平成28年3月5日(土) 春季教育リーグ DeNA対巨人(横須賀スタジアム)
-
舎人
2016年03月06日 05:34 visibility1098
教育リーグ2試合目、今日は横須賀スタジアムに来ています。私の場合、いつもは車で行動することが多いもので、この球場にもほとんど車で来ることが多いのです。しかし、公式戦でないということもあり、駐車場に苦しむ恐れがあったので、今回は電車を乗り継いで来ました。仕事でもほとんど電車に乗らない私にとって、これは春の小旅行のような気分になります。この球場の最寄り駅の追浜という駅は、私がファーム通いをするはるか前から足しげく通っていた駅でした。実は球場のある市役所方面とは逆の方の住宅街の坂を上って行くと、鷹取山という丘陵地を利用した公園に出るのです。ここは不思議な光景の場所で、垂直に切り立った岩の壁が幾つも連なっているのです。これはかつて塀などに利用する凝灰岩が掘り出された跡地なのです。この岩の壁をロッククライミングをするクライマーたちは、岩登りの練習場にしているのでした。クライミングをしながら横須賀の海が見えるのです。私はここから浮上した潜水艦を見たことがあります。穂高や谷川岳といった山岳に行くクライマーたちが、その練習場として海の見える場所で練習をしていることに面白みを感じたものです。至る所にフリークライミングの人工壁が出来る前の話です。
そんな思いでに浸りながら球場に着いてみると、なんとスコアボードがリニューアルされています。昨年まで横須賀スタジアムはSBO表示だったのが、BSO表示になっています。それだけではありません。スコアボードは大画面のモニターに逐次切り替わり、スピードガンも設置されたのでした。これはレポ屋にとってうれしい限り。イースタンの主だったフランチャイズ球場でスピードガンが設置されているのはジャイアンツ球場と平塚だけでした。それが昨年から日ハムの鎌ヶ谷で設置され、今回横須賀でも設置された。これで今シーズンの巨人のイースタン公式戦は、およそ90試合がスピードガンのある球場で行われることになります。4分の3がスピードガンありの試合になるということです。なんだか隔世の感があります。ありがたいことはありがたいのですが、その分レポの際の打ち込みも忙しくなるというこです。私にとっては嬉しい負担増ということにしておきましょう。
さて、先発は平良です。昨年はルーキー時のような躍動感が鳴りを潜め、やや足踏みの感があった投手です。その間に同期の田口は一軍に昇格し、初勝利を含む3勝を挙げました。しかし、元々は平良の方が先を走っていたのです。今シーズンはその遅れを取り戻す気持ちでいっぱいでしょう。一冬明けたその投げっぷりに期待したいと思います。その他は藤村が昇格したことで若干スタメンが代わっています。山本のサードは初めてですし、芳川のスタメンは個人的には非常に喜ばしいことです。前の試合は4安打と地味だったので、今日は派手な攻撃を見たいものです。
スタメン
巨人
(5)山本(7)鈴木尚(8)松本(3)松崎(6)辻(9)北(2)宇佐見(D)芳川(4)寺内(P)平良
DeNA
(9)乙坂(6)百瀬(8)渡邊雄(D)井手(4)柳田(3)白根(2)黒羽根(5)山本(7)青柳(P)井納
一回表
山本:カウント1-2からファーストフライ(S、B、F、内角ストレート)
鈴木尚:カウント2-1からサードゴロ(B、F、B、内角133キロ)
松本:カウント0123-012から(S、Sw、B、低めフォーク)
三者凡退、一回表終了
井納はさすが一軍クラスの投手の投球です。球威があり、コントロールも素晴らしい。
山本はやはり内角打ちに課題がありますね。実に窮屈な打ち方でした。
一回裏
乙坂:カウント1-1からショートゴロ(143キロS、B、内角146キロ)
百瀬:カウント1-1からセンターライナー(S、B、真ん中127キロ)
渡邊雄:カウント1-1から投ゴロ(S、136キロB、外角ストレート)
三者凡退、一回終了
平良は昨年よりもはるかに躍動感を感じる投球です。新設されたスピードガンは点いたり点かなかったりで信じていいのか分かりませんが、私が知る限り146キロは平良のプロ最速だと思います。
二回表
松崎:カウント1-1からレフト前ヒット(B、136キロw、真ん中154??キロストレート)
辻:初球ライト前ヒット(真ん中スライダー)
無死一二塁
北:カウント2-2から空振り三振(Sw、B、S、B、低めフォーク)
宇佐見:カウント2-1からサードファールフライ(B、F、B、高めストレート)
芳川:初球サードゴロ(内角ストレート)
二者残塁、二回表終了
