★走者のルール〜part1〜★

  • 鷹乃廉
    2009年05月27日 19:20 visibility2677

走塁のススメ、第5回は★走者のルール〜part1〜★です。

意外と走者に関するルールが多かったので全部で4回に分けて解説していきたいと思います。
今回は1:塁の占有権 2:走者の走路 3:オーバーラン 4:リタッチのルール に4つについて考えてみようと思います。

1:塁の占有権
各塁の占有権は原則的に前位の走者にあります。
例えば、無死走者2・3塁の場面。打者は内野ゴロを打ち、3塁走者は本塁に向かわず三塁ベースに留まったが、2塁走者が三塁に進塁してしまい、三塁ベース上に走者が二人いるような場合。
このような場合は元々三塁を占有していた3塁走者に占有権があります。
なので3塁に進塁してきた後位の走者(2塁走者)は、たとえ三塁ベースに触れていてもタッチされればアウトになります。
どちらが先に塁に触れたかは関係がなく、前位の走者がその塁を明け渡すまで(次の塁に進塁するまで)は、前位の走者に占有権があります。

ただし、必ずしも前位の走者に占有権があるわけではなく、塁を明け渡す義務がある場合(必ず進塁しなければならない場合)は後位の走者に占有権があります。
例えば、無死走者1塁の場面。打者は一塁手正面に痛烈なゴロを打ち、一塁手はショートバウンドでこれを捕球したが、1塁走者はノーバウンドで捕球した(ライナー)と勘違いをしあわてて一塁に戻ったため、一塁上に1塁走者と打者走者との二人がいるような場合。
この場合一塁の占有権は打者走者にあります。前位の走者には二塁に進塁する義務があり、たとえ一塁ベースに触れていてもタッチされればアウトになります。


三択問題:無死走者1塁の場面。打者は一塁手正面に痛烈なゴロを打ち、一塁手はショートバウンドでこれを捕球したが、1塁走者はノーバウンドで捕球した(ライナー)と勘違いをしあわてて一塁に戻った。打者走者はまだ一塁に向かって走り始めたばかりである。
ダブルプレイを取るには一塁手はどのようなプレイをしたらよいか?

A:一塁手は二塁に送球し1塁走者をフォースアウトにしてから、打者走者が一塁に達するより早く一塁にボールを転送する。
B:一塁ベースを踏んでから、1塁走者にタッチする。
C:1塁走者にタッチしてから、一塁ベースを踏む。

すぐに正解がわかった方はルールを熟知していますね。
AとCはダブルプレイになり、Bは打者走者のみアウトになります。Bのプレイでは、一塁ベースを踏んだ時点で打者走者がアウトになるため、1塁走者の進塁義務が消えてしまいます。なのでBの場合は一塁ベースに触れている1塁走者をアウトにすることができません。
又、Aの選択肢は一度二塁に送球してから、一塁に再度送球しているのでCに比べエラーの確立が高くなり、打者走者の足が速いとダブルプレイを取れない場合もあります。
最も適切な一塁手の選択肢はCになります。

2:走者の走路
塁と塁を結ぶ直線から左右3フィート(約91.4センチ)の間が、ランナーの走路です。ただし、ランナーは必ずしもこのエリアを走らなければならないわけではなく、走路を外れて走ったからといって、即アウトになるわけではありません。
 
アウトとなるのは、野手のタッチを避けて走路の外を走ったときです。ランナーは走路を外れてタッチを逃げてはいけません。逃げた場合は、たとえタッチされなくても、走路を外れた時点でアウト。これをラインアウトと言います。
長打などですでに走路を大きく外れふくらんで走っていたときに野手がタッチしようと追いかけてきた場合は、走っていた位置から正規の走路側に3フィート逃げるぶんにはアウトになりませんが、反対側に逃げると即アウトとなります。
 
また、走路内で野手がゴロをさばくなどしている場合は、野手の守備が優先。ランナーが野手のプレーを妨げると、たとえ走路内であっても偶然か故意かの区別なく、守備妨害となってしまいます。

3:オーバーラン
打者走者は、一塁へ走り込んだ後にオーバーラン(オーバースライド)することを許されています。ベースを駆け抜けて離れても、タッチアウトになることはありません。
ただし、これは「ただちに一塁へ戻る」ことが条件です。ベースを離れている時間がいたずらに長いと、タッチアウトとなることもあります。
 
気をつけなければいけないのが一塁をオーバーランした後、二塁へ進もうとする行為を見せると、その瞬間からこの権利が消えてタッチアウトになる可能性が生まれます。
一昔前は、一塁線(ファウルライン)の外側はタッチされてもセーフだが、ファウルラインの内側(フェア地域)でタッチされるとアウトになるという解釈基準もあったようですが、現在はフェア地域とファウル地域の区別なく進塁の意思を見せてからはアウトにされるおそれがあります。
暴投などがあった場合は、進塁するか留まるのか瞬間の判断力が必要になってきます。

4:リタッチのルール 
バッターが打ち上げたフライを野手が捕球したら、ランナーは元いたベースに触れ直す「リタッチの義務」があります。もし、リタッチする前に、体かベースにタッチされるとアウトとなります。
このルールがあるため、犠牲フライなどのとき、ランナーは「タッチアップ」をして次の塁へ進みます。捕球をベース上で待ち、捕球を確認してからに次の塁へ走り始めるわけです。
捕球よりタッチアップが少しでも早いと、リタッチの義務を果たしていないことになるのでアウトとなる可能性があります。

また塁の後方から助走をつけて走り始め、捕球と同時にベースを踏んでリタッチするような行為は正当なリタッチとして認められていません。助走をつけたタッチアップはやめましょう。

走者のルールについてまとめてみました。次回は『走者のルール〜part2〜』の予定です。ルール解説が主になりますので、「試合でこんなプレイがあったんだけど」など情報提供して頂ければ掲載致します。お気軽にコメントやメッセージして下さい。
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最後まで読んで頂きありがとうございました。ここでは走者に必要な技術や知識について扱いたいと思います。御意見・御要望がありましたら、お気軽にコメントやメッセージをお書き下さい。
可能な範囲で最大限期待に添えるようにしたいと思います。

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