第2R ガトームソン冴え渡る

  • HiRO
    2007年05月06日 03:51 visibility167

Hawks先発は、前回登板の(ORIX)Buffaloes戦で素晴らしい投球を披露し移籍後初勝利を挙げたガトームソン。この登板での投球内容が前回同様に良ければ、今後、充分に計算が立つ。

その初回の立ち上がり。

Lionsの各打者には、テンポ良くポン、ポンッっとカウントを整えてくるガトームソンのファーストストライクから積極的に打つよう指示が出ていたのだろう。
1球目のファーストストライクに手を出してくる。
先頭の石井義人にはレフト前を打たれたが、福地がライトフライ、中島が三ゴロで併殺と、いずれも初球を打って僅か3球でチェンジ!

その裏。Lions先発ギッセルから、先頭大村が事も無げにライト前。本多、多村と三振に倒れるも、信彦には恐る恐る投げとる感じで四球、続く小久 保に対しても四球を与え2死満塁。続く柴原の打席、1球投じた後、細川がセットに気を付けろとアドバイスをしたその瞬間、3塁塁審がボークを宣告。僅か1 安打で労せずして1点を先制。

さらに3回。またも先頭の大村がヒットで出塁すると、本多もそれに続き、無死1、2塁。多村は、外の変化球を引っかけ遊ゴロゲッツー、2死3塁。打席には信彦、という場面でワイルドピッチ。ここでも労せずして1点を追加。
でも、ボークにワイルドピッチでもらった2点だけじゃスッキリはせんな、と思っていたら......
信彦が四球を選び、小久保がライナーでレフトスタンドへ!

小久保の豪快な10号2ランで、その差4点!

この日のガトームソンには、これだけの援護があれば充分だった。
変化球でのらりくらりとカウントをとるかと思えば、カブレラ、和田には一転パワーピッチング。球質の重そうな150km/h前後のストレートをインコース に配して、外にスライダー。内への真っ直ぐもナチュラルにシュート回転しているから効果絶大。渚の手本にさせたいような投球だ。
田上のサインに首を振るシーンも多かったが、これも相手に球種を絞らせないための投球術。変化球でストライクをとった後、首を振ることで、打者が勝手に次のボールを真っ直ぐか、変化球か、いろいろ考えてしまうため、思い切りよくスイングできなくなる。
打ち気をはぐらかし、狙い球を絞らせない。150Km/hを越えるストレートを持ちながら、多彩な投球術を心得ている。

6回までわずか2安打。
7回には、カブレラにタイムリーを許し1点を与えるが、ランナーとして出塁した中島の2ベースはドン詰まりで1塁の後方に落ちたもの。カブレラにはフェンス直撃の痛烈な一撃を浴びたが、ここもインコースを上手く使っていた。でなければ、スタンドインしていたろう。

8回までで4安打1四球、5三振。数字だけみれば、ギッセルも、4安打3四球7奪三振、4回以降はパーフェクトピッチング。が、その投球術、マウンド上でゲームを支配する能力の違いたるや歴然。

ガトームソンは96球、完投も十分可能という状態での、余裕の馬原への継投。
その馬原も休養充分。最速154km/h。キッチリ3人で締め、対Lions4連勝。


チームとして、キッチリ野球ができている。

安定感抜群のガトームソンの投球で余裕の勝利となったが、小久保の2ランによる追加点がなけりゃ、終盤、シビアな展開になっていたに違いない。

そして、目下絶好調といっていい大村、本多の1、2番コンビ。この2人が、特に初回に出塁する効果は大きい。相手投手が誰であろうと、先頭の大村が簡単にヒットで出塁することで、相手投手を攻略できる、チームをそんな気にさせてしまう。


一方のLions。
ここのところの試合を観ていると、かつてのHawksの姿を見ている気がする。
Lionsの、その強さ、野球の質の高さを前に、必要以上に意識しすぎて慎重になり、自らを追い詰めて勝手に自滅をしていった、かつてのHawks。
今でもHawksが優位に立っているつもりはサラサラないのだが、Lionsバッテリーの走者を背負ったときの攻め方をみていると、ひょっとしてLionsがそれと同じような感覚を抱いているのかと感じた。
信彦なんて、この2試合ノーヒットだが、昨日も今日も2四球。敬遠もあったが、それ以外の四球は勝手に怖がって歩かせてしまった、という四球だった。初回のボークも、信彦、小久保へのその四球がなけりゃ、点には繋がらなかった。


さて、この試合、先日の王監督Hawks通算850勝に続き、プロ野球史上9人目となる通算1200勝の記念すべき勝利となった。
Giantsでの347勝、そしてHawksで積み重ねた853勝。
王監督のコメントは効かなくても判っていた。「試合をするのは選手だから。」きっとそういうだろう。
そして、実際のコメントもやっぱり。
「いいのそんなのは。その間、1球も球を放っていないし、バットを1回も振っていないんだから。」
そんな監督だからこそ、監督の胴上げを旗印にチームが1つになることができる。だからこそ、積み上げることのできた853勝。監督は「長くやれば勝ち星は増える」というけれど、チームが勝たなけりゃ監督だって続けることできんしね。

だから、敢えて。

王監督、通算1200勝、おめでとうございます。


そして、この日、頸椎の椎間板症で登録を外れた柳瀬と入れ替わりで藤岡が1軍登録。それと同時に小椋が1軍の練習に合流。

かつて、まだ和巳が1軍に上がる前、その逸材ぶりを評して「鷹投に、右の斎藤(和巳)、左の小椋あり」といわれたその才能。2軍戦ではここまで6試合、5回1/3を投げ、防御率0.00の安定感を見せているという。
和巳以上の「遅咲き」の花、開くか?

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