いまだ改善されていない松本竜の炎上癖 解説の水野さんがかけた言葉

  • 舎人
    2013年02月28日 05:16 visibility1667
録画したまま見ていなかった20日の阪神との練習試合をようやく見終えることができました。試合は4対2で阪神に敗れたのですが、今日はその阪神戦で先発を任された2年目の大型左腕松本竜の話をしたいと思います。

毎年各球団ともキャンプの頃は新戦力について話題が上がるものですが、今年の巨人は何と言っても菅野です。登板するたびにお祭り騒ぎのようになっています。振り返って昨年のことを思い出してみると今年の菅野のように宮國が騒がれていたことを思い出します。宮國は昨年の2月19日、阪神相手にオープン戦ながら一軍初登板を果たしました。そのピッチングの内容たるや素晴らしく、なんと3イニングを打者9人で抑えるパーフェクト!球数はわずか28球、奪三振も4つ数えました。前々から話題に上がりつつあったものの、この日の衝撃的な登板で一躍注目の的となった感じでした。私はルーキー時から注目していただけに、感慨深く、いよいよ将来のエースが一軍の舞台に上がることになったという興奮を今でも覚えています。その試合は水野さんが解説をしていたのですが、ややネガティブな発言の多い水野さんをしてもピッチングに関しては何も文句を付けず、手放しで褒め、ひたすらケガの心配ばかりしています。


宮國登板について解説の水野さんの話(平成24年2月19日)

これ以上ない投球で次回からの登板が楽しみだ。しかし、昨年が夏から投げ出して登板が4、5試合しか投げていない。今まで非常に大事に育てている。だから、いいからといってローテーションの一角に、果たして入れていいのか?これで一年間回して行って100イニングから150イニング投げられる体力があるのかどうかというところ。結果がいいからといってどういう風に使うかは首脳陣としては慎重を期さなくてはいけないだろう。これがローテーションに誰もいなくて苦しいチーム事情であれば、当然使っていくだろうが・・そのあたりをうまく起用してあげて欲しい。
期待感も持てるし、将来楽しみなピッチャーであることは間違いない。オープン戦とはいえ一軍での初登板が沖縄での凱旋登板ということで、本人は相当プレッシャーがあったと思う。その中でこれだけのピッチングができたというのは非常に大きい。これぐらいでつまづくようならそれくらいの投手ということ。やっぱり行く奴というのはどんどん行くものだ。


その宮國に続けとばかりに、今年の同一リーグの対外試合初戦には2年目のドラフト1位入団の松本竜が先発を任されました。奇しくも対戦相手は同じ阪神です。今年の松本はキャンプから期待をされ、紅白戦でも登板し、2イニングを無安打1四球無失点と好投していました。さらに原監督から直々に指導をされ、肩の力を抜いて、リリースの瞬間だけ力を入れるフォームを目指しているなんて話でした。それだけ聞くと杉内を連想してしまう投法です。スケールが大きいだけに、もしも杉内のようにフォームを完成できたら、どれだけ凄いピッチングをするのだろうと思いを巡らせてしまいます。この試合で好投すれば新戦力の話題も菅野だけのものではなくなるでしょう。注目の登板でした。


松本竜、20日・阪神戦先発「厳しく攻める」
 巨人の高卒2年目左腕・松本竜也投手(19)が、20日の阪神との練習試合(那覇)に先発することが17日、分かった。当初は19日の韓国・サムスン戦に先発予定だったが、14日の紅白戦で2回無安打無失点と好投したことで、伝統の一戦に“昇格”。「巨人対阪神はお客さんがたくさん入るイメージがあります。もし投げることになったら、開幕1軍に向けてアピールしたい」と心待ちにした。
 川口投手総合コーチは19日からの韓国・サムスン、阪神、ヤクルトとの3連戦を「若手の登竜門」と位置づけている。米大リーグから福留や西岡ら大型補強を行った阪神との対決は絶好の腕試しとなる。「メジャー帰りの人とやれるなら楽しみ。特に西岡さんは足も速いし、塁に出さないように気をつけたい」とイメージもできている。
 この日はブルペンで81球。ボールを受けた実松から、シュート回転する直球を生かし、もっと右打者の内角をえぐるようにアドバイスされた。初の対外試合で3イニングを投げる予定。「紅白戦の時よりも厳しく攻めて、しっかり抑えられたらいい」。伝統の一戦で自らの実力を見せつける。[スポーツ報知 2013年2月18日]

