ちょっと早いけど序盤の雑感(前編)。
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DIME
2008年04月26日 13:15 visibility55
パ・リーグがつい先日それが終わったわけなんですが、巨人の場合は5月1日の広島戦でとりあえず一回り(各球団とホーム・ロードで1シリーズずつ)が終わることになります。
本当はそこで一区切りして振り返るべきなんですけど、ちょっと時間がなさそうなので、フライング気味に少し書き始めたいと思います、たぶん全部を書ききる余裕はないので、後々追記すると思います。
チームは4/25終了時点で11勝12敗1分。開幕からの連敗は「出た目が悪い」だけでしたから、先に悪い目が多かった分揺り戻しが来てここ最近の調子がいいのはある意味当然。
まぁ横浜のお陰で星が良いとも言えますが、それを言うなら横浜のお陰で開幕直後の星は悪い(=その頃に横浜戦があれば星は普通だったでしょう)とも言えるわけでして。頭9つは現時点でチームより上にいる3つとやったわけですからね。
ただ、別の言い方をすれば、現在の攻撃・守備それぞれの結果からすれば、5割弱の結果がいいところというのが実情でもあると言う事です、それ以上の勝率をあげられるだけのチーム状況にはありません。
「序盤戦で5割弱」という結果は、選手個別に見ていけば想定以上のプラスや想定外のマイナスが色々あるものの、チームを一くくりで見れば手術明けの選手の多さなどの理由から事前にシーズン序盤はこうなるであろうと一般的に見立てられていた予想そのままの数字でしょう。
正負の目が集まったので、「予想外の不調」だとか逆に「実力を発揮しはじめた」なんて書き立てられたりそんな印象を受けたりするでしょうが、それはちょっと近視眼に過ぎる評価でしょうね。
ずっと選手たちにしろ首脳陣にしろ開幕直後の連敗では「内容は悪くない、結果が出ていないだけ」と言い続けていたわけですし、周囲(=マスコミ)に惑わされることなく、本人たちは状況を正確に把握できていたのだろうと思います。
そこで誤解をすると泥沼にはまりかねないんですけどね、そういう誤解から本来は動く必要はないのに動いて、なんてのが典型です、まぁそれでもちょっと動きすぎな気がしますが。
残りの5試合を3勝2敗で乗り切ればしめて5割です、そんだけいけば序盤としては及第点でしょう。
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さて、野手について。
野手全体としての第一の感想としては、ここまで「出目」が悪い方に偏るかっていうのが予想外と言えば予想外でした。
内野の現有戦力評価で以下のように書いたんですが、これがもろに来ましたね、ここまでど真ん中になるとは思いもしませんでした。外野の方はどう転んでも薄くなるのはわかっていたんですけど。
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現在の内野手の状況は基本的には問題のない陣容が整えられています。しかしながら、攻撃力のある選手が多くなく、攻撃力のある選手が複数名離脱することになると非常に危険な状態に陥ることになるでしょう。
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基本的に出目が悪い選手が半分ぐらいは居るのが当然ですし、今年は怪我明け&怪我抱えも多いですからそれらの選手は低くなるのが当然、だから打てないレギュラーが半分以上になるのは何も変なことではないです。
奇妙だったのは「上に振れる」選手が序盤にほぼいなかったって言う事、普通はサイコロ転がせば、いいのもあれば悪いのもあるわけなんですけどね。それも段々試合を重ねるにつれて「上に振れてる」選手が誰なのか見えてきているようですので(坂本、亀井、ゴンザレスあたりですか)、平均化してきていると思います。まぁ単純に振った回数が少なすぎたんでしょう。
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引き続いて野手を個別に。まず怪我で離脱しているのが、二岡智宏と矢野謙次、李承ヨプ、ぐらいですかね、平均的かちょっと少ないぐらいでしょうか。
李承ヨプがこれだけ不調になるのは全くもって予想外でした。原因はたぶん手術した左手親指が完治してないってことなんでしょうね。
