平成28年3月3日(木) 春季教育リーグ ヤクルト対巨人(戸田球場)
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舎人
2016年03月04日 03:03 visibility840
球春到来です!今年もよろしくお願いいたします。
毎年オフの間は何かしらの課題をこなしていたのですが、今回のオフはほとんど何も出来ませんでした。どうもモチベーションが上がらないままこの日を迎えてしまった感じです。ただ、監督が変わったということはこれからの野球観戦に新鮮さを与えてくれることでしょう。前任の原さんは若手の育成という点で大きな宿題を残して高橋監督にバトンタッチをしました。今振り返ってみると、原監督という人は選手に同じスタートラインに就かせての競争というものをしなかった人だったと思います。選手に順列を付け、その中で先に走っている選手がケガをするなり調子を落とすなりして離脱することでようやく後続の選手に出番を与える抜擢や起用方法でした。それは原さんなりのチームの和を大切にした操縦法だったのかもしれません。しかし、いつしかどうも先に走っている選手への思い入れとこだわりが過ぎてしまうことになった。そのことがチーム内にストレスを与えてしまった気がするのです。高橋監督には全ての選手をゼロベースで見極めて欲しい。その上で原さんのように順列を付けるなり、違う方法でベテランも若手も関係無く同じスタートラインで競争させるなりをして欲しいと思います。今まで殻を破れなかった選手たちが、これを期にブレイクするかもしれません。それを信じ目撃することを課題として今年の私の活動をスタートさせたいと思います。
さて、スタメンですが、ルーキーが山本、松崎、宇佐見と三人いることは良いとして、しれっと30オーバーの選手が同じく三人も混ざっています。せめて教育リーグは、それに相応しい選手たちを選んで欲しいものです。今年は三軍が出来たことで、二軍の役割は微妙なものになると予想していますが、これでは先が思いやられる。これで開幕とともに一軍からごそっと漏れたベテラン中堅組がこれに加わるのです。二軍を一軍から漏れた選手のただの調整の場所にしないで欲しい。だいたい一軍に行ったらコマとして使われる鈴木とか寺内とか松本とかをスタメンで使う必要はないと思うのです。
試合の注目点としては、やはりルーキー三人が実際にどんな選手かということでしょう。山本は昨秋の早慶戦で見ていますが、後の二人は初めてなので楽しみです。辻と長江がどれだけ成長したかも注目です。
スタメン
巨人
(6)山本(4)藤村(8)松本(3)松崎(5)辻(7)鈴木尚(9)長江(2)宇佐見(D)寺内(P)小山
ヤクルト
(6)今浪(4)奥村(5)田中浩(3)武内(D)田中雅(2)井野(9)松井(7)原泉(8)川上(P)山中
一回表
山本:フルカウントから見逃し三振(アウトローストレート)
藤村:カウント1-2からセンター前ヒット(F、F、B、F、F、内より変化球)
松本:カウント0-1からサードゴロ(S、外角ストレート)→ランナー入れ替わる
松崎:カウント1-2からサードゴロ(B、Sw、Sw、低め変化球)
松本残塁、一回表終了
藤村のヒットはやや詰まったものでした。
一回裏
今浪:カウント1-0からライト前ヒット(B、高めストレート)
奥村:カウント1-2から空振り三振(Sw、Sw、B、外角フォーク)
田中浩:カウント3-1から四球(S、B、B、B、外角ストレート)
一死一二塁
武内:フルカウントから見逃し三振(Sw、B、B、B、F、F、膝元ストレート)
田中の打席でパスボール
二死二三塁
田中雅:カウント3-1から四球(B、F、B、B、インハイストレート)
二死満塁
井野:カウント0-1からセカンドゴロ(F、高め変化球)
三者残塁、一回終了
先発の小山は無失点だったものの球が高く内容的には酷いものでした。立ち投げに近く、まだまだ調整途中の感が強いです。
二回表
辻:カウント1-2から空振り三振(S、S、B、インローストレート)
鈴木尚:初球ショートゴロ(内角ストレート)
長江:カウント0-1から投フライ(F、高めストレート)
三者凡退、二回表終了
ヤクルトの先発山中は抜群のコントロールです。
二回裏
松井:カウント3-1から四球(S、B、B、B、インハイストレート)
原泉:カウント1-2からライト前ヒット(F、F、B、アウトロー変化球)