松本竜、阪神戦に向け気合「やるしかない」
 巨人の松本竜也投手(19)が19日、先発予定の20日の練習試合・阪神戦に向けてブルペンで調整した。ドラフト1位入団の2年目左腕は「やるしかない。しっかり抑えることだけを考えたい」と気合を入れた。
 リリースの瞬間にだけ力を入れるフォームを目指しているという。14日の紅白戦で2回無失点と好投し「自信になっている。自分の投球でアピールするしかない」と話した。[スポーツ報知 2013年2月19日]


しかし、松本は予定の3イニングを投げ切ったものの、結果はホロ苦いもので、宮國に続くことも、菅野から話題を奪うこともできませんでした。以前の日記でも話しましたが、松本は外国人投手のようにランナーを背負うと背負わないとで、別人のようなピッチングをします。ランナーなしの場合のストレートは140キロ前後なのに、ランナーを背負うと5キロほど落ちてしまいます。さらに、スライダーやチェンジアップといった変化球がなかなか決まらなくなってしまうのです。また、技術的な面だけではなくて、どうも胆力がないというか、ランナーが1人2人と出塁すると、徐々に集中力を欠いたような淡白な投球をするようになってしまう。したがって、打たれ出すと止まらない。まさしく炎上癖があるのが松本なのです。昨年から目に付いていたこれらの課題は、この試合を見た限り、2年目になった現段階でも克服されておらず、まだまだ一軍はほど遠いと感じざるを得ませんでした。


松本竜登板結果
2013年2月20日(水) 練習試合 巨人対阪神(in沖縄セルラースタジアム那覇)

一回表 
上本:カウント1-2からセンターライナー(136キロF、138キロS、122キロB、外角138キロ、大田ダイビングキャッチファインプレー!) 
大和:カウント2-2からショートフライ(137キロS、139キロS、140キロB、138キロB、外角123キロ) 
伊藤隼:フルカウントからボール2個分外れ四球(143キロS、126キロB、140キロB、140キロB、141キロF、外角125キロ) 
新井良:カウント0-1からセンター前ヒット(134キロS、真ん中内より136キロ) 
ニ死一三塁 
マートン:カウント1-1からセンターライナー(134キロS、134キロB、外角123キロ) 
二者残塁、一回表終了 

二回表 
コンラッド:フルカウントから大きく外れ四球(103キロB、121キロB、135キロB、137キロS、139キロS、136キロF、高め141キロ) 
野原:フルカウントから上手く片手で引っ掛けてレフトオーバー同点タイムリー二塁打(108キロB、134キロB、135キロF、135キロF、136キロB、135キロF、外角122キロ)、1対1 
黒瀬:フルカウントから高めに大きく外れ四球(131キロF、106キロB、135キロSw、138キロF、119キロF、136キロF、???キロB、139キロB、???キロF、138キロF、高め???キロ) 
無死一二塁 
小宮山:カウント1-0から投犠打(136キロB、真ん中???キロ) 
一死ニ三塁 
上本:カウント2-1からショートエラー出塁(???キロB、???キロB、138キロS、低め???キロ、大累がファンブル)、野原生還、1対2 
一死一三塁 
大和の打席の初球上本がニ盗 
一死ニ三塁 
大和:カウント1-2からレフト前タイムリーヒット(108キロB、???キロS、???キロB、高め139キロ)、1対3 
一死一三塁 
伊藤の打席で大和がニ盗、続けて上本が本盗を狙うも本塁タッチアウト 
ニ死二塁 
伊藤隼:カウント2-2からセカンドフライ(137キロB、123キロB、???キロS、???キロF、真ん中???キロスライダー) 
大和残塁、二回表終了

三回表 
新井良:カウント2-0からファーストフライ(135キロF、106キロF、アウトロー133キロ) 
マートン:初球ライト前ヒット(真ん中外より135キロ) 
コンラッドの打席でマートンがニ盗 
一死二塁 
コンラッド:フルカウントから四球(121キロS、135キロB、135キロS、118キロB、118キロB、134キロF、外角134キロB) 
一死一二塁 
野原:フルカウントからライト前ヒット(110キロB、133キロF、135キロB、122キロSw、138キロB、高め138キロ) 
一死満塁 
黒瀬:初球サードファールフライ(外角107キロ) 
小宮山:初球レフトフライ(外角119キロ) 
三者残塁、三回表終了 

登板結果
3イニング 球数79球 奪三振0 被安打5 与四球4 失点3(自責点2) MAX143キロ

試合後 原監督松本について談話 
「良い経験として課題も見えた試合になったでしょう」


【巨人】松本竜3回3失点「まだまだ…」
巨人松本竜也投手(19)が20日、阪神との練習試合に先発した。1軍対外試合では初登板だったが、4四球と制球に苦しむなど3回3失点。前日19日には無四球をテーマに掲げていただけに「課題は変化球の制球。まだまだです」と反省していた。
[日刊スポーツ 2013年2月20日18時22分]

