クルーン獲得について。
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DIME
2007年12月05日 19:36 visibility123
先に全然関係ない話なんですが、携帯から見るとリンクって付かないんですね。
これまで、リンクがある前提で文章書いていましたから携帯から見ると意味の通らない文章も数多くあっただろうと思いますので、リンク張る時はそう書かないと。
パソコンから見る方からすれば、ちょっと読みにくくなるかもしれませんが、ご了承ください。
さて、クルーン獲得決定だそうで。ちょっと各紙の契約内容の報道にズレがあって、報知が1年3.5億、サンケイが2年5.5億、ニッカンが1年3億。
確定的なことがわからないのですが、スポーツ紙以外で言えば共同通信が「契約内容は1年目は契約金と年俸を合わせた総額約3億5000万円で合意。右ひじや股関節に不安があるため、2年目からはクルーン側と球団の双方にオプションがあり、一定の成績を残せば1年ずつ、最長で3年まで自動更新」と報道していますので(デイリーやスポニチはこれに準じて速報を出しているのでしょう)とりあえずこれを前提として話を進めます。
オプションとはどういう契約だろうかとかバイアウトとはなんぞやとかは今日は書きませんので興味のある方は自分で調べてください。
まずはこの獲得についてをどう評価するって事なんですが、先の日記(選手獲得に対する編成の評価)で書きましたように、評価をするのには順番が有ります。
まず第一段階として「チームに於いてどの役割や属性を持った選手を補強する必要があるのか」についてその構想を評価し、それを踏まえて第二段階として「その属性を満たした選びうる候補選手の中でどの選手を獲得するのが一番望ましいか」についてその活動を評価するという順番です。
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では「クルーンが持っている選手としての役割・属性」とは何か。これは当然、抑えかそれにつなぐセットアップピッチャーって事になります。
今の巨人に中継ぎ・抑えが必要かどうかというのは、9月末時点での日記(抑え投手をどうするのか)でも書いたように、どう考えても必要です。
要旨だけ抜き出すと、上原浩治をなんとか配置転換させてもまだ中継ぎ・抑えが安定を見ないというのは、その上原がロングリリーフするのがもはや常態化していることからも明らかです。
ということは、来年上原が先発に戻る・戻らないにかかわらず、巨人の中継ぎ・抑え投手は数が足りない=積極的な補強が必要、という事情は変わっていないと言えます。
また特に抑え投手についてですが、本来であるならば抑え投手というのは自前で育てるのが望ましいのですが、その育成は段階を経ていく必要があり、現状では抑え投手という段階に進めるまで段階を経ているのは林昌範ぐらい。ですがその林昌範は肘の術後にほとんど不安の無い手術とは言え一応手術を受けており、その完治を前提とするのはリスク管理としては問題があります。
この記事を書いた後に付け加える情報があるとすれば、読売新聞紙上の原監督のインタビューで上原の先発復帰を明言しているということ。個人的希望を言えば上原には抑えを継続して欲しいですが、編成の立場からすれば、現場がそういうことを言っている以上、抑え投手には他の選択肢を用意しなければいけないと判断しなくてはならないでしょう。
ほんとは、これだけ分業化が進みチームの編成に合わせて選手を組み立てていくという現代野球において、たとえエースといわれる立場だろうがもっとも計算できる選手であろうが、チームの意思を個人の意思が上回るというのは、少なくとも優勝するような強いチームにおいては本来はあってはならない、むしろ個人の意思がでることじたいが前時代的な古臭いものだと思うのですが、まぁそのあたりは今回の主題では無いので置いておきます。
話を戻して、あと一点、書き加えておくべき事とすれば、順当にいけば来シーズン途中に上原浩治はFA権を取得するということです。彼の意志の強い性格から言って今MLBという話が出ないのはポスティング騒動の時に封印するといったから言わないだけで、FAを取ったらMLBという気持ちは強く持ち続けているんだろうと思います。となれば、上原浩治を仮に抑えにしたとして、持つのは1年です。居なくなってから慌てて後継を探すわけにも行きません。今年は偶然にも抑え投手の当たり年ですから選択肢が有りますが、そう毎年毎年抑えが市場に出回るわけでは有りません。そう考えると選択肢がある今年のうちに上記の育成を考えても最低2年、できれば3年ぐらいは計算が立ちそうな補強はしておきたいです。