無死一二塁
川上:フルカウントから四球(Sw、Sw、B、B、B、アウトローストレート)
無死満塁
今浪:カウント0-1からセカンドゴロ(Sw、内角変化球)→サードランナー松井生還、0対1
一死二三塁
奥村:カウント1-2から空振り三振(Sw、B、F、外角ストレート)
田中浩:カウント0-1からセカンドゴロ(Sw、アウトハイフォーク)
二者残塁、二回終了
小山はなんとか1点で終わりましたが、相変わらず球が高く酷い内容の投球です。
三回表
宇佐見:カウント1-2からセカンドゴロ(S、B、S、高めストレート)
寺内:初球セカンドゴロ(真ん中ストレート)
山本:カウント1-2からセカンドハーフライナー(S、B、F、内角ストレート)
三者凡退、三回表終了
あっさりと三者凡退、どうも巨人打線は淡白ですね。
三回裏
武内:カウント2-2から空振り三振(S、B、B、F、B、インローストレート)
田中雅:カウント1-1からセカンドフライ(F、B、外角ストレート)
井野:カウント3-1から四球(B、B、Sw、B、高めストレート)
松井の打席でパスボール
二死二塁
松井:フルカウントから四球(F、F、B、B、F、F、F、F、B、高めストレート)
二死一二塁
原泉:初球ショートゴロ(高め変化球)
二者残塁、三回終了
捕手の宇佐見はどうも捕球に課題がありますね。再三ポロポロしています。フォークピッチャーの小山とは相性が悪いかもしれません。
四回表、投手由規
藤村:フルカウントから四球(B、S、Sw、B、B、外角ストレート)
松本の打席で藤村が二盗
無死二塁
松本:カウント2-2から見逃し三振(B、B、S、Sw、内角ストレート)
松崎:フルカウントから四球(B、Sw、B、F、B、内角ストレート)
一死一二塁
辻:カウント1-1からショートゴロ併殺打(B、F、内角ストレート)
四回表終了
四回裏
川上:カウント2-2からセンター前ヒット(B、F、F、B、外角ストレート)
今浪:ストレートの四球(B、B、B、外角ストレート)→代走広岡
無死一二塁
奥村:カウント1-0からファースト犠打失敗(B、外角ストレート)→松崎ダッシュナイスプレー!
一死一二塁
田中浩:カウント1-1からセンター前タイムリーヒット(S、B、真ん中内よりストレート)、0対2
一死二三塁
武内:カウント1-0からライトオーバー本塁打(B、高めストレート)、0対5
田中雅:カウント2-2からライトフライ(F、B、F、B、外角ストレート)
井野:カウント0-1からセンター前ヒット(F、外角ストレート)
松井:初球セカンドゴロ(外角ストレート)
井野残塁、四回終了
ついに小山が炎上しました。武内の本塁打は風に乗ったものですが、どの道この投球では炎上は必至だったでしょう。
五回表、投手平井、ショート広岡、サード奥村、ファースト渡辺
鈴木尚:フルカウントから空振り三振(B、F、B、B、F、インローフォーク)
長江:カウント1-2から空振り三振 (B、F、F、インハイストレート)
宇佐見:フルカウントからセンターライナー(S、S、B、F、B、、B、F、F、高めストレート)
三者凡退、五回表終了
宇佐見は守る方は課題を感じましたが、打つ方は凡退になりながらも鋭いライナーを放ち可能性を感じる打撃をしています。
五回裏、投手メンドーサ、鈴木尚→高橋洸
原泉:カウント2-2からショートゴロ(S、B、S、F、B、F、内角変化球)
川上:カウント2-2から見逃し三振(F、B、S、B、外角ストレート)
広岡:カウント1-2からショートゴロ(Sw、B、Sw、F、F、内角変化球)
三者凡退、五回終了
メンドーサは小山とは打って変わった素晴らしい投球です。球にキレがあります。後は決め球が課題だと思われます。
六回表、投手風張
寺内:フルカウントから空振り三振(S、B、S、B、B、アウトロー変化球)
山本:カウント0-1からライト前ヒット(S、アウトハイストレート)
藤村:カウント1-2から見逃し三振(S、S、B、外角ストレート)
松本:カウント1-1から投ゴロ(B、S、外角ストレート)
山本残塁、六回表終了
山本は内角に弱点を感じますが、その分外角に強い感じです。先程のライト前ヒットも上手く押っつけて打ったクリーンヒットでした。
六回裏、投手ウーゴ、藤村→セカンド大累、ファースト長江、捕手松崎
奥村:カウント1-2からショートゴロ(外角ストレート)
渡辺:初球ショートゴロ(山本強肩!)
