高校選手権熊本大会3回戦(3)


熊本農業会場3回戦第3試合です。


熊本の多くの男子部を引っ張る熊本工業(グレー)対秀岳館(青)の対戦です。野球部ならば決勝でも不思議でない両校です。


下の写真を見られてわかるように、試合開始直後から大雨にも関わらず多くの控え部員が応援合戦をして、両チームとも踊るわはしゃぐわお祭り騒ぎのような感じになります。


熊本県の学校は、今日試合をした各校もそうですが、応援も様々な音楽・リズムに合わせてすることが多く、この辺も熊本県大会を見に行くのが好きな理由の1つでもあります。


 


 


 



さて、ここまで第1・第2試合ともにスコアレスドローのPK戦になっているだけに、この試合もどうなるかと思いましたが、前の2試合よりは落ち着いた試合の入りです。


秀岳館は小柄な選手も多いですが、攻守に豊富な運動量を発揮して試合を優勢に進めつつあります。熊本工業は22番の選手などが攻撃に絡みますが、秀岳館は熊工のオフェンスの選手を常に複数でマークし決定的な仕事をさせません。


すると、この試合前半15分に均衡が崩れます。


ペナルティエリア外側で得た秀岳館のフリーキックを5番の選手がゴール隅に直接入れて先制します。



勢いの得た秀岳館は前半18分に熊工のペナルティエリア内でのファウルにPKを得ます。2点目をとって試合をリードすべきというところで、熊工のGKの許田くんがPKをはじきます。こぼれ球が水たまりで止まるという幸運も重なり気迫で得点を許しません。


 



熊工のキーパーも好守でしたが、守備範囲の広さでは秀岳館のGK月城くんも負けていません。雨天にかかわらず再三ペナルティエリア外側まで出てはセービング等を繰り返します。キーパーがゴールを飛び出すのは本当に勇気のいることなのですが、彼には躊躇がありません。ことごとく熊工のチャンスを摘み取っていきました。


 


部活で名を馳せる両校の戦いは男のプライドをかけたような戦いになり、グラウンド状態不良も加わり、壮絶な展開になっていきます。


秀岳館は後半26分に熊工DFのクリアできなかったボールを奪い取るとゴールを決めついに2点目を奪います。


ただ、これで試合が決しないのが強豪校の所以。後半30分に熊工が取り返し再び1点差。そこから終了のホイッスルがなるまで気の抜けない消耗戦が続きます。


熊工にとっては、秀岳館のGKが飛び出した無人のゴールに打ったはずのシュートが水たまりで止まりゴールラインを越さなかったなどの不運もあり、結局追いつくことができずにタイムアップ。秀岳館が2−1で逃げ切りました。



これで秀岳館は4回戦進出です。


パンフレットを見る限り、出身者には熊本だけでなく福岡や大阪・高知出身者がおり、試合前のアップ風景(背番号3ケタの部員を見たのも驚いたが)を見る限り、今後強豪へとのし上がっていく雰囲気をプンプンと感じる学校です。今春の総体予選もルーテルにPK負け。着実に自力がついているといえます。新しい伝統を作るべく来週も頑張って下さい。


一方の熊工、総体予選ベスト4で今回シード校でしたが、ここで敗退です。しかし、熊工の他の部活に負けないよう頑張って下さい。


 


※ 学校紹介


熊本工業高校(熊本市・県立)


明治31年創立で、昨年110周年を迎える。80万人の人口を誇る熊本にある唯一の工業高校のため、機械・電気・電子・工業化学・繊維工業・土木・建築・材料技術・インテリア・情報システムの10科に定時制が3科あり1年520人募集の超マンモス校。川上哲治など野球部OBは名だたる人物が並ぶ。


 


秀岳館高校(八代市・私立)


大正12年開校。前身は八代商業・八代第一。普通・商業・建設工業科の3科があり、部活動も野球部・弓道部は全国大会出場経験あり。ソフトバンクの松中選手はOB。


 


 



































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