
栃木vs愛媛@グリスタ
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稲葉孝大
2011年05月24日 22:47 visibility36
ポイントは先日日記に書いたのですが、急遽観戦が決まった+あまりに酷くて削除しました。それなので改めて観戦記と共に下記しました。観戦記もひどいですが・・・。
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栃木のポイント
開幕からスタートダッシュに成功したが、前節大分戦で初黒星を喫してしまった。長いシーズンで“負けない”戦いを維持するのは非常に難しく、仕方ない部分もある。大事なのは、敗れたことを引き摺らずに黒星を2つ並べないこと。連敗をしなければ今の栃木の強さは本物と呼べる。
ホーム・グリスタでは3戦3勝で未だ負けなしであり、連敗は何としても阻止したい。相手よりハードワークできれば勝利を手繰り寄せられるはずだ。
愛媛のポイント
栃木同様スタートダッシュに成功したかと思ったら、2連勝の後4試合勝ちなしと足踏み気味。昨年はJ2でも屈指の守備力を発揮していたDFが崩壊気味なのか。あとは、怪我人が相次いでいるのもバルバリッチ監督の頭を悩ませているようだ。
齊藤、ジョジマール、福田など前線には個々で状況を打開できる選手もいるからこそ、まずは先に失点をしないこと。我慢して相手が焦り始めれば、相手にも隙が出てくる。対すべきは栃木ということで、再浮上のきっかけにはもってこいの一戦になりそうだ。
栃木前半
フォーメーションは4-4-2のままだが、渡部とコンビを組むCBが宇佐美→大和田を始め小野寺、チェがスタメンに入り、敗れた大分戦から選手を若干入れ替えた。
チェ ロボ
河原 水沼
小野寺 パウリーニョ
那須川 大和田 渡部 西澤
武田
12分に左サイドから那須川が前線へあげたフィードが、相手DFとGKの間に転がりラッキーな形で先制点が生まれる。試合の主導権を握り攻撃の勢いを増すかと思われたが、訪れるチャンスを決め切れずに時間が進んでいく。24分にはパウリーニョが積極的に前に出てボールを奪い、右に流れたロボからゴール前にクロスを入れるが味方に合わず。42分には那須川がFKをブレ球で狙うが枠に飛ばず。
簡単にボールを後ろに下げず、選手全員が愛媛よりもハードワークをしていたため、2点目も簡単に奪えるのでは、と見ていたが結局栃木がゴールネットを揺らすことはなかった。水沼と河原が積極的に前に出ていくだけでなく(先制もこの流れだった)ポジションチェンジしたことで、相手は混乱。さらには相手のミスから速攻もあり、崩すまでとはいえなかったが、チャンスを決め切れなかったことが響いた。
簡単に言ってしまえば栃木のペースで試合が進み、12分に先制。さらには相手のミスも加わり攻め込むが拙攻で追加点を奪えないまま前半終了。
愛媛前半
越智が出場停止、怪我人も多く前節と比べメンバーは大幅に変更となった。ジョジマール、石井、大山、渡邉、前野といった前節ベンチ入りも出場機会のなかった或いは途中出場した選手がそのままスタメンに。フォーメーションは4-4-2と見られたが、4-2-3-1だった(齋藤はFWだけど、杉浦と同じ2列目にいた)。
ジョジマール
齋藤 杉浦 石井
大山 渡邊
前野 高杉 池田 関根
山本
前線に張っていたジョジマールは完全に孤立して攻撃は機能不全に陥っていたが、カバーするかのように周りの選手が積極的に動いてシュートを放つ姿が印象的だった(特に関根)。開始14秒に杉浦がミドルを放つなど出足は悪くなかったが、雨で滑りやすいピッチに足を取られる場面が増え、ボールを失うことが多くなり、簡単に試合のリズムを相手に明け渡してしまった。
12分には相手のクロス気味のボールがDFとGKの間ではずみ、お互いボールに触れることなくゴールへ吸い込まれてしまった。不運な形で失点しまったのは今の勢いの差を感じさせた。その後はミスを連発し奪われてからカウンターを受けることも多く、完全に相手のペースで試合が進むが、相手の詰めの甘さに助けられ追加点を許さなかった。このことが結果的に白星を勝ちとる遠因になったのかもしれない。お互いミスが多かったが、相手と違い愛媛のミスは即ピンチにつながった前半だった。
栃木後半
リードして折り返しただけに、ハーフタイムで動きはなく、前半の流れも悪くなかっただけに継続するものと思われる。しかし、後半開始から前に出てきた相手に受け身に回ってしまい、53分に相手の個人技から同点に追いつかれてしまう。
