ドラフトを振り返る

  • DIME
    2006年09月25日 22:45 visibility124

今更ってかんじだけれども(笑)もちろんCSで最後までずっと中継を見ていました。テレ東は一番面白い下位指名を放送しないのは間違ってると思うよ。

まずは時系列に準じて振り返っていきましょうか。もちろん1順目までは抽選なので順番は無関係ですが、それ以降はウェーバー順なので上から順に指名されていった選手です。

 

○1順目(抽選)

田中将大:楽天、横浜、オリックス、日ハム増渕竜義:ヤクルト、西武大嶺祐太:ロッテ、ソフトバンク前田健太:広島堂上直倫:巨人、阪神、中日

予定通りというか予想通りというかくるといわれていた5人にそのまま指名が集中する。

ただその中で誰もが予想外だったのはロッテが前田ではなく大嶺にきたところだろう。もともと場をかき回すのはロッテしかいなかったけど、「前田か1本釣りか」というのが大方の予想だったと思う。

ところが蓋をあければ大嶺だった。前田と大嶺で言えば同程度の期待が持てるし、広島とソフトバンクのどちらかとの競合になるのだとすれば同リーグのソフトバンクの方が勝ったときにプラスが大きい。ある意味この指名は戦術的な要素も大きかっただろう。

抽選で勝ち取ったことでこの戦術は当たったわけだが、もちろん大嶺と前田のどちらがプロで活躍するかで本当の明暗になるわけだけれども。

 

この時点で指名権を獲得したのは楽天・広島・ロッテ・ヤクルト・中日。下位2チームが指名権を得たことで巨人・ヤクルト・ソフトバンクあたりの中盤チームは外れ1位に余裕が持てる。逆に上位ではずれた阪神・西武・日ハムあたりはわかっていたとはいえ厳しい。

 

○1順目(ウェーバー)

 

横浜:北オリックス:延江巨人:坂本ソフトバンク:福田阪神:野原西武:木村日ハム:吉川

1番の驚きはオリックスの延江指名。個人的には左腕は吉川よりも延江が先に指名されるだろうと予測はしていたがオリックスが指名してくるとは思わなかった。どちらかというと育成よりも即戦力を選ぶ傾向のあるオリックスで延江のようなこれから教え込む投手をうまく御しきれるのか注目。

 

順当だったのは横浜、巨人、阪神、西武あたりか。もちろん抽選に外れたので最善とはいえないのだがいずれの球団も欲しいポジションで、抽選選手と劣らないぐらいのいい選手を獲得できたといえるだろう。西武は指名票提出まで時間がかかったが結局は順当に木村を指名してきた。

 

隠し球を最初に出してきたのがソフトバンク。福田は他球団からも隠し球に挙がっていた候補だがまさか1位で指名してくるとは思わなかった。有力どころでは梶谷が残っていたが福田を指名してきたのはロッテが2順目でくると言われていたのでそれとの兼ね合いもあるだろう。結局はこのあと伊奈・李と獲得できたし先に福田を指名しておいたのは正解だろう。抽選ではロッテにやられたがすかさずやりかえしてきたかんじ。さすがはドラフト巧者。 

 

日ハムの吉川指名は個人的には驚き、八木・須永がいる中で更なる左腕指名は予想外だった。あまった評価の高い選手から、どんな球団であれ取っておきたい補強ポイントである左腕を取り合えず確保したようにも見える。もちろん日ハムはもともと吉川を高く評価していたらしいが。

 

○2順目(ウェーバー)

ロッテ:佐藤

横浜の3順目指名も噂されていた佐藤をここで掠め取る。最も若い外野手が25才なんてことになっているロッテにとっては外野手の獲得は至上命題だったこともありいい選択だっただろう。

 

○3順目(ウェーバー)

 