まぁ「側副靭帯の再建手術ってそんなに早く復帰できるものなのかな?」という疑問はあるにはあったんですけど、肘はともかく指の再建術ってのは浅学にして何もわからなかったので「そんなものなんだろう」と安易に決め付けていたのがいけなかったです。
2軍降格までに我慢したのが55打席、これは妥当なところです。野球の場合はチームの勝敗だけでなく、野手の打撃成績もサンプル数が少ない段階では確率の揺らぎによる影響が大きすぎます。それを考慮すれば特に長期戦においては「動く愚」よりも「動かざる愚」が選ばれるべきと私は考えています。
で、そういう考えの下で私が設定するラインからすれば、「50打席前後」というのは数としては「もっとも少ない」ラインです、これ以下は基本的に少なすぎ。怪我という明確な原因があった事を鑑みて最速で動く、ただし制限速度は守る、上出来だと思います。
もう一名、キャンプ時点からすれば予想外だったのは阿部慎之助ですね。死球禍ですから如何ともしがたいところなんですが。誰かが死球なりアクシデントなりでこうなるのは織り込んでいたんですが一番都合の悪いところにきました、これもまた運の悪さですね。
捕手というポジションを考えれば打てなかったとしても打てないことを覚悟の上で使うしかないです。ただ「捕手としては」という相対において大きなアドバンテージとなる彼の攻撃能力ですから、結果的にここが一番の攻撃面での弱体原因でしょうね。
起用方針として気になるのは、「阿部慎之助を休ませる」という選択を最初のヤクルト戦だけでそれ以降行っていない事。「そんな余裕がない」という気持ちは分かりますけど、ちょっとこの選択は賛成できません、後述の先発の件も含めて、このあたりは首脳陣が急いて状況判断を少し間違っているのではないかと危惧しています。また打順にしても、もう「打てないのだ」と割り切ってしまって下位においちゃっても良いと思うのですけどね。
もう一つ捕手に関して首脳陣に疑問を覚えるのが、2番手以降の起用方針。一時的にしろ2人制にしたのも十分疑問ですし、現状村田善則が良く使われているのも疑問を覚えます。
「リード力の差」というものに関しては数値化できないところがありますので、しがない一ファンよりも野球を生業にしている首脳陣の判断の方が正しい可能性が非常に高い(っていうかそうでない方がおかしい)のでその点を理由とされれば反論の余地は無いんですが、そこを置いておいて攻撃力などで見れば若い3人のほうを使ってほしいなぁと感じます。
攻撃に関して言えば、現在の阿部慎之助は捕手としても人並み程度の打撃能力しか期待できません。だったらそう割り切ってしまえば、阿部じゃなくて他の捕手でもどうせ打てないのは同じだと考えることもできます。そういう目で見れば、リードの差を除けば若手を起用することに弊害はありません。特に實松一成は彼を知る人間からみれば誰が見ても今の2軍のSTATSは異常ですよ、試してみて損はないと思うんですが。
でも、ほんとサネはどうしたんでしょうねえ、三振とヒットの数が逆ぐらいが彼なのに。
高橋由伸、ラミレス、小笠原道大に関しては、(ラミレスはともかくとして)出塁率が伸びてこないのが非常に気になるのですが、長打率を考えればぎりぎり及第点といったところでしょう。
高橋由は4番に入ってから打てないというのがあまりにも続くようだと、先にも書いたように(日記:打順の重要性。)、“「聖域」だと思って気負ったり何かが変わってしまう”可能性がありますから、そうだとすると「4番の適正」がないかなとも思いますが、まだ判断するには打席数が少ないです。
ラミレスに関しては場面場面で「何で状況を読んで、じっくり打つことが出来ないのか」ってストレスを溜めてしまう事がたぶん何度も既に出ているんだろうと思います(あんまり試合見てないので推測)。ただ彼はもうその早打ち大魔王が特性ですから諦めるしかないです。
そういう打席の積み重ねで過去の成績を残しているんですから、そのマイナスを差し引いた上でもプラスになったという結果がこれまでは示されているんですから。あんまり個々の打席を気にしすぎてはいけません。
小笠原はまだまだ復調の途上にあるってことなんでしょうね、悪化して長期離脱とかならないことのほうが優先課題なんで、体調には十分配慮した起用を続けて欲しいと思います。満足な数値ではないですけど、そんな状態の彼ですら超えられる選手が居ないのが実態です。
んで、谷佳知。ここもまた現有戦力評価(外野手編)で触れていた懸念がどんぴしゃ、頭が痛いところですね。現状の成績では起用方法は限定されます、具体的には今やっているような使い方しかできないでしょう、場面を調えた後での代打。
