清武代表の唱える“巨人のコア・コンピタンス”
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舎人
2010年12月17日 02:28 visibility812
色々書きかけの話はありますが、それはさて置き、
今日は週刊ベースボール12月20日号に掲載された清武代表のコラム「野球は幸せか」について。
この中で清武さんは今後の巨人の方針について語っているのですが、
これが非常に素晴らしく、ぜひとも紹介してみたいと思います。
清武さんは4年以上前から週刊ベースボールに隔週でこのコラムを掲載されているのですが、
「巨人軍は非情か?」や「こんな言葉でしかられたい」といった著書も、
このコラムがベースになっています。
毎回、関係者でなければ知りうることのできない話が載っていたり、
これからの球界や巨人の行方が書いてあったりします。
新聞記者あがりの歯切れの良い文章で本当に面白いです。
私はほとんど毎週この雑誌を購入していますが、
最近ではそれもこのコラムをチェックすることが主目的みたいなものです。
だから載らない週のものでつまらない内容の時は買ったり買わなかったりしています。
さて、12月20号の「野球は幸せか」ですが、メジャー球団が日本の独立リーグ関係者に、
「自分たちがスカウトした日本や韓国、台湾などの選手をそちらで育成できないか?」
このような提案をしたという話から始まっています。
メジャーの球団は極東でスカウトした選手たちをいきなり渡米させることより、
日本国内の独立リーグで育成させた方が効率的だということに気が付いたということ。
これはNPBとの協力関係を崩したくない独立リーグ経営陣がやんわりと断ったそうですが、
メジャー球団でも近年育成の可能性を広げようという機運が高まっている。
MLBは世界中のアマチュア野球団体を傘下に加えようという意志があわらになっている。
その一方で日本球界からFA移籍での海外流出は日常化し、
ポスティング移籍は珍しいものではなくなってきている。
それなのに、もはや日本球界の“空洞化”を問う論調すら消えかかっている。
清武さんはこのコラムの前段でこのように野球界を取り巻く環境の変化、
とりわけ海外からの圧力について触れ、
「もはや野球界に国境はないと痛感する」と話しています。
後段はこの時代をどのように乗り切るかについての話で、
処方箋はないが、どこからも脅かされることなく、流出にも動じない、
自前の育成力を身につけることの大事さを力説しています。
今日は週刊ベースボール12月20日号に掲載された清武代表のコラム「野球は幸せか」について。
この中で清武さんは今後の巨人の方針について語っているのですが、
これが非常に素晴らしく、ぜひとも紹介してみたいと思います。
清武さんは4年以上前から週刊ベースボールに隔週でこのコラムを掲載されているのですが、
「巨人軍は非情か?」や「こんな言葉でしかられたい」といった著書も、
このコラムがベースになっています。
毎回、関係者でなければ知りうることのできない話が載っていたり、
これからの球界や巨人の行方が書いてあったりします。
新聞記者あがりの歯切れの良い文章で本当に面白いです。
私はほとんど毎週この雑誌を購入していますが、
最近ではそれもこのコラムをチェックすることが主目的みたいなものです。
だから載らない週のものでつまらない内容の時は買ったり買わなかったりしています。
さて、12月20号の「野球は幸せか」ですが、メジャー球団が日本の独立リーグ関係者に、
「自分たちがスカウトした日本や韓国、台湾などの選手をそちらで育成できないか?」
このような提案をしたという話から始まっています。
メジャーの球団は極東でスカウトした選手たちをいきなり渡米させることより、
日本国内の独立リーグで育成させた方が効率的だということに気が付いたということ。
これはNPBとの協力関係を崩したくない独立リーグ経営陣がやんわりと断ったそうですが、
メジャー球団でも近年育成の可能性を広げようという機運が高まっている。
MLBは世界中のアマチュア野球団体を傘下に加えようという意志があわらになっている。
その一方で日本球界からFA移籍での海外流出は日常化し、
ポスティング移籍は珍しいものではなくなってきている。
それなのに、もはや日本球界の“空洞化”を問う論調すら消えかかっている。
清武さんはこのコラムの前段でこのように野球界を取り巻く環境の変化、
とりわけ海外からの圧力について触れ、
「もはや野球界に国境はないと痛感する」と話しています。
後段はこの時代をどのように乗り切るかについての話で、
処方箋はないが、どこからも脅かされることなく、流出にも動じない、
自前の育成力を身につけることの大事さを力説しています。
清武さんは巨人の今後について、補強を意識する一方で、
「育成力」を「コア・コンピタンス」にまで高めたいのだそうだ。
コア・コンピタンスとは競争の際、競合他社を圧倒する核となる能力とのこと。
そのためにコーチの増員し、育成選手の大量指名、フューチャーズやシリウス、
新たな屋内練習場、そして建設中のジャイアンツ球場のナイター設備なのだそうだ。
このような編成や設備のもと、来年は従来の二軍に加え、第二の二軍(三軍)を本格化させ、
二軍の公式戦・非公式戦合わせ270もの試合をこなしていく予定とのこと。
私の感想として清武さんの構想は素晴らしいの一言で、
こんな長期的展望に立って物事が見渡せる人が現れたことを素直に感動しています。
ファームなど不要と言われたあまりにヒドい惨状を何年も見てきたため、
ここ数年の劇的変化だけでも喜んでいたのに、
実はここ2、3年のファームの変化はほんの序章に過ぎなかったというのです。
つまり「育成の巨人」の本格稼働はこれからということです。
このオフに以前ならチームに足りない部分を、
何の迷いもなく外から調達していたことでしょう。
岩村や松井稼、カスティーヨといったあたり手当たり次第、
手を伸ばしていたかもしれません。
それをせずに育成を優先したことは、
ここ数年間の間、育成というチームの方針に、
かなり自信を持ったからにほかなりません。
これからはとことん育成にこだわり、
どうしても上手くいかない部分の穴埋めとして、
他からの補強が検討されることになると思います。
V9の頃、ドジャースの戦法を取り入れたりして、
戦術面で巨人は球界をリードしてきました。
これからは選手の育成という面で球界をリードしていけたらと思います。
その方が働くかどうか分からない外国人選手を連れてくるより安上がりですし、
ボーダーレスの時代、球界の生きる道のキーボードが育成ということになると思います。
清武さんの唱える“コア・コンピタンス”は巨人のみならず、
日本球界の将来を占う意義のある試みだと思います。
ぜひとも成功して欲しいと思います。
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