二岡智宏・林昌範←→MICHEAL・工藤隆人

  • DIME
    2008年11月11日 12:00 visibility280

確定なのかどうかが微妙なんですが、今日のサンケイスポーツにだいぶ確定的に出ていたので触れておきます。
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マイケルと二岡、2対2の大型トレード合意!

来季こそ日本一奪回へ、巨人が早くも補強に乗り出した。二岡智宏内野手(32)、林昌範投手(25)と、日本ハムのマイケル中村投手(32)、工藤隆人外野手(27)の2対2の交換トレードが合意に達したことが10日、明らかになった。中継ぎ投手陣の強化を図る巨人と、右の強打者を求める日本ハムの思惑が一致。近日中に両球団から発表される。
6年ぶりの日本一を逃した巨人が、早くも補強に着手した。
今季、横浜から移籍した守護神クルーンはリーグ最多の41セーブを挙げたが、救援失敗も8度を数えた。四球が多く、シーズン終盤は不安定な投球が目立った。原監督は「今年はリリーフ陣の奮闘に助けられた」と中継ぎの重要性を評価。ベテランの豊田に今季急成長した左の山口、右の越智がいるが、さらなる強化のため、マイケル中村に白羽の矢を立てた。
豪州と日本の国籍を持つマイケルは日本選手扱いで05年ドラフト4巡目で日本ハムに入団。2年目の06年には、パ・リーグ新の39セーブを挙げて日本一に貢献した。今季も28セーブを挙げ、4年間で通算102セーブをマーク。強力なセットアッパーとして計算できるだけでなく、クルーンが故障した場合や不調のときは、代役として抑えも期待できる。
交換相手となる二岡は今季開幕戦で右ふくらはぎを肉離れし、正遊撃手の座を19歳の坂本に奪われた。7月下旬に三塁手として復帰したが、攻守に精彩を欠いたまま右足首をねんざし、9月下旬に2軍落ち。さらにタレント・山本モナとの不倫疑惑騒動でイメージも急落した。
巨人の選手会長のトレードは異例だが、新天地での再スタートは公私両面においてプラスとなる可能性がある。右の強打者の獲得が急務だった日本ハムにとっても、右方向へ長打を飛ばすパンチ力は大きな魅力だった。
また、左の中継ぎ投手を求める日本ハムと、高橋由、矢野と外野手に故障者が続出した巨人の狙いが一致し、左腕の林と俊足好守の工藤が交換要員となった。ともに来季の目標に日本一奪回を掲げる両チームが、戦力アップを進めていく。

11月11日8時4分配信 サンケイスポーツ
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まず先に、林昌範と工藤隆人の方を。これは非常に良く理解できます。
まず工藤隆人に関しては今シーズンの最後の方を見ていればわかったと思うのですけど、巨人は明らかに守備の出来る外野手が足りていませんでした。
鈴木尚広(とおまけで亀井義行)がスタメン張るほど成長したってのがその一番の理由なんですが、谷佳知やラミレスの使いようによっては代打の後の守備とか代走からの守備とかいろいろ代わるところはあるんですが、この日本シリーズ、最終手段は加治前竜一だったわけです。彼も一応、走攻守三拍子そろった選手として入ってきたのですけれども、どうも守備に関しては不安を感じた印象があります。

あと名前が挙がっていないのは、高橋由伸、矢野謙次、隠善智也、松本哲也、清水隆行ぐらいですから、守備で一目置けるような選手を足しておこうというのは良くわかります。
で、林昌範の方なんですが、「売り時」なんだろうなというのが実感としてあります。手術あけからしっかりとした成績を残せていませんが、2軍では結果残せていますし、「手術」っていう明らかな原因がありますからそれさえ取り除けば大丈夫である可能性がある。
明確だけれどまだ顕在化していないリスクと、これまでまがりなりにも残してきた実績、ここから続けることでリスクが発動するのかしないのか、そこまで見極めてしまうと「売り時」じゃあないだろうと思います。良い方向に結果が出たら出すにはもったいなくなるし、悪い方向に結果が出たら拾ってくれるところはない。
これは道作さんのところのブログで最初に話題が出たときに、MICHEALを称した言葉なんですが、「結果ではまだあがるかも知れないけど、いま降りても順当な利食いはできて」る、これは林昌範にも当てはまると思います。
もし林昌範を売ろうとするなら今が一番良いタイミングの一つであるのは間違いないでしょう。だから彼をトレード要員としてリストアップするのは間違っているとは思いません。
今年良くなかったとはいえ、一時期は中継ぎエースだったまだ若い左腕を出して、守備固め用の選手というのは正直ちょっと割に合わないかなというのは欲目でしょう、単独で1対1でも理解は出来る組み合わせです。もうちょっと踏んだくれるだろうとは思いますけど。

