都市対抗野球決勝戦を見に行く。
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虎男
2017年07月27日 00:43 visibility1656
昨夜は東京ドームで行われた都市対抗野球の決勝戦を見に行った。昼間は神宮球場の高校野球の準々決勝第二試合「日大三高対東海大菅生」の試合を見て、試合終了後即、信濃町駅へ。信濃町駅から東京ドームのある総武線水道橋駅までは3駅離れているのみ。夕食を買う必要があると思い、新宿の京王百貨店へ行くことにした。京王の中近いにある食料品コーナーは、お弁当が有名だ。「土用の丑の日」でもあったため、「うなぎ重箱弁当」が陳列されていたが、2380円も出して食べるような代物じゃあない。こんな弁当に使われている鰻は「養殖」に決まっている。私の職場の地元にある「天然鰻専門店」では備長炭でじっくりと自家製で作ったタレをつけ焼きして、ものすごく香ばしい香りを店の外まで飛ばしてくる。この鰻専門店では、数年値上げをしていない。親父が白髪同様に、髭も真っ白な頑固一徹のような人物で、鰻にかけてはかなりうるさい。商売よりも鰻をさばき、串打ちをし、焼きに自分の全てを投入しているような男だ。この親父から、もう何年も鰻を購入させてもらっている。そんなわけで、そこいらで売っているような「養殖鰻」なんかでは満足できなくなっている。「親父、おまえのせいだぞ!ありがとう!」と言いたくなる(笑)
結局、鰻がだめなら「寿司がある」と言う事で江戸前の15かん入りの寿司弁当が560円だったので、こんな時くらいは贅沢にと2箱買った。30かんも入った寿司だが、小ぶりなのでペロッと行くだろうと思い、迷わずレジに持って行った。さて、夕食を買ったので、総武線に乗り込み、いざ東京ドームへ。
東京ドームに到着して、当日券売り場に並ぶ、昨日の準決勝とは違ってかなりの数の人が来ている。
私は、外野席にしようかなと考えたが、2年前だったか「大阪ガス対日本生命」の大阪決勝戦の時に
座った「バルコニー席」1700円が非常に良かったので、それを購入した。しかし、その時は大阪同士の対決だったため、決勝戦でもそれほど観客が多くなかったが、今回は東京対埼玉だ。予想はばっちりはずれることになる。25番ゲートに行ったら、東京のNTT東日本サイドはものすごい観客の数だ。長蛇の列ができていた。バルコニー席へついたら、もうすでにバルコニー席の最前列は全て早く来た観客が確保していて、座る席をさがさなければならないほど。まあ、利点としては天井にあるテレビモニターがあるので、見逃したシーンはVTRで再現してくれるってところだろう。
始球式は小池東京都知事が出て来た。さあ、試合開始である。
試合は2回の表から動く。NTT東日本が無視一塁から左翼へ2ランホームランで2-1と日本通運を逆転。
NTTの下位打線である伊藤のソロホーマーで3-1とする。このあたりでNTTの社員の気勢があがり、応援団の
盛り上がりが激しくなる。私のような中年にはうるさくてたまらない応援だ。
3回の裏の日本通運の攻撃。3-1と2点を追う展開になったが、この回二死三塁でタイムリーセンター前ヒットが出て3-2と1点差に追い上げる。さすがわ決勝戦まで駒を進めて来たチームだ。簡単には引き下がらない。さらに初回に先制打を打った関本が中前適時打を放ち、この回一挙同点の3-3.NTT東日本先発投手大竹は日本通運の6番打者飛ケ谷に四球を出したところで左腕の野口に交代。日本通運、打者木南は遊ゴロになるが、それをNTT遊撃手福田が慌ててはじく。その間にサードランナーが生還。4-3と日本通運逆転。しかし、三塁を狙った二塁走者が三塁をオーバーラン。挟殺でタッチアウト、このプレーが後々まで日本通運に大きく響くとは、この時は誰も思わなかった。しかし、野球と言うのは流れをみずからが止めてしまうことが多々ある。日本通運の不運は、この三塁ランナーが欲張った&焦った&決勝戦と言う舞台で1点でも多く取っておこうと言う気持ちが裏目に出た「大きな、大きなミス」であり「NTTへ流れをやってしまう」分岐点であったと言える。
4回の裏に一死満塁のチャンスに日本通運は点を入れられずNTTに完全に流れを持っていかれてしまう。この時のマウンドにNTTは左腕野口の見事な踏ん張りが次の回の攻撃につなげたと言ってよい。5回表、NTTの先頭打者加藤がレフトスタンドへソロホーマーを放ち、4-4の同点においつく。
7回が勝負の分岐点だったと言える。NTT下川が二死二三塁から、センターバックスクリーン左へぶち込む勝負を決めるスリーランホームラン。7-4となった。
日本通運は三番目の投手に生田目を持ってきた。これは三年前の早稲田大学対流通経済大学の全国大学選手権の決勝戦の流通経済大のエースだ。名前が変わっているから、記憶していた。この生田目が試合を壊してしまい10-4にしてしまう。もう、この点差で日本通運は反撃する気力が失せたのだろう。横綱に押し切られたような形になってしまった。
終わった瞬間から、この試合は「野球好き」のためのものでは無くなった。NTTと言う大企業のための
イベントへ一気に変身し、そこに残って表彰式など見ている気持ちにはなれなくなった。プロ野球を大企業の宣伝のためのものだと言う人たちがいる。だが、こうした企業のチームの方がむしろ、社員を動員して大応援団を繰り出し、延々と大声とブラスバンドで自社の名前、さらには社歌まで歌いあげる、その精神に「よそ者」は入る隙間は無い。むしろプロの方が企業臭が少ないくらいである。私はいきなり東京ドームを後にした。昔、酒を浴びるほど飲んでいた頃に、自分の会社に関係のない人が入って来た時の違和感にも似た感じを受けたからだ。野球は素晴らしいレベルの野球を見せてもらった。しかし、この試合後の宴の場所にはいられない。一目散にドームを出て水道橋駅へ走った。
- 事務局に通報しました。
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