事実上の決勝戦(謎

 正直な話、あの東日本大震災の件もあり、被災地の方々の事を考えると、なかなか野球の日記を書く気にはなれませんでしたが、某アイドルから「心が痛いのはみんな一緒、でも、被災の少なかった人たちが、悲しんでばかりいても、テレビの報道を見ては涙してばかりいても、どこからもパワーは生まれない」という、ありがたいお言葉を(メールで)頂いた事、それから、色々あり、いよいよ重い腰をあげて、日記を書く事にした。(謎


 さて、今回は5月15日の試合についてであるが、この日の試合はトーナメントの一回戦。お相手のチームは、昨年このトーナメントの決勝戦で対戦した強豪チームである。その時の球場はなんと冗談ではなく横浜スタジアム。残念ながら私は欠席だったのだが。。。。その試合は残念ながら0-10と大敗してしまった。しかし今年はいきなり初戦で対戦と言う事もあり、勝手に「事実上の決勝戦」と心得させて頂き試合に臨んだ。


 この日は、本来の捕手の方々が全員欠席ということもあり、私が2年ぶりになるのか?マスクをかぶらせて頂いた。


 最近、野村克也前楽天監督の著書を読む事が多く、「弱者が強者に勝つには無形の力を使え」というような事が印象に残っており、それをヒントにして、リードをすることにした。


 無形の力とは「情報収集と活用、洞察力、分析力、判断力、決断力、ひらめき、鋭い勘」等々を言うのだが、まず考えたのが、相手チームの情報。昨年の決勝戦に参加したチームメイトに、相手チームさんの情報を聞き出し、さらにその当時のスコアブックを見て、情報を収集した。洞察力については、「相手打者のクセを一巡目で盗むこと」を頭においた。それから野村氏の著書によると「キャッチャーからみた各打者のバッティングゾーン」というのがあるらしく、一例だが「ストレートの空振りゾーン」「変化球でゴロを打たせるゾーン」などが存在するという。それらも頭におき、かつ投手の調子をみながら、「一球ごとに根拠のあるリードをする」事を意思決定した。


 とカッコ良く書いてみたものの、現実はそんなに甘くは無い。いざプレーをしてみると、捕球をするだけで一杯一杯で、打者のクセを盗むどころでは無かった。「バッティングゾーン」も完全に頭から抜けてしまっていた。


 いきなり試合結果を書かせて頂くと1-6で敗れてしまったのだが、登板した投手陣は二人の投手陣は、頑張ってくれた。先発して4イニングを投げた投手は、自ら時折、チェンジアップ(スローボール)を交えるなど、頭脳的な投球をして、6失点したものの、相手打者を数回翻弄した。2番手で登板した速球派の投手も、「新球を披露したい」との事で、後の事を考え、その球を1打者に対し最低一球サインを出したが、見事なコントロールで投球し打者を打ち取っり、4イニング無失点。(記録上は3イニング無失点)


 守備陣もノーエラー(捕手の私以外)だったので、点を取られたのは、相手チームさんの実力が上だったという事です。まさに完敗でしたが、その試合の中でのポイントとなったのは、確か初回だったか?相手チームさんの攻撃でランナー1、2塁(これも記憶が定かでないのだが)の時、私がパスボールをして、ランナーを進めてしまいその後ヒットを打たれ得点を許してしまった。これで一気に流れが相手チームさんに行ってしまったような気がする。


 まさに一球の重みである。この一球の重みについて、巨人軍の原監督の言葉を思い出した。2009年7月の対中日戦で巨人10点リードの9回表に左腕の深田投手が左打者森野選手の時に登板し、ツーナッシングと追い込みながら、あっさりとヒットを許してしまった時の言葉である。


 「お前は練習で何万球なげて、何万本走って、しかも投げるのはこの一球なんだぞ。その一球の意味が分っているのか」


 深田投手と私(捕手)とで、ポジション的に立場は違うが、やはりこの原監督の言葉は重く深い。私がパスボールをしたその一球でほぼ勝負が決まってしまった(もちろん最後まであきらめずプレーをしたが、、)と言っても過言ではないのだ。


 私はまたまだ一球の重みを分っていないようだ。

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