったのだから当然の結果だ。



 



<岡山後半>



 岡山も交代や変更などは行われず。前半同様に守備から試合をコントロールし、辛抱強く戦いたい。



天皇杯はドローがないからか1点を奪いに前に出てくる場面も増えた。草津DFの背後を狙った浮いたボールを供給することで、徐々に草津のDFラインが下がり始める。チーム全体を押し上げて攻撃に人数を掛けるが、草津同様1点が遠い。63分には中央でパスを受けた久木田が右足を振り抜くがわずかにクロスバーを超えた。影山監督の語気も強まり、セットプレーでは「適当に飛び込むな!」という指示も聞こえた。



守備は危ないシーンが前半以上に何度も訪れた。結果的に無失点だったのは相手の決定力不足に救われたことも多かったが、DFがシュートコースを限定させることでGKをセーブしやすくしたこと。最大の要因はDFの集中が最後まで途切れなかったこと。3バック時には5バックにもなったDFは執拗に草津の攻撃をブロック。



最初は草津のペースと思えた試合も、後半を終えて決着がつかなかった状況では、試合の主導権は岡山が握っていた。こうなると試合は完全に分からない。PKも視野に入れた延長が始まる。



 



 



<草津延長戦>



未知の戦いとなる延長。スタミナは尽きており、お互い長いボール中心になったがこれは仕方ないこと。101分に杉本が中央突破し、FKを得る。PKか!?と思われたが僅かに外。このFKを蹴ったキャプテンの右足はゴールを捉えたかと思ったが、ファーポストに嫌われてしまった。



スコアが動いたのは107分。クリアボールを拾われてから、ミドルシュートを決められてしまったのだ。まさか・・・の展開だが、試合をここまで見ていれば納得である。何も言うことはない。



120分戦っても最後まで歓声は響かなかった。冬の見せ場が早くも1つ消えてしまったことは残念でならない。トーナメントは負けてしまっては何も残らないが、この試合で見せた内容は悪くなかった(フィニッシュは最悪)。下を向かずに切り替えて千葉戦に望んでほしい。



 



<岡山延長戦>



延長開始から優勢に出たのは岡山だったが、放ったシュートは94分の澤口のミドルシュートのみでは草津ゴールを脅かすことはできない。



だが、長かったスコアレスの時間帯に均衡が破れる時が訪れた。



107分。右スローインから千明が上げたクロスボールが相手の足に当たりクリアされるが、ルーズボールを拾った仙石が豪快にシュート。ボールはゴール左隅に吸い込まれた。思い切りの良さ、シュートコース、完璧だった。この時点で勝利をほぼ手中に収めた岡山。残りの時間を上手く使い1-0で逃げ切った。



90分でこの結果なら最高だったかもしれないが、延長を戦いぬいたとはいえ1-0なら文句ないだろう。守備から試合を組み立て得点を許さず、ゲームプラン通りの戦い方ができたはずだ。



お互い交代選手が役割を果たしたが、得点につながる仕事をした岡山に軍配が上がった。チアゴもストヤノフもいない中、120分戦っての勝利。少なからず勝利以外に得たものもあるはずだ。



 



余談として、リードしてからの残り10分強。時間稼ぎが増えた。接触で倒れ起き上がれなかった選手が、タンカが来た瞬間に立ち上がり自ら小走りで外へ出てすぐにピッチに戻る。良く言えば勝負に徹する狡猾さだが、この試合に限らず残り時間僅かになると増えるあからさまなプレー。見ている側からすると面白くない。



 



 



試合満足度:2点(5点満点)



 



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