松崎は井納の威力ある直球に力負けせず鋭く引っ張ったヒット。辻のヒットは初球の真ん中に入ってきた甘い変化球を積極的に打ったものです。
二回裏
井手:初球ライトフライ(高めストレート)
柳田:カウント2-1からセカンドゴロ(S、B、B、内角ストレート)
白根:フルカウントから四球(B、B、S、F、B、F、F、インハイ127キロ)
黒羽根:カウント1-1からショートゴロ(B、F、低め変化球)
白根残塁、二回終了
平良は四球1つを与えましたが、初回に続いて落ち着いたナイスピッチングです。
前の試合で心配された宇佐見の捕球は、今のところ問題無さそうです。前の試合のポロポロは小山との相性もあったのかもしれませんが、緊張もあったのかもしれません。
三回表
寺内:初球レフトフライ(内角ストレート)
山本:カウント0-2からどん詰まりのファースト内野安打(S、S、F、内角変化球)
鈴木尚:カウント0-2からショートゴロ進塁打(S、S、外角変化球)
二死二塁
松本:初球センター前先制タイムリー二塁打(132キロ)、1対0
松崎:カウント2-1からセンターフライ(135キロSw、B、B、内角ストレート)
松本残塁、三回表終了
松本が先制打です!甘く浮いた半速球を捉えました。山本は相手捕手に内角に弱点があることを読まれた感があり、内角を厳しく突かれていました。その末のボテボテのゴロだったのですが、変な回転だったためセーフティバントのようになり、運良くヒットになりました。
三回裏
山本:カウント2-2から投ゴロ(S、B、S、B、外角ストレート)
青柳:カウント1-2から見逃し三振(S、B、Sw、アウトローストレート)
乙坂:カウント2-2から大きなセンターフライ(B、F、F、B、真ん中変化球)
三者凡退、三回終了
平良は好投を続けていますが最後、乙坂を打ち取った球は真ん中にすっと入ってきた不用意なシンカーでした。気を付けないといけません。
四回表
辻:カウント1-1からセカンドゴロ(110キロB、F、S、外角ストレート)
北:カウント1-2から空振り三振(119キロF、B、146キロSw、外角146キロ)
宇佐見:カウント3-1からファーストゴロ(B、S、B、B、内角ストレート)
三者凡退、四回表終了
宇佐見の打撃フォームは下半身がどっしりとしていてさまになっています。
四回裏、鈴木尚→アブレイユ
百瀬:カウント1-2から右中間同点本塁打(Sw、F、B、真ん中内よりストレート)、1対1
渡邊雄:フルカウントから四球(B、B、B、S、S、内角134キロ)
井手:カウント1-2からファーストライナー併殺(135キロS、125キロF、B、外角127キロ)
柳田:フルカウントからライト線二塁打(S、S、B、122キロF、B、B、F、高め変化球)→代走内村
白根:カウント2-2からセンターフライ(B、B、F、B、内角ストレート)
内村残塁、四回終了
この回のどうも平良はバテたような投球をしていましたね。いつもは守備の人の百瀬に打たれたことで動揺した感もありました。
それにしても松崎のファースト守備は素晴らしい!打つだけの人ではない。
五回表、セカンド内村
芳川:カウント0-2からセカンドゴロ(Sw、F、内角ストレート)
寺内:カウント1-2からショートライナー(S、B、Sw、真ん中ストレート)
山本:初球かすったような死球
アブレイユ:カウント1-2から見逃し三振(F、Sw、B、外角ストレート)
山本残塁、五回表終了
そんなに山本の内角ばかり攻めないで!
五回裏
黒羽根:初球ライトファールフライ(高めストレート)
山本:初球サードゴロ(真ん中ストレート)
青柳:初球セカンドフライ(真ん中ストレート)
三者凡退、五回終了
なんと三球で終了です!
六回表
松本:カウント2-2からショート内野安打(144キロF、147キロSw、147キロB、147キロB、高め147キロ、間一髪セーフ)
松崎:初球レフト前ヒット(真ん中内より133キロ)
無死一二塁
辻:初球投犠打失敗
一死一二塁
北:カウント1-2から見逃し三振(147キロB、130キロS、146キロF、インロー146キロ)
宇佐見:フルカウントから四球(130キロB、148キロB、125キロB、低め146キロ)
二死満塁
芳川:カウント1-2から左中間勝ち越しタイムリー二塁打!(145キロS、149キロSw、146キロF、132キロB、真ん中145キロ)、3対1
二死二三塁
寺内:カウント0-1からセンターフライ(130キロS、高め147キロ)
芳川残塁、六回表終了
芳川が殊勲打!相手が三球勝負で外角一杯に厳しいストレートを投げてきたものをファールできたことが、この殊勲打につながったのでしょう。いやーこれは嬉しい!