現有戦力評価で懸念していた通り、長打率がすごいことになっています、打率=長打率、つまり長打が一本もありません。
元々四球の少ない打者にもかかわらずこれでは、例えどれだけヒットを打ったとしても(いや打率7割とかなら別ですが、4割なら微妙かな)先発させるのは狂気の沙汰です。
それでも打率はレギュラー並には期待できる、となってくると畢竟カードを切れる場面は限られます。
具体的に言えば“スコアリングポジションに「フォースではない」走者が居るとき”ですね、もちろんフォースの走者だったらダメってわけでもないんですけど、フォースなら四球でもいいっちゃいいので。
別の言い方をすれば、「四球じゃなくて安打が欲しい、安打であれば長打でなくてもOK」な場面です。長打が期待できない事になると“相手投手に好投されてかつリードを許していて走者すら満足に出てない”なんて場面での代打とかはちょっと適しません、そういう時は長打の可能性がないと得点はなかなかとれないでしょう。まぁそんな選手が居なければ次善で出塁率の高さを狙って使うしかないでしょうけど。
現状、そのあたりは首脳陣もわかっている・・・のかなぁたぶん。とりあえずマスコミがもてはやしている程の結果ではないので誤解しないように注意しましょう。
坂本勇人、予想外です、こんなに打てるとは思いませんでした、あんなスイング2軍でも出来てなかったんですがね、去年の2軍での実績は「出続けられたこと」に価値があるだけで結果はけっして芳しいものってわけでもなかったんですが。
ただ、2年目でありながらそろそろ1ヶ月にもなる一軍日程についてきながらへたれない事、少なくともこれだけは間違いなく去年一年間の成果でしょう、良く頑張ってます。
亀井義行、もっと予想外です、野手平均ぐらい打てれば御の字だろうと思っていました。センターに開くであろう穴は矢野謙次が埋めるだろうと半ば確信していたんですが、まさかこうなるとは。
現在の結果だけでも十二分なぐらいのジャンプアップですから、そこから更にそれを1シーズン続けろとか無体なことを言うつもりはありません、ひとまず矢野謙次が復帰するあたりまで、なんとか持って欲しいものです。
ゴンザレス、予感というか予想というか、良いほうに当たってよかったです、ってまだそう言うには早すぎるでしょうけど、このままモノになってくれたら本当に面白い存在なりえます。
守備はもともと良いという評価でしたからね、気になるのは打球方向がちょっと引っ張りに偏っていそう?なところでしょうか。右に強い打球が伸びるようだともっと面白みを感じます。
まぁでもこれでわかったでしょうね、枠が4だったら6か7ぐらいは揃えなきゃいけないんです、パの強いチームはとっくの昔にそうなっていたでしょう、そっちが正しい戦略なんですよ。
それをこと巨人に限ってだけは「余剰戦力」だの「もったいない」だの馬鹿げたことをぬかすのが多すぎます、“運が良かったときには余る”ぐらいでちょうどいいんです。
木村拓也、古城茂幸、大道典嘉、果たすべき役割をしっかり果たしてくれていると思います。
古城茂幸にいたっては役割以上の結果を残していると言えるんじゃないですかね、二岡智宏と李承ヨプの離脱で内野手の攻撃力が大きく低下しているのでほんと助かっていると思います。
野手はこんなもんですか。ここに来てようやく曲がりなりにも打線になってきましたかね、
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(投手編はまた後日)
しばらく見ても2試合/weekぐらいで過ごしてきて実感したのは、やっぱり自分は映像で見て主観的な部分でもいろいろと判断を下していたんだろうなぁという事。
ちゃんと見ていればわかったんじゃないのかなと思う点も幾つか見受けられます、例えば李承ヨプなんかは最終予選の絵が見れていれば(実のところほとんどと言って良いほど報道で流されず見ようと思っても見れていたかは微妙ですが、CSならあったのかな)下方修正する余地があったのかもしれません。
特に「今年の調子」を判断するにはやっぱり数字だけではまだまだ無理があるなぁとおもいます、特にサンプル数がどうしても少なくならざるを得ないと言うのが難しいですね。
今年一年はこれでやってみて、自分がどれだけ主観に頼っていたかを確認してみたいと思っています。
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- 事務局に通報しました。
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