「聖地」をどう考え、どう取り扱うか?(明石第一球場・トーカロ球場)
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Mr.black
2022年08月31日 13:49 visibility1802
(※)このブログに添付している写真は過去に撮影した物と、今夏撮影した物が混在しています。ご了承ください。
先日観戦した軟式高校野球の会場は「明石第一球場(トーカロ球場)」。
この全国大会は明石と姫路の2か所で開催されており、メイン会場は明石です。その為、明石球場は軟式高校球児にとっての「聖地」になっています。
ザックリ歴史を書くと、軟式の全国大会は当初藤井寺球場で開催されていました。(サブ会場はPL球場)
しかし藤井寺が鳴り物応援禁止となった為に1981年から明石(メイン)と高砂(サブ)に会場が移転したのです。そして高砂が老朽化したことと、姫路が改築されて立派になったこととで2016年よりサブ会場が姫路に替わり、現在に至っています。
↑ 2015年までサブ会場だった高砂球場。(現存しています。)
さて、40年以上も全国大会のメイン会場になっている「聖地」明石球場ですが、こちらも老朽化が著しく、スタンドの上部が満員になると崩落の可能性があると言われています。(赤で囲んだ部分)
その為、今春から内野スタンド上部は立ち入り禁止となっています。先日の軟式大会もご覧のような状態で行われていました。
スタンドの中間に緑の柵が設置され、その上には行けないようになっていました。これでおおよそ4割収容数が減少しているそうです。その為、この日はかなり混雑していました。
余談ですが、スタンド上部にY字型の鉄柱が等間隔で建てられていますが、これは日除けの臨時膜屋根を張る為の支柱です。今回はお役御免。
ネットなどで「同じ高校野球の全国大会なのに軟式はこんな場所でやらされている。もうちょっとマシな球場にしてあげたらどうか?」とか「GS神戸(ほっともっとフィールド)を会場に出来ないのか?」という声がチラホラありました。
さて、一方のサブ会場・姫路球場はどうかと言うと。
建て替えによって現在はこんな立派な球場になっています。
球場のグレードだけで言えば明らかに姫路の方がメイン会場にふさわしいです。
問題は「いわゆる『聖地』をどう考えるか?」なのですよね。
「球場の規模や仕様など設備面を重視するのか?」
「それとも積み重ねてきた伝統や歴史を尊重するのか?」
他の要件として明石球場は城跡の公園内にあり、スタンドから石垣や櫓などが眺望できるのは捨てがたい魅力となっています。その一方で城址公園であるが故に照明塔を設置できないというネックもあります。過去にはこれが原因でサスペンデッドゲームが発生したこともあります。特に軟式の場合は得点が入りにくいので延長になるケースが多く、これらをどう判断するかも悩みどころです。
現在明石球場の改修工事が検討されています。
球場のあちこちにはこのようにコンクリートが欠損し、錆びた鉄筋が見えている場所がありました。一番最初の開場から90年近く経過しているので、改修よりもいっそ姫路のような建て替え工事にした方がいいと個人的には考えています。
問題は資金繰りですよね。無い袖は振れません。
更に敷地が城跡なので、建て替えの際、地下から歴史的な埋蔵物が出てきて工事が中断するということもあり得ます。これは今後の状況を見守るしかありません。
仮に今後改修なり建て替えなりが実施されると当面明石は使えなくなるわけですから、その際には臨時的にでもGS神戸で試合させてあげたいものです。(GS神戸がメイン・姫路がサブ)
全国大会の一部分ですが、定時制通信制の試合は神宮で行われているのですからね。そのくらいしてあげてもいいと思います。
とまあ、いろいろ書きましたが、私は決して明石球場のことを腐しているわけではありません。
お城と近接している硬式用の野球場なんて全国的にそうは無いでしょうからね。景観と合わせてこの球場はとても好きなのです。
要は「こんな球場で全国大会を・・・」と言われない程度に整えて欲しいのです。
何よりも延長50回の伝説の死闘が行われた球場ですから、どんな形になっても残って行ってほしいです。
最後に。
分かりにくいかもしれませんが、仮設で黒いホースからミストが出されていました。この下で休憩している人もチラホラ。以前はこんなことはされていませんでしたが、昨今は酷暑ですからね。そんな厳しかった夏ももう終わろうとしています。
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