武内:カウント2-2からライトフライ(B、B、S、Sw、高めストレート)
三者凡退、六回終了
表の攻撃でヒットを放った山本が今度は守備で魅せました。レフト手前のゴロをノーバウンドで送球。素晴らしい強肩です!
七回表
松崎:カウント1-2から空振り三振(Sw、Sw、B、内角ストレート)
辻:初球サードライナー(外角ストレート)
高橋洸:カウント2-2から見逃し三振(Sw、B、B、F、外角ストレート)
三者凡退、七回表終了
松崎は打者としては0か100かの選手のような気がしますが、打席の雰囲気を誰よりもな感じます。ちなみに捕手としての技能は今日見た限り宇佐見より上でしょう。
七回裏
田中雅:カウント1-1からサードゴロ(S、B、低め変化球)
山川:カウント1-1からサードゴロ(B、F、外角ストレート)
松井:カウント1-1からセンターフライ(B、F、インハイストレート)
三者凡退、七回終了
ウーゴが好投です。躍動感を感じる投球です。昨年もファームの試合で素晴らしい投球をしていたので、なぜ戦力外になったのか不思議に思っていた投手です。
八回表、投手中島
長江:カウント1-1から投ゴロ(B、F、内角ストレート)
青山:カウント2-2からライトフライ(S、B、B、F、F、外角変化球)
代打鬼屋敷:カウント2-0からセンターフライ(B、B、外角ストレート)
三者凡退、八回表終了
八回裏、投手矢島
原泉:見逃し三球三振(S、S、低めストレート)
川上:カウント1-2からショート内野安打(S、F、B、外角ストレート)
広岡の打席で川上が二盗
一死二塁
広岡:カウント1-1からライトフライ(B、S、低めストレート)→川上はサードへ
奥村:カウント1-0からライト前タイムリーヒット(B、外角ストレート)
渡辺:フルカウントからセカンド内野安打(B、Sw、B、F、B、外角ストレート)
二死一三塁
武内:カウント1-2からセカンドゴロ(S、F、F、F、B、低めストレート)
二者残塁、八回終了
矢島はランナーを背負う前は球を勢いを感じるまずまずの投球でしたが、山本がファンブルを犯し内野安打を許したことによるランナーを背負ってからは、やや球威も落ち、コントロールもアバウトな投球になっていました。
九回表
山本:カウント0-2からショートエラー出塁(F、F、真ん中ストレート)
大累:カウント1-2からセカンドゴロ併殺打(S、F、B、低めストレート、セカンド渡辺のファインプレー)
松本:カウント1-0からレフト前ヒット(B、高めストレート)
加藤:カウント2-2からライト前ヒット(B、B、S、S、F、外角ストレート)
二死一二塁
辻:カウント2-0からセカンドゴロ(B、B、低めストレート)
二者残塁、試合終了、0対6でヤクルトの勝利
大累は併殺打になりましたが、センターに抜けそうな鋭い打球でした。紙一重だったと思います。
最後に松本、加藤とベテランが粘りを見せましたが、あえなく今年のジャイアンツの教育リーグ初戦は完敗です。
さて、試合の総括ですが、先発の小山は球が高く、フォークの抜け球の多い、非常に不安定な投球だったと思います。時折、素晴らしい球を投げ込むのですが、それが2球と続きません。今年で小山は6年目なのですが、この不安定さは中堅どころの投手として残念な限りです。投球フォームが立ち投げに近く、調整が遅れているだけだと思いますが、今後の奮起に期待したいと思います。
