これから無敵艦隊となる日
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レキ
2008年07月02日 23:42 visibility150
前半15分以降、スペインはチーム全体の停滞感が徐々に取れてきて、流動性が出る。トーレスの動きが良く、ボールの出しどころを彼が作ってくれた(スペースにしても、彼が受けるにしても)。
セスクのパスのセンス、視野の広さは際立って見えた。
レーマンの反応の良さ。アーセナルではあまり出場試合がなかったが、まだまだ一流のキーパーだろう。
33分。スペインの先制点。そして意外なことにこれが決勝点。
2人のCBにせり負けず飛び出し、出てきたレーマンの上に浮かせる技ありのシュート。テクニックと瞬時の判断のよさがあった。
この試合トーレスのドイツ人の巨体DFをものともしない、しなやかさと速さと体幹の強さ、さらには跳躍の高さがこの日のピッチ上22人の中で最も光って見えた。
スペインのSBカプテビラの守備の良さ、さらには攻め上がりとその時の読みも地味かもしれないが、この試合では際立っていたと僕は思った。
スペイン人のミドルシュートは特徴的だ。他の国の選手ほど”思いっきり蹴る”のではなく、ゴールの枠内をしっかり狙ってくる。まさにゴールにパスを出す感覚なのか。
ポドルスキーとシュバインシュタイガーの2人にアタックに行くシーンが見られない。それどころか彼らがほとんど試合から消えていた(消されていた)。今大会のドイツで、この2人が攻撃に効果的な参加ができなければ、チームの攻撃力は半減以下だろう。
残り時間が少なくなってからも、クーラニーも投入したドイツにパワープレーさえも許さないスペインの守備の堅さが素晴らしかった。
優勝まで上り詰められた理由は流れるようなパスワークと同じ比重で、守備の良さがあったからだろう。この大会でスペインの観戦記を書くたびに守備の良さに触れている気がする。
これまでスペインは「無敵艦隊」と言われながら、大きな大会で優勝できないということから、そういうスペインをやや揶揄した言葉にいつの間にか使われるようにもなっていたが、2008ユーロでの44年ぶりの優勝を飾ったこの日から、真の意味での「無敵艦隊」と言われるようになるかは、今後、大きな大会で常に上位進出をできるようになってからかもしれない。
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