草野球チームで自分の存在が意義がわかる瞬間

  • 虎男
    2018年06月27日 17:34 visibility637

私は草野球チームの監督兼選手である。私は試合の時には打順と守備位置をオーダー表に書き入れ、相手チームの代表者へ手渡ししている。よほどでない限り私の打順は最終打者であり、DHである。今シーズン守備を守ったのは1試合のみだ。セカンドを守っただけである。14試合目が日曜日に会ったが、その時は9人ギリギリの試合だったので、今シーズン二試合目の先発守備となった。オーダー表は既に家にいる時に作っておいたので、変更する必要は無いだろうと思っていたら、T君が来て「監督、俺今日は肩が痛いので捕手できません。」「わかった。じゃあ、Nちゃん、捕手行ける?」「はい。俺行きます。」ほっとする瞬間である。捕手がいなかったらどうしようと思うのは、私だけではあるまい。しかし、私は最初に自分の守備位置を「サード」にいれておいたのだ。しかも、この弱肩で、すごい度胸である。だが、あっという間に私の守備は残っている位置しかなくなってしまった。それは、自分がやったこともない守備位置である。

 

「9番センター」と言うことになった。

 

試合が始まって落ち着かない。何しろ、チームメンバーは私がセカンドを守ったのが今シーズン1度しかないのだから、外野なんてやれるわけがないと思っている連中が大半。そこへ持って来て、センターラインが重要と言われる野球において、外野の要である「センター」を未経験者が付くわけだから「ボールが来ないでくれ」と祈らない方がおかしいくらいだ。私のところに最初の打球が飛んできた。「うん?この位の打球なら追いつける。」と思いながらややライトの方向へ球を見ながら走り、落下点に到達してランニングキャッチを試みたが、グラブに当てて落としてしまった。今年初めての外野守備で痛恨のエラーである。投手は悔しい思いをしているだろう。しかし、現実のエラーは戻っては来ない。走者は二塁に到達していた。

 

こうなって、足が地につかない人もいるのだろう。しかし、私は違う。開き直るって言うのだろう。「け!エラーしたら、次を好捕してやるぞ。なんぼでも飛んで来い!」ってな感じだった。いや、言霊ではないが、飛んでくるわ来るわ。さらに4度の守備機会があって、私は全てのセンターへの飛球をランニングキャッチしている。

 

相手チームの打者からのセンターの私へ「狙って打っている」のかと勘繰りたくなるくらい頻繁に飛球が飛んで来て、それをことごとく捕球したのだ。しかも、守備にもろくに付いたことが無い選手が散々パラ「ナイスキャッチ!」と声を掛けられるのだ。気恥ずかしいけど、気持ちも良い。さらに、外野がこんなに面白いもんなのかと言う久しぶりの感覚。捕手を辞退したT君がベンチへ戻ってくるときに「次回の試合も監督がセンター食っちゃうぞ。こりゃ。センターやっていた人、やばいぞこりゃ。(笑)」

 

そりゃそうだよな。と腹の中で思った。センターの守備位置に今シーズンついたこともない、ほどんど指名打者の監督が、いきなり外野守備で好捕するなんて、びっくりしない自軍の選手なんていないだろ。でも、相手の打者たちの悔しそうな顔。そりゃそうだよね。打球を外野まで飛ばしたことだって、きちんとバットに当たらなければ飛んでくれないわけで、それがグラウンドに、外野の芝に着球したらヒットなんだからさ。でも、ことごとくそれらが捕られちゃったら、アウトなんだよね。外野手の快感を中学でレフトやっていた頃、依頼に感じ取れた事。まだまだ俺の存在意義って大きいじゃん。そう思える試合であった。

 

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