ちょっとイイ話20 高校野球最初で最後の試合

10冊目に続きまして、今回も20冊目を記念して高校野球のちょっとイイ話を取り上げます。


このサイトでは高校野球に詳しい方が沢山いますので既に誰かが書かれたかも知れませんが。(^_^;)



今年も6月8日に愛知県で、恒例の大府高校VS中京大中京の親善試合が行われたそうです。

大府高校野球部監督さんの思いで始まって、今年で12年目の恒例の試合だそうです。

大府VS中京大中京といえば、愛知県内ではきっと屈指の好カードですね。


しかし、この試合の出場選手は全員ベンチ入りメンバーから外れた3年生選手です。

そして彼らにとっては、これが事実上の引退試合となります。

この試合を最後に、その3年生部員たちはレギュラーメンバーのサポート役に徹することになります。



応援席には本来のレギュラー選手や1、2年生選手が陣取り、大声で応援します。

両校のチアリーダーやブラスバンドも応援を華やかに盛り上げます。

まるで県大会の決勝戦のような雰囲気です。


練習試合にもほとんど出ることなく、チームのために下積みをしてきた3年生ですが、

この日は最初で最後の背番号を背負って試合に臨みます。



両校ともベンチに入れない3年生が沢山いますので、

毎回のように選手が代わり、それぞれの選手が「高校最後の打席」を経験します。

他の高校へ行けばきっとレギュラーになれるような選手もたくさんいるでしょう。

3年間の思いをぶつける選手達の一振り一振りはどの選手もフルスイングです。

1塁へのヘッドスライディングやファインプレーに大歓声が起きます。

中にはまずいプレーもありますが、誰も責めることはありません。



3年間自分の子供が出場しない試合ばかりずっと世話してきた親たちの応援にも力が入ります。

なんと言っても、この日の主役は自分の息子ですから。


やがて試合は感動のフィナーレを迎えます。

「時間が参りました。両校引分けです。」

というアナウンスが流れます。


でも勝敗なんてどうでもよいのです。この親善試合では、点差がどうであれ、常に結果は引分けです。


両校選手がホームベース前に整列し挨拶し、選手達がお互いの健闘をたたえて抱き合います。


3年間ずっと同じ思いをしてきた選手達同士だから、その気持ちはお互いに痛いほど分かります。


選手たちはこの後の県大会では応援リーダーとしてベンチ入り選手を精一杯応援するのです。








(^_-)

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