小山が降板すると、かつて小山が付けていた背番号94を背負ったメンドーサが登板しました。非常に球威とキレを感じる投球です。外国人投手にしてはストレートの回転の良さも感じます。外国人枠の関係でまずは二軍スタートでしょうが、シーズン途中で、きっと一軍に呼ばれることがあるでしょう。今後の課題はウイニングショットだと思います。追い込むまでは苦もなくできますが、追い込んでから粘られるシーンがありました。
ウーゴは安定感のある投球で存在感を発揮していました。ヤクルトに在籍していた昨年は見た時は球威で押す投球で、MAX148キロとかを投げ込んでいました。体にバネを感じ素材的には素晴らしいものを感じる投手だったのです。巨人に移籍したことで何かきっかけを見つけて殻を破って欲しいと思います。今日の登板では6人の打者をパーフェクト。ストレートも変化球も安定して低目に行っていました。
矢島はスリークォーターからキレの良いストレートを投げ込む投手でした。しかし、残念なことにランナーを背負ってからがいけません。ストライクとボールがハッキリと分かる投球です。球威も落ちていたように感じます。まともに打たれたのは奥村のタイムリーヒットだけだったので次回の登板に期待したいと思います。
打者です。大学時代と同じトップバッターを務めた山本ですが、外角に非常に強いポイントを持っている感じです。しっかりと踏み込んで打ちに行っていることが持ち味なのでしょうが、真ん中の打ち頃の球をバットの根っこでゴロにしてしまうあたり、選球眼が求められると感じました。苦手な部分を克服することよりも、当面打てる球の見極めができるようになれば良いのではないかと思います。守備では危うい送球が1つ(微妙な体勢からの送球が高く逸れたもので松崎がジャンプして無事捕球)とファンブルして内野安打にしてしまったもの1つがあったものの、ヒット性の当たりを強肩で封じたりと、華のあるプレーを見せていました。5位入団ということで、まずはコマとしての期待を込められた選手だと思いますが、コマ以上のスケール感を感じさせます。
松崎は打席の中でオーラを感じます。これはかつて君臨した小田嶋に通じるものがあると思います。いかつい肩幅の体躯による豪快なフォロースルーは、かつて巨人に在籍した呂明賜を思い出させます。ファーストの守備は意外にも軽快で、本来ならサード前の犠打を、猛ダッシュで捌いてアウトにしていました。また、本来のポジションである捕手も無難にこなしていました。
宇佐見はどうも捕球に難を感じます。小山の球が荒れていたこともありますが、プロの捕手なら捕ってあげないといけないバウンドの球を抑えられません。走者の進塁に繋がったパスボールの他に、しっかりと捕球できなくて前に落としたり逸らしたりしたシーンが何度もありました。今後の大きな課題だと思います。打撃の方は結果こそ出なかったものの、地に足がついたしっかりとしたフォームなので、そこそこやるのではないかと思います。同年代の鬼屋敷を差し置いて起用されていることに奮起して欲しいと思います。
試合の方は最後に松本と加藤がヒットを放ち意地を見せました。ルーキーたちに比べたら段違いの捕手としての安心感はもちろんのこと、打撃も衰えておりません。毎年言っている気がしますが、加藤は本当にもったいない使い方をされています。一軍のレギュラーは厳しいとしても、ここにいるような選手ではないと思います。入団以来、ずっと見て来た私のファームウォッチャーとしての思い入れもあります。何とか今年こそ良いシーズンを送ってくれたら良いなと思わずにいられませんでした。
次は土曜のDeNA戦の横須賀から、次回も乞うご期待!
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