高校生に金属バットは必要なのか?

  • 虎男
    2017年08月13日 23:10 visibility1206

私が高校野球部に入った年、1976年に金属バットは既に高校生に使用解禁になっていた。それから41年たった今。まだ高校野球は金属バットを使っている。今日、ネットで面白い話を読んだ。金属バットはなぜ高校生に解禁になったのかの理由は明確ではなかったと言う話だ。いろいろな憶測がある。木製のバットはバットの素材になるアオダモの供給が追い付かないこと。金属であれば、木製のように折れない事。金属だと打球が速くなり、守備の向上にもなるとの話。全て、このような話があったと言うことでしかない。高野連ですら、なぜ、そうなったのかを説明できる人間がいないと言う。さあ、ここに来る野球ファンは皆、知っているだろう。高校野球以外で金属バットを使っている野球が無いって事を。大学、社会人野球では金属バットは打球が速すぎて禁止している。中学校では軟式ボールなので、金属バットでも問題は無いのだろう。しかし、国際的野球の舞台はすでに昔より多くなり、そのすべてが木製のバットで試合は進められている。そうなると、日本の若き野球選手を目指す高校球児たちは、金属バットで「勘違いの打撃」をし続けて、大学に上がったりする頃にようやく「スタンダード」である、木製バットに変更し、そこからがスタートの「普通の野球」に携わることになるのだ。

 

ここで、この著者が書いた面白い話がある。「金属バットでスラッガーだと言われた選手が、木製のバットに持ち替えて、全く対応ができず引退していった選手をこれまでに何度も見ている。」と言う一言だ。それほど大きく違うのだろうか。私は草野球を始めた13年前、創部当初の一、二試合は「金属バット」で打っていた。だが、3試合目からは木製のバットに切り替えた。理由はグリップエンドの肌触りが自分にしっくり来ないからだ。私が子供の頃は木製のバットしか売ってなかった。だからだろうか、木製のバットは子供の頃の郷愁を誘う。そして、私はその後、バリーボンズの愛用していた「サム・バット社」の硬式用木製メープルバット875グラムを使い始める。最近では軟式のボールを飛ばしたいからという理由でビヨンドマックスがもてはやされているが、私が気に入って使っている木製の硬式用のバットは軟式ボールに当たれば、その飛距離はかなり飛ばせたものだ。今では重たくて振り回せないと言う理由で使っていない。

 

ここで話を前に戻そう。金属バットから木製バットに切り替えて、対応が効かない選手がいると言うのは、金属の「根っこにあたったとしても、打球はかなり鋭く飛ぶ」と言うのが木製には無いと言うことなのだろう。すると非力な選手でも金属バットを振り回せるようになれば、飛距離や鋭いグラウンドの地を這うゴロで抜けて行くヒットが生み出せた、というのが本音なのではないか。木製のバットであれば、芯を食わなければ飛んでくれないわけで、この感覚の違いが「俺はスラッガーだったのに、木製のバットはなぜ高校時代のような打球を生み出せないのか、わからない。」となり、自信を落とす選手が多くいるのだと言う。そして、この話の著者が一番言いたいことは、これ以上高校野球の打者達に「勘違いスラッガー」を作る金属バットを「折れない、上部で、打球はものすごく速くなる」と言う嘘偽りの打球を生む魔法の杖を今後も使わせて行くのか。しかもその後の野球では、金属バット使用は認められていないのにである。国際大会が今後も増えて行く中で、日本の高野連は金属バットで慣れてしまった「金属バットスラッガーたち」に対して「高校野球は、金属バットをずーっと使うんだよ。もし、いやなら野球なんか日本でやらなくたって良い。アメリカの高校へ行ったって、俺たちはちっとも困らない。メーカーからの金属バット普及のお願いだってもらっているし、文部科学省からお咎めだってない。高校の後の野球の事なんか知らないよ。それは俺たちの管轄じゃあない。」と言い切れるのであろうか。これほど無責任な高野連と言う天下りの受け皿が、高校生の野球が教育の一環なんて思っていないのは目に見えている。業者からの甘い汁を吸っている可能性だってありえるのだ。金属バットに疑問を持たない日本人に、国際野球は日本の上を行ってしまう可能性があるのではないだろうか。怖い話だと私は感じた。

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