横浜:梶谷楽天:山本広島:会沢オリックス:梅村巨人:田中大ロッテ:黒滝ヤクルト:上田ソフトバンク:伊奈阪神:橋本西武:朱中日:福田日ハム:植村

こっからは他球団との指名の兼ね合いも合って戦略の上手下手が見えてくる。 

まず横浜は前田は取れなかったが梶谷が残っていたということで予定の狂いを最小限に抑えられただろう。

 

楽天は完全な隠し球、全体で最初に指名される捕手が山本とは思いもよらなかったところ。何かが名捕手野村の目に適ったのだろうか。

広島はちょっと時間を置いて会沢、こちらも捕手。ただ捕手として取ったのか別ポジション含みかはなんとも言えない。

オリックスは梅村、ここまで残っている投手のなかでもいい投手なのだが彼もまた素材型。育成球団への転向を図ってるのだろうか。

 

巨人は田中大二郎、これもまた既報どおり。1順目でもおかしくないようなほとんど囲ってるような感じなので別の選手(磯部あたり)を指名して次に回すかと思われたが結局はそのまま。蛇足だが磯部は結局指名なし、何かあったのだろうか。

ロッテは黒滝、北海道の投手3人のうちの一人。若手投手が伸び悩んでいるロッテとしては投手2名は予定通りか。

ヤクルトは上田。巨人指名の田中もそうだが、最近の左打者隆盛の中で左打内野手の重要性が下がる分他の野手より評価が幾分下がったが能力的には1順目クラスだろう。

ソフトバンクは伊奈、彼もまた長距離砲。田中・上田と同じく左打ちのせいで実力より順番を下げたがこれからに期待の持てる選手。

 

阪神は橋本。両者とも捕手が高齢化している中日と阪神が獲得を狙っていたがウェーバー順が先の阪神が獲得、まさかの阪神見送りはなかった。

西武は朱を獲得。これもまた地元中日が隠し球として狙っていた選手だったが直前で西武がさらっていく、阪神に続いてウェーバーの妙味。

中日は直前で指名予定選手がさらわれてそれでも捕手が必要なので横浜がこの後指名を予定していた福田を指名。ただ中日にとっては橋本よりも福田のほうが評価が高かったとの声もあり、特にマイナスではないか。けっきょく玉突きで最後に横浜が押し出されることに。

日ハムは地元枠で植村を指名。予定通りといったところか。

 

結局どの球団も失敗らしい失敗もなく、絶対欲しかった選手・ポジションが確保できないことも無く。ドラフトの上手下手があんまり出てこないかんじ。

一番予定調和に近い感じの終結をみたか。

 

○4順目以降

 

日ハム:ダース中日:選択終了西武:選択終了阪神:横山ソフトバンク:李ヤクルト:山田ロッテ:選択終了巨人:伊集院オリックス:仁藤広島:選択終了楽天:選択終了横浜:高森

 

オリックス:土井健大(5順目) 

 

最後の順番になってくると「一芸入試」の様相を呈してくる。

この中でも個人的には日ハム、阪神、ヤクルト、オリックスあたりは報道でもあがっていたダーシュ、横山、山田・仁藤らの素材はいいけど育成次第っていうような投手を、ソフトバンクは報道にはあまり出なかったが有望といわれていた李を、巨人・横浜・オリックスはチーム事情から1名は捕手を確保したいということで残った名簿の中から有力捕手をという感じだった。この中では李を指名したソフトバンクが個人的には一番いけてるんじゃないかと思う。

 

 

○感想 

 

今年は大負けの球団もいなければ大勝の球団もいなかった印象。どの球団も及第点じゃないだろうか。

その中で大勝利といえるのはまず抽選に勝った5球団。このうち指名上位だった中日はその分あとの指名がうまくいかなかったけども2名は確保できたし11番目ということを考えれば十分満足だろう。

 

指名のなかった有力選手としては、まず投手では横浜の川角、岐阜城北の尾藤、野手では修徳の磯部あたりは指名があってもおかしくないと思っていたが結局なかった。

去年から育成選手制度もあるのでそちらで拾われるのかは気になるところ。

 

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