パウエルの件

  • DIME
    2008年02月05日 10:08 visibility116

100人のプロ野球ファンに聞けばほぼ100人の人が「もっとも行ってはならない、最悪の解決手法」と言うでしょうから、わざわざ言い添えることもありません、皆さんと同感です。
これなら法廷闘争にまで持ち込まれるほうがよっぽど球界のイメージダウンにならないわ。

っていうかソフトバンクがうますぎだなぁ、「この時点で事実が解明されたとは一切思わない」に「二重契約の可能性が強いという印象を、精査もせずに世間に植え付けてしまった連盟の責任はどうされるのか。」か。
ここでわざと引くことで完全にソフトバンクは被害者というイメージの植え付けに成功してるし、自分たちが獲得できるのだから実利も得ている、更にその上にこの期間を短くしようと言うのが目的だろう。落ち度が無いはずなら認めない期間なんてあっていいはずがないってね。
世間のコントロールの仕方を心得てるわ、最近のソフトバンクと言う企業のイメージが(特に過去の出来事にあまり触れる機会のなかったと思われる若年層や女性層で)不自然なほど良好化しているのもこういう理由なんだろう。

ほんと今更特にいうことはないです、筋書きの書かれたドラマを見ているようなもの。繰り返しになりますが私はソフトバンクを批判する気はまったく有りません、むしろ誉めています、上の文章は。

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まぁ結局は「制度不備・条約不備」ってことで片付けられるべき課題でしょう、「正式な契約だとは思っていなかった」で逃げられるような制度になっているのが悪い。
根来氏が言っていましたが、そもそも日本語以外の契約書が無いって時点でこうなる萌芽ははあったわけですから。
ただしかし、その発言に対して「お前の仕事だろう」とか「お前が言うな」みたいな反応が出ているのが残念ですね。
先にも言ったとおり根来氏は「プロ野球の明文に様々な不備がある」とわかっていたから、球界再編問題のときにも動かなかった、あそこで動いていたらオーナー側の専横に「野球協約第二章第9条の(1)」という“錦の御旗”を与えることになるんですから。
そこを変えなければいけないと思っているからこれだけ世間に誤解されようが不当な批判にさらされようがコミッショナー「代行」という半端な地位にしがみついてまで、新しい法を作ろうとしている、世間から言われているとおり「それが彼の仕事」であり、同時にそれを本気でやってくれている初めてのコミッショナーって事ですよ。今までの人間はどこかの官僚のように、その責務にある職に自分が居る時期さえ凌げればそれでいいと、先送りを重ね、曖昧なまま推移し何も動かなかったんですよ。
統一契約書の他言語文書というのも彼が今そうやって泥を被ってくれて、それでもプロ野球に尽くしてくれているから生まれようとしているんですよ。
別にね、全ての人にそれを理解しろとは言いません、というか往々にして正しい活動とは世に認められないものであったりするものです、本人だってそれがわかってでもなおやっているのだから覚悟のうえだろうと思います。
ただね、それをわかっている人間の発言が世間にはあまりにも少ないので、やっぱり言ってはおきたいんですよね、そういうモノの見方もあるのだよと。

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あぁそれと、どっかのバカがバカなことを発言しているようですのでバカらしいですけど一応触れて起きますとね。

今夏の問題は「契約」や「協約」の問題であって、「外国人選手に頼る」ことや「育成」の問題ではありません。

良くいるんですよね、どういう話題になったとしても強引に自分の得意な話題にすり替えて、そこを主張する人。往々にしてその主張の部分は正当なことを言っているので「同感だ」と思われてしまう。
けれど、良く考えてください、そこの正当な主張と、その時に出されている問題と、どこがどう繋がっているのかちゃんと説明されていますか。
前々から言っているとおり、育成は補強の手段の中の1つです、補強を選べば育成が選べないなんて事は無いんです。
新外国人を獲得することは育成を放棄することでは有りません、育成で優れた選手が伸びてくることを期待しても、計算しても、それでも失敗したときのことを考えて手を打つのが編成の仕事です。
両方とも成功だった場合は球団に保留権のあるほう(つまり若手)を使えばいいんです。余っちゃったら「余っちゃったね」と苦笑いすれば済むんです、でも足りなかったら「足りなかったね」で苦笑いして終わっていい問題じゃないでしょ。
「足りないぐらいなら余らせろ、枠や金を余らせるぐらいなら人を余らせろ」、それが鉄則です。今の状態でも99%余ると予測できているのだとすれば残りの1%のために更に進まなければなりません。
もちろん、ただただ完成度だけを追い求めろとまでは言ってません、費用対効果を考えて、そこに投入するより他に投入した方が良いとかまっとうな理由があればその1%でなく他の何かを求めることを支持しますよ、ただし、他に使うわけでもなく資金を遊ばせておくなどもってのほか。
「うちには優れた若手がいる、それを育てられる」と自信があっても確信を持っていても、だからといってそこにある「より強くなるための1つの選択肢」或いは「よりリスクを下げるための1つの選択肢」があったとすれば、それを選ばない方がおかしいんです。
その選択肢を選ぶことと「若手の育成に自信がある」事とはまったく関係が無いんです。
今回のパウエルの問題は球界における育成とは大きなつながりを持ちません、もちろんこれが例えば「パウエルを取るために急遽若手を1人解雇した」とかになればつながりを持ちますけどね。
もちろん、なんらつながりが無いことも無いでしょう、巡り巡ってつながることもあうでしょう。でもそれは「風が吹けば桶屋が儲かる」レベルの話です、狭い球界の中、まったく影響の無い2つのファクターがあることのほうが奇妙なんです。

一昨年ぐらいでしたっけねえ、「巨人の改革」についての特集記事が組まれたときも、育成をしなければいけない、その為にはファーム改革が必要で、だから自分の私見である「ファームの独立採算化」をしなければならないと強引に結び付けて、あとは巨人関係無しに自論を展開していただけ。
この人の発言はいつもこうです、全てを自分の得意な分野にねじ込んで、同じことだけを主張している、しかもそれがそこだけ見れば正しいことを言っていたりするからタチが悪い。

結構詐欺師とか政治屋さんが使う手法です、国会答弁などでも良く見かけます、会社の会議などでもこういう人はいるでしょう。
その対策としては広い視野で発言を考えましょう、全体を俯瞰しながら「主題がすり替わってないか」という事はいつも意識しておかなければダメです。

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