六回裏、投手長谷川、北→捕手鬼屋敷、宇佐見→ライト長江
乙坂:カウント1-2から空振り三振(134キロB、134キロF、119キロF、137キロF、真ん中108キロ)
百瀬:カウント1-0からサードフライ(135キロB、外角123キロ)
渡邊雄:カウント0-1からレフトフライ(108キロF、真ん中109キロ)
三者凡退、六回終了
長谷川は落ち着いた投球です。緩急を巧く使い、球が鬼屋敷の構えた所へ見事に決まっています。
七回表、投手三上
山本:カウント0-1からショートゴロ(135キロF、外角138キロ)
アブレイユ:初球ショートエラー出塁(低め142キロ、ヒット判定でも良かった)
松本:カウント1-1からレフト前ヒット(141キロS、139キロB、高め129キロ)
一死一二塁
松崎:初球セカンドフライ(外角127キロ)
辻:カウント1-2からサードゴロ(137キロSw、135キロB、138キロF、外角145キロ)
二者残塁、七回表終了
松本が猛打賞!「松本・松崎と今日はまっちゃんの日ですね」(茶柱さん談)
七回裏
代打西森:カウント2-1からセカンドゴロ(132キロB、135キロB、137キロF、真ん中137キロ)
内村:初球ライト前ヒット(真ん中118キロ)
白根:カウント1-1からレフトフライ(118キロB、119キロS、外角120キロ)
黒羽根:カウント2-0からセカンドゴロ(133キロB、135キロB、外角142キロ)
内村残塁、七回終了
長谷川はこの回もコントロールがこの回も秀逸でした。大人のピッチングです。
八回表、DH西森、黒羽根→捕手亀井
鬼屋敷:カウント1-0からファーストフライ(140キロB、外角141キロ)
長江:カウント1-2から空振り三振(137キロS、137キロSw、134キロF、137キロB、140キロF、内角127キロ)
代打田島:カウント2-2からセカンド内野安打(138キロB、138キロSw、137キロB、F、138キロF、内角131キロ)
寺内:カウント1-1からレフトオーバータイムリー三塁打(131キロB、137キロS、高め125キロ)、4対1
山本:カウント1-0からレフト線タイムリー二塁打(139キロB、真ん中高め118キロ??)、5対1
アブレイユ:カウント1-2からショートゴロ(137キロF、139キロS、140キロF、138キロB、外角138キロ)
山本残塁、八回表終了
田島がプロ初ヒットです!明らかに討ち取られた当たりでしたが、何はともあれ嬉しいことでしょう。寺内・山本のヒットは共に強引に引っ張った当たりでした。
八回裏、投手田中太、鬼屋敷→捕手実松、DH田島、
山本:カウント1-0からライト前ヒット(149キロB、149キロF、148キロF、内角133キロ)
青柳:カウント1-2から見逃し三振(149キロSw、147キロF、137キロF、141キロF、148キロB、外角150キロ)
乙坂:初球レフト前ヒット(真ん中149キロ)
一死一二塁
百瀬:カウント2-2から空振り三振(152キロB、148キロB、149キロS、151キロSw、高め152キロ)
渡邊雄:カウント1-2から空振り三振(155キロF、150キロB、150キロF、アウトハイ150キロ)
二者残塁、八回終了
昨年よりさらにスケールアップした太一が凄い豪速球の投球を披露です!アウトは全て三振。投球練習ではなんと165キロを記録しましたよ!
九回表、投手大原
松本:初球セカンドゴロ(低め137キロ)
松崎:フルカウントから四球(136キロB、126キロSw、138キロSw、128キロB、137キロB、125キロF、外角135キロ)
辻:カウント2-2から見逃し三振(118キロSw、123キロSw、134キロF、125キロB、130キロB、内角125キロ)
実松:カウント2-2から左中間タイムリー二塁打(125キロB、121キロS、132キロB、123キロS、142キロF、130キロF、125キロF、高め145キロ)、6対1
長江:カウント1-2から空振り三振(121キロF、B、125キロF、アウトロー123キロ)
実松残塁、九回表終了
さらに加点です。先日の加藤に続いて実松も存在をアピールしました。
九回裏、セカンド田島、寺内→投手田中太(DH解除)
西森:カウント2-2からレフト前ヒット(131キロB、151キロS、135キロSw、139キロB、真ん中150キロ)
内村:フルカウントから四球(145キロS、139キロB、147キロF、141キロB、151キロF、143キロB、149キロF、内角149キロ)
無死一二塁
白根:カウント0-2から右中間タイムリー二塁打(150キロS、真ん中153キロ)、6対3
亀井:フルカウントからファーストゴロ進塁打(148キロB、146キロF、B、140キロS、128キロB、外角ストレート)
一死三塁
山本:カウント2-2から見逃し三振(135キロB、149キロF、149キロF、148キロB、外角149キロ)
青柳:初球セカンドゴロ(外角149キロ)
白根残塁、試合終了、6対3で巨人の勝利!
