我的愛球史 第55話 「役者は揃った」
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こじっく
2010年11月20日 00:16 visibility226
(写真と記事は関係ありません)
2002年の星野阪神のスタートはこの上ないものになりました。
開幕巨人2連戦を2連勝。
オープニングゲームで勝利を挙げた井川慶投手を祝福する星野監督に歓喜と安堵の笑みが広がります。
その勢いのままタイガースは走り、開幕7連勝を飾りました。
どんなに好スタートを切っても、野村監督1年目での大失速が頭から離れない僕らは、転落の始まる日がいつ来るのか気が気でありません。
しかし、この年のタイガースはいい緊張感を保って戦いました。
最終順位は4位に下がったものの、6月に入るまでは首位戦線に留まり、セリーグを盛り上げます。
矢野輝弘捕手、赤星憲広外野手の故障離脱が惜しまれますが、選手個人を見ても期待を集めてきた選手が好成績を残します。
井川慶投手が14勝9敗、防御率2.49、206奪三振を奪い奪三振王。エースの誕生です。
ムーア投手も10勝(11敗)をあげ、助っ人としての役目を果たします。
藪恵壱投手も10勝6敗。負け星の多い藪投手が4つ勝ち越したことはファンにとって嬉しい出来事でした。
野手では今岡誠選手が.316、14本塁打、56打点と開眼しベストナインを獲得します。
そしてタイトルには関係ありませんが、9月11日、98年のドラフト1位藤川球児投手がプロ初勝利を飾りました。今や球界を代表するクローザーもこの時は先発でした。
9月24日・・・阪神タイガースは甲子園に迎えた読売ジャイアンツの胴上げを目の当たりにする悔しさを味わいます。
しかし、この日のゲームは阪神がサヨナラ勝利をあげていました。
このやりきれない悔しさが翌年の雪辱に繋がっていたのです。
そして、僕らは2003年シーズンに大いに希望を持ったのでした。
・・・僕らが希望を持った一方で、この年活躍できなかった選手には厳しいシーズンオフが待っていました。
星野伸之投手が心疾患の影響もあり引退。
遠山奨慈、成本年秀、伊藤敦規、弓長起浩、西川慎一、川俣ヒロアキ、船木聖士、部坂俊之、山岡洋之、根本隆輝、吉田浩の各選手がタイガースのユニフォームを脱ぐことになりました。
星野監督の就任時から優勝のために「血の入れ替え」が行われることは分かっていましたが、期待していた選手が去ることには寂しさを感じずにはいられません。
しかし、新たにタテジマに袖を通す選手達に優勝への夢は引き継がれます。
広島から「鉄人」金本知憲選手。
メジャーから「剛腕」伊良部秀輝選手。
日本ハムから「阪神ファン」下柳剛選手。
そして、ジェフ・ウィリアムズ選手。
2003年優勝のための役者は揃いました。
そして、海の向こうの千両役者新庄剛志選手は・・・
日本人として初のワールドシリーズの出場し、初ヒットまで記録していました。
阪神を飛び出しての冒険は、思いがけない大舞台に到達していたのでした。
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