野球場の愛称 (野球場の変化・番外)

  • Mr.black
    2014年12月23日 12:55 visibility1962

前回はネーミングライツについてでしたが、今回は「愛称」について。

公営のアマ球場の正式名はおおよそ以下のようなものが多いと思います。


〇〇運動公園野球場

〇〇総合公園野球場

〇〇スポーツ公園野球場

〇〇市野球場 (いわゆる市営球場)

県立〇〇球場 (いわゆる県営球場)


基本的に公共施設なので正式な球場名は上記のように長かったり堅苦しかったりです。

そこで時々行われるのが「愛称を付ける」こと。

その愛称は最初からトップダウン式に命名される場合と一般公募で命名される場合があります。

(一般公募の方が多いと思われますが、この点は自信ありません。)


そして付けられる愛称はおおむねその土地の名産・名物であったり、歴史的ないわれや所縁であったりということが多いようです。


私が訪問した球場で愛称が付いていたのは以下のとおり。


オリンピック・スタジアム (長野・長野市) :冬季五輪開催地

弁慶スタジアム (石川・小松市) :勧進帳ゆかりの土地 (下記写真の右端に愛称)



アルペン・スタジアム (富山・富山市) :山々をイメージ

こうのとりスタジアム (兵庫・豊岡市) :コウノトリの飛来地であり、保護地域でもある



キッピー・スタジアム (兵庫・三田市) :市の鳥・キジをキャラクターにしている(そのキャラ名)

あじさいスタジアム (兵庫・北神戸) :あじさいが神戸市の花

ハンカチ・メモリアル・スタジアム (兵庫・高砂市) :斉藤佑樹投手が高砂の国体で優勝した

マスカット・スタジアム (岡山・倉敷市) :マスカットが名産品

しまなみスタジアム (広島・尾道市) :しまなみ海道に由来

津田恒美メモリアル・スタジアム (山口・周南市) :津田投手が同市出身(当時は南陽町)


↓ ただし私の訪問時はまだ「周南市野球場」でした。この翌年(2013年)に愛称が付けられました。



↓ 一方、下はマイヤキューさんからご提供いただいた「津田恒美メモリアルスタジアム」の写真。トイレの外観です。このスタジアムはたしか場内・場外両方にトイレがあったと記憶しています。これはどちら側かわかりませんが。




坊ちゃんスタジアム、マドンナスタジアム (愛媛・松山市) :夏目漱石の小説の舞台

オリーブ・スタジアム (香川・高松市) :オリーブが名産品


覚えやすい、あるいは親しみが持てる、ということで付けられる愛称。

企業色がほとんど無いのでネーミングライツよりはすんなり受け入れられました。

ただし、最後のオリーブスタジアムは前回も書きましたようにネーミングライツ導入により現在愛称は消されています。球場前の植え込みに愛称を書いた白い木杭が打ち込まれているのみ。ちょっと寂しいですね。



更に高砂球場の正面口横にあった「ハンカチ・メモリアル・スタジアム」という看板は現在は撤去されて存在しないようです。今夏同球場に行った時、チェックするのをうっかり忘れていたので本当に撤去されたのかどうかは不明ですが。(下は訪問時の写真。2009年5月)



愛称も諸条件によって消えることがあるのですね。時代の流れは時に恐ろしいものです。

過去訪問した野球場の記録を残してどこかに寄贈したいと思っているのはそういう時の流れで消えて行くものがあるからなのです。

最近「生前整理」という言葉がよく言われるようになってきました。

私も球場関係の資料をそろそろ生前整理していこうと思っています。



↑ 巨大な地方球場、「倉敷マスカット・スタジアム」。1995年開場。

確信はありませんが、球場に愛称を付けるのが全国各地で流行し始めたのはこの球場完成の前後頃だったように思います。(それ以前は「グリーンスタジアム神戸」などがあったものの、数はまだ少なかったと思われます。)

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