【サッカー 清水】智に働けば角がたつ。情に棹させば流される。

 まだシーズン途中であるのに、エスパルスの長谷川健太監督の退任が発表された。言うまでもないがケンタ監督は、初の生え抜き監督でもあり中興の祖でもある。


 今シーズンはタイトル獲得を掲げたにもかかわらず、リーグ戦では第1クール終了時点では首位だったのが第2クールで急速に失速。現在6位まで順位を下げている。


 ナビスコ杯は決勝リーグまで残るも準決勝で広島に良いところなく敗退。天皇杯はこの先どう転ぶかわからない。


 生え抜きであり6年もの長期政権であったが、今年に限らずその在任中タイトルひとつ取れなかったことを鑑みれば退任もやむをえまい。私自身シーズン途中からケンタ監督は今季限りと思っていたし、公言もしてきた。


 ただ、その発表のタイミング。それこそ、天皇杯ファイナル進出への芽がない訳でもないし、更にはもしかしたら3位以内となるかもしれない(もしかしたら~かもしれない論であるが)。そのような時期の退任の発表。


 監督退任発表の翌日、それに歩調を合わすかのように現コーチ陣全員の退任発表。政治の世界にはレイムダックとの言があるが、残り6試合レイムダックと化することはないのであろうか?


 


 そして、選手達。既に「清水のシンボル」市川・「清水が生んだサッカーの申し子」伊東輝といった生粋の子飼いはもとより、西部・ヨンセンといった現在のレギュラー組、復帰が待たれる青山が構想外として来季非契約と報道された。


  既に、名古屋からオファーが来ている藤本を含めれば、来季のチームはドラステックに変わることは想像に難くない。


 


 発展的解消といえば聞こえはよいのだが、どん底から6年かけて作り上げたチームをまた一から築きあげるのは並大抵のことではない。


 サッカーどころだからであろうか、老いも若きもここのサポーターは一言居士。また、地元の仔がチームに入団すれはこぞって応援する。


 だからこそ、ケンタだからこそ監督として務められたチーム。それこそケンタ監督1年目のリーグ戦順位は、前年の石崎さんより下回ったにもかかわらず、解任の大合唱にならなかったのは、やはり身内に甘くなる地域性か。


 


 強いチームが見たいのは事実。であるなら、鹿島でも少し前の浦和でも名古屋でも応援すればよい。


 さりながら、今回の退任・非契約報道はいままでの清水では考えられなかったこと。


 望月強化本部長は来季どのようなエスパルスをみせてくれるのであろうか。独立不羈のチームカラーは変えてほしくない。


 


 智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。そんな言葉を思い出した今回の一件。お家騒動のような失態に至らぬように。そして、コアなサポーターが離れることのないように願う。

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