気持ちが伝わった試合。

5月に入って、3戦3引き分けの浦和レッズ。
今日の相手は、現在首位のガンバ大阪。
ホーム埼スタでの試合、負けるわけにいかない試合。
しかし、ガンバにしても昨シーズンの最終戦に破れ優勝を逃した悔しさがあったと思う。
どちらにしても、「負けたくない試合」だったに違いない。
その思いがより強かったのは、アウェーのガンバのほうだった。
開始早々、レッズのフリーキックからカウンターを仕掛け、レッズゴールへと猛進。
このピンチは逃れたものの、試合の主導権は完全にガンバのものになった。
レッズは、その思いに押されてか、パスミスもありセカンドボールも取れず、攻撃のリズムが掴めずにいた。
ガンバは、面白いようにパスを繋ぎレッズの守備を翻弄していた。
17分のバレー選手のゴールは、まさに「崩された」ゴールだった。
しかし、このゴールが切っ掛けとなったのか、レッズはここから徐々にペースを掴みかけていた。
前半、レッズで一番目立っていたのは、左サイドでスタメンだった相馬崇人選手だった。
ボールを受けると、ドリブルで仕掛け相手のDFを翻弄していた。
クロスボールもなかなかいいボールを出していた。
しかし、得点には繋がらなかった。
前半のチャンスは、ほとんどが相馬崇人選手から生まれたといっても良いほどだった。
一旦は、同点ゴールにスタジアムが沸いた場面もあった。
38分、ワシントン選手が放ったシュートがネットを揺らし、「同点だ!」と喜んだ。
ところが、ワシントン選手のプレーにファールがあったのか、それともオフサイドがあったとでも言うのか、訳が解らぬまま「ノーゴール」の判定が下る。
残念ながら、前半は0−1で終了する事になった。

後半に入り、レッズが盛り返してきた。
そして63分、レッズにPKのビッグチャンスが訪れた。
このチャンスにキッカーは、ワシントン選手。
ワシントン選手は、地を這うようなシュートをゴール左側に蹴りこむ。
しかし、ガンバのGK藤ヶ谷選手がそれをはじき返し、ネットを揺らす事は出来なかった。
このプレーで、ガンバが息を吹き返したか、再びガンバの攻撃に勢いを感じるようになった。
73分には、ガンバのマグノアウベス選手がフリーでシュートを放つ。
「やられた〜」と目を覆った瞬間、「カーン」という乾いた音がピッチに響いた。
このシュートを防いだのは、左のゴールポストだった。
このことが「合図」になったか、ガンバの攻撃に怯むことなく戦う姿勢を見せた。
76分、ついにワシントン選手がガンバゴールのネットを揺らし、同点に追いつく。
今度は、ファールもオフサイドの判定もない、正真正銘ワシントン選手の同点ゴールだった。
そのあと、ガンバに勝ち越しのチャンスが訪れるも、またもや左ポストに救われ肝を冷やす。
レッズは85分に、永井選手が投入され、オジェック監督の「逆転ゴールを取れ!」というメッセージが伝わってきて、レッズの選手たちもそれに応えようと必死に攻めて守った。
お互い最終盤での攻防が続いた。
めまぐるしく攻守が入れ替わる。
しかしお互い譲ることなく、そのままタイムアップ。
結局、1−1のドロー。
試合終了直後、勝点3を逃した悔しさか、それとも戦い抜いた疲労からか、レッズの坪井選手がピッチに倒れた姿が、この試合の激しさを物語っていた。

今日の試合でレッズは、「今月の初勝利」を逃し引き分けに終わった。
しかし、今日の引き分けは、最後まで戦い抜いての引き分けだったと思う。
レッズの選手に最後まで「勝点3を取るんだ」という気持ちが伝わってきた試合に、納得がいった。
そして、「一つ勝てば、そのまま波に乗っていける」という期待を感じた試合でもあった。

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