以上から特に中継ぎ・抑えには積極的な補強が必要であり、加えて抑えをも担えるだけの投手である方が望ましいということになります。
ここまでが先にいう第一段階、編成の構想についてです。クルーンは巨人というチームにおいて補強が必要な属性を満たす選手であるといえます。
次に、では「クルーン獲得」という選択肢そのものの妥当性、望ましい選択を選べているかについて考えて見ます。
先ほどもリンクを張りました日記(抑え投手をどうするのか)において、当時はまだFAなどがどうなるかわかっていなかった状況なので、「クルーン、岩瀬、小林雅の3人の中で誰を獲得するべきなのか」という疑問に対し、単純に実力だけを見れば岩瀬を推したいですけど、総合的に見ればクルーンが一番だろうと書きました。
まぁその9月末時点ではともかく、その後のCS、日本シリーズ、代表戦を見れば、実力だけで言えば岩瀬だというのは誰の目からしても明らかでしょう。ただその岩瀬はFAしなかったので選択肢除外。
残るは小林雅かクルーンか。もちろん、既に小林雅は決まっていますので実際にはこの選択は無いのですが、時系列的に言えばMLBに決まる前に手を上げることも可能だったわけなので、小林雅と交渉することも可能だったことにはなります。ただFA補償を考えるとどうしてもクルーンに分が有りますし、単純に今年の成績だけを見てもクルーンのほうが順当でしょう。
その他に選択肢があるとすればあとは新外国人、戦力外、トレード、ドラフトの4つの選択肢が有りますが後ろ3つは非現実的、詳細はわざわざ書くまでも無いですよね。
ありえるとすれば、この日記(巨人の戦力外全貌は出ましたかね)にも書いたように、あまりに高くなってくると、MLBとの争奪戦となるような高いレベルの外国人選手と大差なくなってくるので故障持ちのクルーンよりそちらの方がっていう可能性。
ただ、ミセリの名前を出すまでもなく、新外国人という線は確実性という点で非常に問題が大きい。そうなってくると日本球界でよくある例のようにMLBでの実績は無いけど見込みがある選手を拾うのではなく、MLBとの争奪戦となるような実績のある選手ぐらいのレベルは求めたいです。
ただ、今年のMLBのFA市場は中継ぎ・抑えが不足気味(このあたりは薮田や小林雅のニュースで言及があるのを見た方も多いでしょう)、実際の能力よりどうしても高い金額が必要な可能性が高いです。
それらの事情を勘案して先の日記のように2年8億ぐらいを境界線にしてそれ以上資金を使うのならば新外国人と両天秤にかけた方が良いと考えていました。
で、最初に戻りますけれど、ちょっと情報が錯綜していますが1年総額3.5億でバイアウト付きという金額に落ち着いたようです。この金額なら私はクルーンとの契約の方が望ましいと思います。
以上から、第二段階、「その属性を満たした選びうる候補選手の中でどの選手を獲得するのが一番望ましいか」に関してもクルーンというのは良い選択であると思います。
ただ相対的に見れば、つまり選択可能な選手の中では、よい選択ではあるのですが、絶対的に見たときに良い選択だと言い切れるかといえばちょっと微妙といえば微妙ですね。
クルーンが果たしてどれだけの結果を残してくれるか。これに関しては正直私も懸念するところではあります。06年ほどの成績とは言わず、05と07が同じぐらいの数字ですから、これぐらい出してくれれば十分なんですが。年齢を考えてもちょっと蓋を開けなきゃわからない部分が有りますが、それを言い出したらどの選手も毎年そうであるともいえますし、気にしていては始まらないんでしょう(笑)。
ただ「クルーン以上の選択」という存在しないものを求めてもどうしようもないですからね、クルーンは獲得すべきだったと思います。藤田の時にもそう書きましたがこれでダメなら選べるカード全体が良いカードでなかったのが悪いのであって、獲得そのものが批判されるもので無いのは確かでしょう。
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その金額ですが、世間から疑問があがってもおかしくないところが2点ほどあるのかなと思います。
まず金額の妥当性について。「3.5億というのはあまりにも高すぎるのではないか」ということですね。
良くそういう記述を見受けますが、統一契約書なり保留権なりの球団側有利の条件(つまり安く済む)や先払いのお金である入団時契約金の無い外国人選手ですから、日本人選手の年俸と単純比較をしていいものではありません。