「非常に苦しくなる」/原監督
阪神との練習試合に先発し、3回3失点、4四球だった松本竜に対する巨人原辰徳監督のコメント。「ストライクを取ることに一生懸命では非常に苦しくなる。良い経験をして課題も見えたのでは」。
[日刊スポーツ 2013年2月21日8時8分 紙面から]

昨年の巨人ドラ1・松本竜は虎にコテンパン
 (練習試合、巨人2-4阪神、20日、那覇)猛アピールとはいかなかった。菅野の外れ1位で入団した高卒2年目の松本竜が、4四球と制球を乱して3回5安打3失点。1メートル93の長身左腕は背中を小さく丸めた。「力不足です。変化球のカウント球がないから、ストレートを打たれてしまった」
 3失点した二回には、先頭のコンラッド、黒瀬に四球を与えるなど、ストライクを取ることに四苦八苦した。WBC組が不在のなか、阪神戦の先発の機会をもらったが、課題ばかりが浮き彫りになった。
 ただ、原監督は「いい経験として、課題も見えたのではないか」と成長の糧とすることを求めた。「課題? 制球です」と松本竜は悔しそうにつぶやいていた。[サンケイスポーツ 2013年2月21日]


私は松本の制球力を特別悪いとは思っていません。投球フォームもきれいなものですし、身体が出来てきて、土台がしっかりしてくれば、どんどん向上してくると思います。しかし、問題は内面にあると思う。ランナーを背負ってから徐々に集中力を欠くような投球をしている限り一軍では結果を出せないと思う。良い投手は逆で、ピンチの場面ほど集中力が増して、能力以上の力を発揮できるものです。

どうも松本にはドラフト直後からメンタル面で甘いと噂がありました。能動的に、自ら望んで練習するタイプではないとの話も聞きました。そういった話はどこまで本当か分かりませんが、追い込まれた時の弱さは、そういった噂を肯定するかのようです。

まだまだ2年目ですし、焦らずやればいいじゃないかと言われそうですが、松本には将来、巨人の左のエースを期待しているので、どうしても厳しいことを言ってしまいたくなります。川相監督は松本のことを「投げることに関しては天才」と評していました。有り余る才能の持ち主で、このまま大した努力をしなくても、一軍の中継ぎくらいなら戦力になってしまう気がします。しかし、そんな中途半端なことはファンや球団関係者の誰もが望んでいないことですし、本人だって同じだと思います。もしも、自ら進んで練習をしないなどという噂が本当なら、すぐにでも改めて欲しいと思います。

最後に中継中にあった水野さんの話を紹介しておきます。宮國の時の話と合わせ鏡のようにして比較できます。宮國と比較すると厳しいのですが、2年目にしては良くやっている。でも、一軍に入り込む要素が何もないのが現在の松本だと言っています。現状を打破し、少しでも一軍に近づくために松本が必要なものは自分で考えること。つまりは「自覚」が必要だと言いたかったのだと思います。


松本竜登板について解説の水野さんの話

アナ:そういったまだ2年目の選手、これから壁を越えていくためには、どんな部分が技術、気持ちの面で必要になってきますか? 
水野:いやー全部ですね。ストレートの力もそうですし、変化球のコントロール、ストレートのコントロールもしっかりしないといけないですね。 
アナ:そうですか・・ 
水野:全ては無理でも、1つでもいいから、このストレートだけは去年投げていたローテーションの澤村よりも宮國よりも、杉内、内海、誰にも負けないストレートがあるとか、誰にも負けないスライダーがあるとかだったら、『よしっ』って思いますけど、今日の投球を見ていて、何1つ誰にも勝てないんであれば、残れる要素がないじゃないですか。 
アナ:そうですね。 
水野:だから2年目の松本をしてみたら頑張っていると言えるんですけれど、じゃあ、ローテーションのピッチャーと比べると力の差は歴然ですね。 
アナ:そのあたりの課題を噛み締めて降りたマウンドになったかもしれませんね。 
水野:何をどう感じて、次、明日からの練習に取り組むかってことが、目的が見えていないで、ただ与えられたメニューをこなしているだけでは成長しないですから。今日のピッチングで『自分に何が足りないんだ』『最後までコントロール悪かったな』とか、自分で何をするべきかってことを見えてこないとなかなか難しいと思いますね。

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