選択と集中(後編)
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DIME
2010年06月07日 18:34 visibility114
今更ながら、高田監督辞任の話の続きです。
脱線しますが、これからもこういう方向性で行こうと思います、どうせニュースを追いかけることはできませんし。
事前の日記は下記。
日本型“総監督”の限界
http://baseballsns.jp/member/437/diary/176281/
選択と集中(前編)
http://baseballsns.jp/member/437/diary/176951/
なお、断りがない限り、データは5/28現在のものです。
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で、最後は今年の低迷の直接的要因の話です。
といっても一番の原因が点が取れなかったことであることは言うまでもありません。
ただ、得点を見たところ、XRやRCと実際の得点とに大きな乖離が見られます。
球団 得点 XR RC
ヤクルト 158 / 184.8 / 182.1
横浜 181 / 187.1 / 187.6
広島 191 / 186.0 / 183.6
中日 185 / 221.9 / 222.3
グラフが埋め込めないのでわかりにくくて申し訳ないんですが。
横浜や広島と比較すると、実得点との乖離がわかります。
なお、もう一つついでに中日と比較すると、この程度の乖離はこのぐらいの母数では発生しうることもわかります。
で、これを「監督の資質の問題」とするのは、去年のヘンリー理論を持ち出して真弓監督を批判していたあれと非常に似ています。
XRやRCで想定される予測得点と実得点とに大きな乖離が出ていたとき、まぁ少なくとも「監督の能力」は要因としては無視してもいいようなものだと思います。
大きな要因としてあげられるのは、大きな意味での偶然というなの偏り、偏りの中では出塁率と長打率のどちらかに偏っているか、の部分でしょう。
大きな意味での偏りというのは、監督交代以降10点以上取っている試合が2試合発生していること。こういう大勝の試合という「さいころの目」が出るタイミングがちょうど途切れるタイミングで監督交代という区切りがあっただけ。
問題はもう一つの方で、得点生産能力というのは、だいたい出塁を増やしていくか(単打が増える事を含む)、長打を増やしていくかしかないわけですが、前者の方が、後者よりも偏りやすい傾向があります。
これは野球のルールによる特性です。例えば9アウト、3イニング制だったらこの傾向は原稿ルールより平準化している可能性が高いと思われます。
そして、ヤクルトの場合は長打率ではなく、出塁率への投資によって得点生産能力を稼ごうとしていたと考えられます。
長打率の高い打者を確保するのは比較的お金がかかります。費用対効果を考えたときに長打率が飛びぬけて高い打者は効率の悪い金額まで高騰していることが多く、効率の観点から見ればあまり良い選択ではありません。
それ以外の選択肢としては、ドラフトの活用があります。ドラフトは球団側が金銭的に有利な条件で長期間拘束できる制度です。このドラフトの時点で長打率の高い打者を獲得していれば、FA時まで効率的な金額で使えます。
ところが、前回の日記に戻るんですが、ここ最近はそのドラフトの上位枠を投手の側に振り分けていました。
そしてこれは日本野球界全体の危機なのですが、ここ最近、まともな長距離打者ってほとんど出てきていません。希少価値が相対的に高まっているので、下位枠から育ってる打者が本当にいないんです。
結局、金銭的な制約があり、また戦略的に投手重視という方針を持っている以上、選択肢としては出塁率重視の組み立てしかありません。
まとめますと、ヤクルトは揺らぎの多い戦略しかとる手段がなく、その揺らぎが悪い方向に出てしまった、といえます。
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2点目、これは非公式的な話になってしまうのですが。
ボールの変更など、今NPBが全体的に投高打低のトレンドから打高投低のトレンドに移りつつあります。
個人的にはこれは「誰かの意図」というよりも「神の手」的な業界全体のバランス感覚の発露だと思うのですが。
ぶっちゃけた話、日本ハムの躍進にはこの投高打低トレンドにうまく乗っかったという側面が否めないと思います。
そしてそれで成功したのが高田監督です。自らの経験を活かそうとすれば、投手偏重という戦略を取るのは理解できます。ただそれが球界全体のトレンドと今度は逆行した。
もちろんトレンドと逆行しようとも、差がつきさえすればそれでいいはずなんですが、バラつきが小さくなりやすい野球の特性上、「低」の部分で差を作るのが難しい。
このあたりも要因としてあげて良いのではないかと思います。
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あと何だかもう少し思いついていたことがあった気がするんですが、忘れてしまいました。
思い出したら追記していきます。
- favorite15 visibility114
- 事務局に通報しました。
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