引退のモチベーション その2

  • yomo
    2006年07月04日 00:09 visibility50


 野球のサイトでサッカーネタを連発するのは如何なものか躊躇するが、やはり触れてしまおう。

 日本代表・中田英寿選手が現役引退を発表した。

 中田選手はブラジル戦で負けた後、しばらくピッチで倒れたままだった。フィオレンティーナ時代の仲間(ブラジル代表)アドリアーノ選手が倒れている中田に挨拶に来ていたが、日本選手は誰も(最初にキャプテン宮本とスタッフが来ていた)寄っては来なかった。とても印象的だ。仲間同士で傷を舐めあっても仕方ないが、戦前から「試合で倒れるまで走ったか?」という言葉が、このワールドカップで中田選手が口にし、最も耳に残る言葉だった。

 とある競輪学校受験選手が、1年間死に物狂いで100%練習して、不合格なら諦められる、と言っていた。私は、その言葉を常々教訓としている。本当に自分のもてる力を最大限まで努力しての挑戦ならば、満足のいく結果が得られない時点で諦められる。後から、80%だったかもしれないから来年も…とダラダラした気持ちは、立ち止まるだけだ。

 団体競技において、100%自分の力を出し切るというのは、うまく線引きができないかもしれないが、このワールドカップが始まるまでの4年間、いろいろなコメント、行動、試合でのプレー。中田選手は、

 120%出し切ったのかもしれない。

 もちろん、これは私の憶測でしかない。私はこの引退には納得する部分が大きい。多くの挑戦・夢をもっている人は、自分の力を全部出し切った結果で、ある意味一つのゴールを向かえ、次のスタートラインにたつ。おそらく、中田という人は、次の目標も100%自分の実力を出し切って、結果を出すだろう。頑張って欲しい。

 さて、この話を日本プロ野球に置き換えてみる。選手が100%力を出し切る、それで結果が出る。しかし、満足しない選手が多いと思われるのは、何故なのか…。おそらく、上のステージがあると考えられる。

 大リーグ

 最終的に、ここで自分の力を出し切る場所と考えている選手が多い気がする。今年引退宣言した新庄選手しかり、多くの一流選手が大リーグへと進んでいる。今日のニュースでは、日本の16歳の少年が大リーグのブレーブスと契約したらしい。野球選手の選択肢が広がり、日本人の価値観も広がり、近い将来、日本のドラフトを蹴って、いきなり大リーグに行く選手がでるのではないか?資本で勝てないなら、何か日本プロ野球に魅力が必要である。WBCもその一つかもしれない、WBCで優勝することをモチベーションとし、日本で頑張る選手もいるだろう。しかし、大リーグの選手中心の選び方では根本的な解決にもならない。第2のイチローや野茂をわが国でプレーさせなくてどうする。テレビだけ観戦でよいのだろうか?

 120%の力を出す場を日本で、生で多くの日本人に観てもらう。WBCで優勝をした野球ならば、それが、「今」、動けば可能だ。サッカーとは土台が違うのだ。セ・パのプレーオフでゴタゴタ言わず、もっと大きなビジョンで日本プロ野球復活を夢見て欲しい。少子化日本にこの先、新しいスポーツ文化が根付くとは思えない。既存のスポーツの復活を願うばかりだ。

 簡単に言うなら、少子化日本に強いサッカーと強い野球の共存はありえない。

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