本日の入場者数2,087名
イニングまたぎの太一がバタバタした投球をしましたが、失点をしてからは腹を括ったように思い切りの良い投球をして後続を断っていました。
教育リーグとはいえ、巨人のファームチーム教育リーグ初勝利です!
さて、総括ですが前の試合とは打って変わって巨人ファンにとって実に楽しい試合でした。打って欲しい選手が打って、投げて欲しい選手が投げた試合だったと思います。
先発の平良は昨年の春先、迷走していたような感がありました。それが徐々に調子を上げて行ったのが5月の本庄の試合の頃。しかし、ルーキー時の輝きを取り戻した訳ではなく、イマイチ乗り切れない足踏みをしてしまったシーズンだったと思います。しかし、この日の平良はルーキー時の良かった時の平良の投球そのものでした。スピードガンの球速はイマイチ信用できないものの、明らかに昨年より躍動感があります。しかも、コントロールが良く、球にキレを感じます。少し下半身も大きくなった気もします。これなら今シーズンの一軍昇格もありだと思います。今後の課題としては、球種を増やすこととスタミナを増すことだと思います。本塁打を打たれて動揺するのも反省点です。
二番手の長谷川は思ったよりも腕の位置が低く、サイドハンドに近い投手でした。素晴らしいのはコントロールで、捕手の構えた所にしっかりと投げ込まれています。27歳のオールドルーキーですから、まとまっていて当然なのかもしれませんが、困った時のコマとしてなら、一軍でも使ってもらえる可能性を感じます。ただ、球速がもう少し欲しいところです。
最後に登板した田中太一は昨年の四月末、150キロ台のストレートをビシビシ叩き出す速球派に生まれ変わってビックリさせてくれたのですが、この試合では、さらにスケールアップした感がありました。設置されたばかりで怪しいスピードガンながら、対打者で155キロを記録、投球練習では165キロを叩き出していました。もはや球速はこれ以上求めなくても良い段階に来ているでしょう。それよりも変化球の精度を上げ、配球を考え、豪快さを保ちつつ、まとまりを得なくてはいけません。打たれることは仕方ないにせよ、すっぽ抜けの投球が2、3あり、死球を与えそうになったのは困りものです。イニング跨ぎの2イニング目は、なかなかアウトが取れず苦しみましたが、ベテラン捕手の実松がマウンドに駆け寄り声をかけていました。その甲斐あって後続を絶つことが出来たのですが、こういった荒削りの投手には当面、実松や加藤、相川といったベテラン捕手に面倒を見て欲しいと思います。
打つ方ですが、12安打と良く打ってくれました。特に目立っていたのは松本と松崎です。松崎はややクローズドスタンスから、少し体を開きながら打つ打撃スタイルで、外角よりもむしろ内角の方が得意なようです。典型的なプルヒッターで、鋭いスイングから放たれるラインドライブのかかった打球は、まるで球を締め上げて運んでいるような感じです。弱点は外角の変化球ではないかと思います。アウトローのスライダーに今後苦しめられそうですが、それが克服できれば、今後道が開かれて行くでしょう。前の試合に続いてファーストの守備は素晴らしく、打つだけの人ではありません。捕手としてはどうなのか、もう少し見てみたい気がします。
山本が2安打を放ちましたが、最初の内野安打は打ち取られた当たりで、結果オーライの打撃だったと思います。しかし、八回のタイムリー二塁打は真ん中高めのやや浮いた変化球を思い切り引っ張った見事な打撃のものでした。
最後にこの試合で一番嬉しかったことです。芳川がスタメンの期待に応え、殊勲のタイムリー二塁打を放ちました。場所はファームとはいえ、井納の速球を見事に打ち返したのです。これは大きな自信になったでしょうし、首脳陣への大きなアピールになったと思います。元々、打撃には定評のある選手でしたが、ここに来て対応力も増して来ているように思えます。もっと使い方を考えて欲しい選手の一人です。
少しずつモチベーションも上がって来たかもしれません。また、今日みたいに良い発信ができたら良いな。次の観戦は9日予定。次回も乞うご期待!
- favorite23 chat6 visibility1098
-
navigate_before 前の記事
平成28年3月3日(木) 春季教育リーグ ヤクルト対巨人(戸田球場)
2016年3月4日 -
次の記事 navigate_next
教育できなかった球団巨人 教育できなかった理由
2016年3月9日
- 事務局に通報しました。
chat コメント 件