例えば、FA選手と比較するのであれば、FA選手はその時点で保留権は持っておらず、また再契約金をもらうことができる=契約金は既に減価償却済と考えられているのでそれらの条件に関しては外国人選手とFA選手は同じだとみなせますが、FA選手だけに補償金がありますのでそれを含めて考える必要があります。
仮にFA選手を獲得しその補償が全て金銭だった時に、補償金も合わせて総額3.5億となるのは年俸が約1.6億円のときに補償金120%=1.9億円で足して3.5億です。球団が支払うことになる総費用という観点からすれば同じ金額です。
つまりこのクルーンへの3.5億という金額は、FA選手で言えば1.6億円相当です。そう考えるとそんなに高い年俸ではないということがお分かりいただけると思います。
もう1つ「何故横浜の提示金額と同じ3.5億なのか」という点にも疑問が上がるかもしれませんが、これは順を追って考えてみればそう不自然でもないと思います。
巨人と交渉するにあたっては、横浜が先に出していた3.5億という金額がベースラインとなるでしょう。
で、この交渉ですが今回の発表まで全くといっていいほど巨人側から公的にはクルーン獲得を希望するような発言は無いどころか(もちろん飛ばし記事は多数有りましたが)、逆にあまりに高いようなら撤退するという情報を(たぶんわざと)もらしていた。それらの周辺動向も見れば巨人側が、少なくとも表面上・或いは交渉上は強気に出ていたことが伺えます。
これは強気に出れるだけの理由があったからです。代理人にカードがなかった。
昨年ぐらいまではそうでもなかったのですが、MLBで今年は一部の代理人が自らの利益を選手の利益より優先した結果代理人が解約されている例が出ています。
代理人からすれば内容に関わらず最も高い金額がその分取り分が増えますから望ましいのですが、代理人として「本人の希望」より「高い金額での契約」を優先した結果がそれらの解約です。それを踏まえると今自分の目的ばかりを優先するのは危険。
そして、報道に見られる「本人の日本球界希望」というのが事実であるならば(まぁ公式HPでもそういう発言してますし、ページ消えてるんでリンク張れないんですが)、そういう事情から尊重しないわけにもいかない、「MLB移籍をちらつかせて交渉」という手段のために出したであろう報道も長続きしなかったことからもそれが伺えます。
交渉時の印象からすれば今更横浜と再交渉はできない(失礼ながらそれぐらい割り切れるほど横浜球団がビジネスライクだとは考えづらい)でしょうし、巨人以外で日本球界で手を上げそうなのは報道によればオリックスという話も出ていますが、オリックスは外国人選手に関しては適正価格を考える球団なので(ラロッカの年俸とか)、億単位での競争にまで追随するのかは微妙なところ。
本人の希望によってMLB移籍をちらつかせて交渉という目論見も立たず日本球界内部での交渉カードも無いとなれば、日本球界内でのもともとの評価に収斂しない方が不自然です。ガトームソンにしても金額とすればヤクルトが提示した金額と大差なかったですしね。
一応付け加えておきますが、去年のガトームソンの時も、ヤクルトには2年7億を主張しておきながら結局はソフトバンクで2年2.5億に収まった事例と似通っていて金額に関しては疑問が残らなくもなく、特に今回は巨人になってきますからやれ裏金だとか裏契約だとかなんとかいう声が出てくるとは思います、馬鹿げた話ですが(笑)
私は、確定的な根拠(具体的には契約でいうなら契約書、最低ラインとして信頼性のある報道機関=スポーツ紙は当然ダメ、全国紙か大通信社が裏づけを取った報道)が無い一般の趨勢とは異なる主張やイエロージャーナリズム的な報道と、空想・妄想とは同義だと思っています(別に野球に限った話ではなく、額賀氏の問題とかでもそうです。あんなもん最初っから出た証拠なんて出ない、むしろ出て無い可能性のほうが高いと何故他の人がわからないのかの方が不思議でした)。
なので、そういう疑問、或いはそれを前提とする疑問は話題とする気は有りません。とりあえず3.5億ではないことを示す証拠を出すのがそういう主張をする人の義務でしょう、民主党の永田元議員のかの例のように。無いことを証明することを要求するのは無理というものです。
こういうことをわざわざ書くのは嫌なんですけどね。
とりあえず、編成は順調に役割を果たしていると思います。セ・リーグ3強の中で最弱の巨人ですから、まだまだ補強は道半ばといったところですが、このままゴールまで駆け抜けてくれることを願っています。
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