【高校サッカー】総体予選佐賀県予選準々決勝(2)

2010.6.6 佐賀北高校Gの第2試合です。


第1試合の攻めの佐賀東に対し、第2試合はホームで守りに自慢の佐賀北の登場です。佐賀東が派手な攻撃力で相手から点を奪いまくって勝つチームなのに対し、佐賀北は鉄壁のディフェンスでゴールを割らせず、攻撃陣は数少ないチャンスを得て少ない得点を守りきるチームのイメージです。今大会もここまで失点0です。


一方の鳥栖工業は今大会1回戦から登場、金曜日に1・2回戦を2試合行い、昨日3回戦を戦い、今日の準々決勝に挑みます。疲労が心配なところですが、組み合わせが決まった時点でこの佐賀北との対戦が1つのヤマと心得ていたはず。番狂わせを目指して戦います。


 


試合は比較的静かに前半時間がたっていきます。理由は佐賀北に消極的なプレーが目立ち、最終ラインのDFやGKの間をパスすることが多く、なかなか前線へボールを運べません。


途中から中盤の選手が鳥栖工陣内に持ち込んだりしましたが、単発な攻撃で決定機まではつながらず、前半は無得点で終わります。


 


後半に入っても、佐賀北は鳥栖工の堅実な守りかつアグレッシブな運動量・プレスに苦しみ、得点が取れそうな気配がありません。


ここまでは鳥栖工の思うがままの試合展開で、サッカーがボクシングのようなラウンド制なら明らかに鳥栖工の方が有利だったでしょう。


しかし、ここからサッカーというのは怖いものであり、メンタル面がチームに与える影響が大きく変えるのだ、というプレーが飛び出します。


後半27分、佐賀北が左サイドから攻め上がり、ゴール前にクロスをあげます。佐賀北の誰もゴール前にいなくて、そのままゴールラインを割るかのようなボールで、鳥栖工イレブンも足が止まっていたところに、佐賀北FWの9番が猛然とゴール前に走り込み、スライディングでボールを合わせ、ボールをゴールへ押し込みついに均衡を破り先制します。



1点取ると不思議なもので、あれだけ苦しんでいた佐賀北の攻撃陣がその後、パスや個人技で次々と鳥栖工のDFラインの裏側をつき、決定機を作り始めます。そして、後半31分には2列目の14番選手(写真)が鳥栖工DFをかわしたあと、芸術的なループシュートで2点目をあげ、勝負を決めました。試合はそのまま2-0で終了します。



鳥栖工も本気で打倒佐賀北を目指し、後半途中まで本当に好ゲームを演じました。主将のDF5番の選手、日本代表の闘莉王のような声を張り上げて最終ラインからイレブンを激励したファイタータイプの3番、堅実なプレーを見せたGK1番の選手など、佐賀北と見劣りの試合を見せました。しかし、佐賀北の方が試合のツボを心得ていたということなんでしょうか。小さなようでも、些細なところが大きな差となったりするものです。ただ、鳥栖工が残念だったのは、攻撃と守備の役割分担が明確になりすぎていて全員攻撃・全員守備という感じにならず、攻撃が続かず、鉄壁の佐賀北ディフェンスを崩せなかった点でしょうか。例えば、0-0の後半に鳥栖工のコーナーキックがあったのですが、佐賀北の選手が全員ペナルティーエリア内に戻っているのに、鳥栖工の選手はセンターライン付近にDFの選手だけで4人も残っており、もう少し多くの選手が攻め上がってもよかったのでは、と感じました。



一方の佐賀北高校、今日の試合はおそらく理想的な展開ではなかったと思います。しかし、そんな出来の試合でもしっかりモノにできるのが、強豪の証。佐賀北はその後、準決勝では市内のライバル佐賀商を1-0で、決勝では宿命のライバル佐賀東をやはり1-0で破り、9年ぶり9回目の総体出場を決めました。


今年の総体の開催地は灼熱の太陽が待つ南国沖縄。しかし、沖縄の太陽に負けない葉隠れ精神で鉄壁のディフェンスを見せ、佐賀北の旋風を期待したいものです。


 


この試合の写真は下のサイトへ。


http://album.yahoo.co.jp/albums/my/163194/





















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