同点に追いつかれたことで栃木は動かざるを得なくなった。60分に河原→鴨志田。変わった鴨志田が積極的にピッチを動き回ることで、試合の主導権は再び栃木に。62分には相手のミスからショートカウンターとなり、鴨志田からロボにつないでシュートを放つが、こぼれ球はクリアされる。後半最初は愛媛のペースに傾きかけたが、ここから栃木が押し込む時間が続く。64分にも同じく相手のミスからロボがGKと1対1になるがシュートを打てず。この後、67分にもカウンターから決定機を迎えるが得点を奪えない(80分にもあった)。わずか10分もしない間に3回もの決定機を決め切れなければ、勝てるはずもない。拙攻は相手を助けてしまった。
81分には小野寺を下げ大久保を投入。ボランチを1枚削り、大久保を前線にあげることで攻撃に厚みをもたせるのだろうが、やはりゴールネットを揺らすことはできない。ホームでは絶対勝利が必要なだけに何としても勝ちたい気持ちは感じられたが、空回りしている感じもした。
90分に失点してしまったのも当然の結果かもしれない。シュートを20本も放ち何度もチャンスがあったのを決め切れなかったのだから、自分たちで勝利を手放したのだ。
強いチームは試合ですべきことを徹底している。栃木のサッカーは決して悪くないし、内容だけを見れば愛媛を上回っていた。だが、試合には敗れてしまった。それは攻撃の詰めの甘さか、ロボ頼みだからか、はたまた攻撃のアイディア不足だからか。個人的な感想だが、ロボの強引さは魅力だが仇にもなると思っている。相手はシュート打つことを分かっているから、コースを切ってしまえば怖さは半減するのだ(それでも開幕戦みたいに決めるけど)。水沼や河原、高木など中盤には得点力のあるサイドアタッカーがいるだけに、ロボはもっと周りを生かした方がいいような気もする。
愛媛後半
愛媛も特に選手交代やフォーメーションの変更はなかったが、選手が動いてボールを受けるようになった姿は、運動量の少なかった前半には見られず、パスが繋がるようになった。
気合を入れ直したのか、激しいチェックも加わり、主導権を愛媛に引き戻すと53分、この試合全くいい所がなかった齋藤の個人技から愛媛が息を吹き返す。右サイドから中央でボールを受けた齋藤がドリブル突破から、相手を嘲笑うかのようなループシュート。この試合で初めて持ち味を発揮し、相手GKもただ見送るだけの鮮やかな一撃が決まり同点に。因みに横浜の関係者も視察に来ていたらしい試合で結果を出したが、消えている時間帯も多く、もっと仕掛けていっても良かった気もした。
60分には後半に入っても仕事ができていなかったジョジマールに代わり小笠原がピッチへ。相手DFをかきまわしに掛かるが、前半同様またもミスからピンチの連続となり、栃木の一方的な時間帯が続く。それでも相手の拙攻とGK川北の好守で最後まで勝ち越し点を与えなかったことが勝敗を分けた。
82分に池田に代わり吉弘が入る。拮抗した展開でDFを交代させるのは極めて稀だが、池田が足を引き摺っていた感じもあり、バルバリッチ監督は負けないことを選択したようにも見えたし、それだけ一方的だった。事実として、GK川北はマイボールになってもすぐに蹴りださずゆっくり時間を消費。隙あらば1チャンスで逆転を狙っていた。
一方的な展開になってからチャンスはカウンターとセットプレーが中心に。したたかに逆転弾を狙っている愛媛は89分GK川北のキックから最後は小笠原がゴールを狙うが、惜しくも相手GKに弾かれCK。そのCKのこぼれをPA付近から小笠原がシュートを放ち、ゴール付近の混戦の中で吉弘が反応してついに逆転。劇的な勝利を手にした。
サッカーはミスが少ない方が勝つともいうが、この試合に限ってはこの法則が当てはまらなかった。愛媛は確かにミスが多く、しかも奪われてから即ピンチになることも多かったがGK川北のセービングと栃木のミスに助けられた。
内容は決して良くはなかったがしっかり勝ち点3を得たことが今は大事だと思う。例えどんな内容でも勝てば同じ勝ち点3。怪我人が多く、スクランブル体制でも勝ったということには大きな意味があるはずだ。
栃木感想
・ロボ強引すぎる。
・栃木のスタメンが変わりすぎだけど(殆どが最近移籍してきた選手)、J1目指すには必要なんだよね。
・水沼は栃木に合ってる、というかJ1で試合に出てないならどんどん出すべき。
・東京V色が濃い。
・中盤がどんどんポジション変えてくるから見ていて楽しい。
・パウリーニョは状況判断がいい。前に出てボールを奪いチャンスメイク。
愛媛感想
・失点シーンは連携面もあるはず。仕方ないでは済まされない。
・齋藤はさすがにJ1の下部組織出身者だけあって技術がある。
・ジョジマール全く動かず。張ってるだけでは意味がない。
・ミスが多すぎたが、川北が踏ん張ったことは見逃せない。
・愛媛のしたたかさが光った。
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- 事務局に通報しました。
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