タイブレークどうでしょう~高校軟式大会篇
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仲本
2018年08月27日 22:08 visibility607
朝日新聞が今年の夏の甲子園3回戦以降の15試合について戦評をAIに書かせてみたという。ネットで読むことができるので目を通してみると、なるほど一定の水準は満たしているように思った。となると、これから人間が書く記事はいよいよお涙頂戴的な要素とかどうでもいい情報とかを突っ込んでくるのではなかろうかとちょっと心配だ。
まあ、これもどうでもいい話。
台風の影響で前日1試合が順延となり、この日の姫路球場は当初2試合の予定が3試合に変更された。球場に到着したのは第2試合の途中だったが、それでも1試合半は観戦できる。
一塁側スタンド最上段に「東北の雄」と大書された横断幕が掲げられている。南東北代表・仙台商業は5年連続16回目の全国大会出場で、最高成績は準優勝。三塁側に陣取るのは天理高校。近畿代表だ(ただし、大阪と兵庫には単独の出場枠がある)。こちらは2年前の大会で初優勝を果たした。東北の雄と近畿の優勝候補という、最近どこかで見たような組み合わせ。
試合は0-0のまま進む。天理のエース・別所投手は仙台商業打線をほぼ完全に抑え込んでいた。仙台商業のエース、スコアボードには「佐藤ら」とある。「ら」ってなんなんだ、と思ったら、フルネームは「佐藤らいむ」君というそうだ。佐藤投手も終盤にさしかかり四死球の走者は出すものの、ヒットは許さない。
押し気味に試合を進めていた天理は9回表、ヒットと送球エラーでノーアウト3塁のチャンスを迎える。ついに均衡が破れるかと思ったが、スクイズが小フライになって得点ならず。9回を終わってヒットは天理が3本、仙台商業は1本。延長戦に入る。
11回、仙台商業は先頭打者の二塁打を足掛かりに1死満塁とサヨナラのチャンスを迎えた。しかし期待の上位打線がフライに打ち取られて攻めきれず。12回は両チームとも三者凡退。13回からはタイブレークが適用され、無死1,2塁からのスタートだ。
今年の夏は地方大会からタイブレークを追い続けてきた。ありうるだろうなとは思っていたが、これも野球の神様の思し召し。
13回裏、仙台商業は一死2,3塁の場面で三塁走者がスタートを切ったが、バッテリーはウエスト。打者当てることができず、走者タッチアウト。14回表、天理の一死満塁は仙台商業守備陣がホームから一塁転送の併殺で切り抜け、ゼロ行進が続く。
15回。ここまで一人で投げてきた仙台商・佐藤投手もさすがに疲労からか球が抜けるようになっていた。連続四球で押し出しの1点、さらに前進守備のショートの頭上を鋭いライナーが越え、2点を追加した。
15回裏、こちらも一人で投げてきた天理の別所投手が先頭打者に四球を与えたところで、センターの真野にマウンドを譲る。無死満塁から1点は許したものの後続を断った。3点のリードが天理守備に余裕を与えており、極端な前進守備はとらなかった。
天_理 000 000 000 000 +003/3
仙台商 000 000 000 000 +001/1
(延長13回よりタイブレーク)
仙台商の佐藤投手、高野連のHPから記録をたどると球数は229。これまでの傾向を踏まえたAIならば「熱投報われず」、と書くところだが、今どきはあまり持ち上げることではないのかもしれない。勝った天理の別所投手はこの試合で170球を投げたが、翌日の準々決勝では真野投手が先発して7回1/3をカバーしている。
(天理応援席。少ないながらもブラスバンドは音量十分で、これを聞けただけでもちょっと得した気分)
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