そもそもチームバッティングとは?

チームバッティングと一言にいうと、

「ランナーを次の塁に進めるためのライトヒッティング」

というような文言がよく聞かれると思います。

 

しかし、それって本当にいついかなる時にでもチームバッティングというのだろうか?

私はちょっとそこに引っかかるのです。

そもそも、ランナーを次の塁に進めるには、ランナーの存在が必要なわけで、

得点をするためのランナーとして出塁するバッティングってそれもまたチームに貢献するバッティング、

いわゆるチームバッティングなのではないだろうか、と。

 

そう考えていくと、実はチームバッティングって打順によって定義が異なるのではないだろうか?と考えるようになったのです。

 

例えば、1番打者のチームバッティングというのは、

「球数を多く投げさせることにより、相手投手への心理的負担をかけさせたり、相手バッテリーの配球の仕方や巧拙などを仮定するためのデータを与え、粘ったうえで出塁する」

というのが1番打者のチームバッティングの考え方の一つなのではないかと。

 

また別の考え方としての1番打者のチームバッティングは、

「初球からドカンとホームランを狙って相手投手の士気を低下させる」

これもまた、一つの考え方でもあると思います。ただ、個人的には前者のほうがより「チームに貢献している感」を感じますが。

 

1番打者のチームバッティングを前述の「球数を多く投げさせて出塁」とすると、

2番打者のチームバッティングで求められるのが、いわゆる普段遣いの「チームバッティング」だと思うのです。

3番打者のチームバッティングというのは、3~5番がクリーンアップと定義される打順ですから、

3番打者はランナーを返すバッティングというのはもちろん、自らは長打で自打者の結果で生還できるようなバッティングが求められるのではないかと。

4番打者のチームバッティングはどんな形であれ、走者を生還させるバッティング。

5番打者のチームバッティングは、一言。

「ホームラン狙い」

5番打者はクリーンアップ最後の打順です。とすれば、クリーンアップは走者を一掃させる、生還させるという意味合いを持ちますから、自らを含めて塁上には人を残さずにできる限り多くの点数を入れるバッティングが求められるわけで、そうなっていくと、5番打者というのはホームラン狙いをするバッターこそが、チームバッティングができるといっても過言ではないと思うのです。

 

そうなると6番打者というのは、5番がホームランを打って塁上に人がいない状況になりますから、

おのずと1番打者のチームバッティングをするというのはありかもしれません。
そうなると、7番打者は2番打者のチームバッティングが求められる場合もあれば、後ろの8番9番が打撃が難しいとなれば、5番の役割を果たすような打撃をしてもいいでしょう。

 

ところで、私は1991年からプロ野球を見始めました。まだ幼稚園児だった私が最初に好きになったチームは当時黄金時代を築いていた西武ライオンズでした。理由は単純に西武沿線の住人だったから。

試合を見るにつれて辻発彦さんにあこがれるようになりました。

 

当時のライオンズの基本的なスターティングメンバ―を考えてみましょう。

(二)辻

(右)平野

(中)秋山

(一)清原

(指)デストラーデ

(三)石毛

(左)吉竹

(捕)伊東

(遊)田辺

 

1番辻が粘りながら出塁し、2番平野が送りバントなどで辻を進塁させ、3番秋山が辻を生還させながら自らも生きて、4番清原が秋山を生還させるバッティングをし、5番デストラーデがホームランできれいにする。

そして、もともとトップバッターであった石毛が6番打者として1番打者の役割を果たし、吉竹が伊東が田辺が…となり、どうしてライオンズが黄金時代を築いていたのかというのが実は打順の役割分担をその打順に起用されている選手がしっかり認識していたからなのではないかと思ったのです。

 

また、私は1995年からヤクルトスワローズも応援するようになった(その年のオフに大好きな辻発彦選手がスワローズに移籍することで元来スワローズファンの母親から「スワローズファンになれ」と言われ(笑)1996年からはスワローズファンに)のですが、その時の基本的なスターティングメンバ―も考えてみたいと思います。

 

(中)飯田

(右)稲葉

(二)土橋

(一)オマリー

(捕)古田

(左)秦

(遊)池山

(三)ミューレン

(投)伊東

 

9番投手を伊東にしたのはただ単に私が伊東昭光さんが好きだったからで他意はありません(笑)
ちなみに伊東昭光さんと藤井秀悟さんが好きだったので、草野球をやる際の背番号は基本的に18にしています(笑)本来だったらばチーム勝ち頭の山部、ノーヒットノーランをやったブロス、最高勝率の石井一というところなのでしょうけれど。

 

それはさておき、1番飯田が出塁して、ルーキー稲葉を2番に置くのは、おそらくですが左打者なので、あえて逆方向に打たないでも進塁のしやすい右方向に打てるということ、そして飯田の盗塁企画を考えた時に、ストレート系が多くなる可能性があることや、捕手の盗塁阻止の際に左打者で死角になるといった複合的な要因で2番稲葉ということだったのでしょう。

そして、3番土橋はチャンスに強く、中距離ヒッターでもあったので飯田を生還させる打撃の上に、自らも得点圏に残れるような打撃ができました。

そして4番オマリーが土橋を生還させ、時にはオマリーがホームランを打ち自らも含めてクリーンアップさせる。

5番古田は塁上にランナーがいればホームラン、誰もいなければ1番の役割を果たすわけで、

その後者の場合に、秦が左打者なので右方向の打撃が打て、池山は3番を打っていたことからも、ランナーを返しつつ自らも走者として得点圏に、そして三振かホームランのミューレンは自打者が投手という8番で起用されるのは、結局のところホームラン狙いをすれば全員生還できるという意図があったといえましょう。

 

あくまでも、監督の行う野球によって打順とチームバッティングの定義は異なると思いますが、

いずれにせよ、「チームバッティングは打順によって意味合いが変わってくる」のではないかと思っております。

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