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で、本題の二岡智宏とMICHEALの方なんですが、ちょっと判断に困るなと思います。
まずMICHEALについては先ほども言った道作さんのところで書いた自分の書き込み。
「Michaelは売りどころではあるのかなと思います。入団年齢高いから来年34、勤続疲労も見受けられて。ある程度のリスク要因がありますからリスクの顕在化が出る前の実績があるうちに多少早くても売るのはわかります。結果ではまだあがるかも知れないけど、いま降りても順当な利食いはできてます。」
今度は林昌範と全く逆なんですよね。世間一般ではどう思われてるかは知らないけれど、後々見れば高値づかみしているかもしれない。その可能性は十分にあります。
ただ、何度も書いているとおり、中継ぎはチームでもっとも重要なポイントの1つとして私は考えています。
豊田清とクルーンの年齢を考えても来期以降には若干の不安、山口鉄也と越智大祐を中継ぎの両輪として置くにしても、それでもまだ駒数は十分とはいえない。
ここにさらに足そうとしたときに、MICHEALほどの選手を取れるかと言えばまず取れることはない。選択肢としては千載一遇のものであるのは間違いありません。多少のリスクは負ったとしても中継ぎの強化に繋がるかもしれないリスクであるならば、犯すべき価値はあるリスクです。
正直高値づかみが怖いです、他の方はどう思っているか知りませんが、私は相当に危ない橋を渡っているという印象を持っています。でも渡ることに反対はしません、これが一塁手だとか先発投手とかだったら反対しますけど、中継ぎですから。

で、二岡智宏ですか。正直私は反対です。これからもチームの強さを維持するのであれば、ショートは坂本勇人ではなく、二岡智宏である方が望ましいと思います。
今のようにただ1軍で使い続けるだけが坂本勇人の成長に繋がることだとは思いません、私はまたこれから2軍で練り直すのが一番だと思っています。
ただ、坂本を1軍で使い続けることによって成長させていくという選択を取るのだとすれば、二岡をトレードに出しても構わないと考えるのだとしてもそれが間違いだとは言えません。
昔に書いたことがありますが、二岡の打撃能力というのは遊撃手としての相対性においてはじめて非常に価値のあるものです。これまで残してきた打撃成績というのは三塁手としての相対性で論じればけっして優れているわけではない、ごくごく平均的な三塁手です。
だからこそ、三塁手として考えるときも私の中ではあくまで一・三塁手のレギュラーを置いた上での「三番手」で、彼を使うことを考えるのであればまず遊撃手だったわけです。
その遊撃手に坂本勇人を据えて我慢するのであれば、平均的な三塁手であれば外国人補強で何とかならなくもないし、打てない坂本が離脱したときの事なんてのは、打てない選手が守っても結果的にほとんど差はないですから、今いる若手で我慢する。
その程度の利用価値のために二岡を置いておくぐらいならば、トレードの駒としてもっとチームの中で有効に使えるような駒と交換しようというのは悪くない考えです。
「坂本勇人を据えて育てる」っていう基本戦略のところで、私は同意できませんけど、その点に目を瞑れば、後の考え方は理に適っているかなと思います。

育成方法に対するスタンス・考え方の違いって言うのもそこまで大きな事ではないと思いますしね。いろんな事で、「その程度の違いで育たなかったのだとすれば、最初からその選手は育ってこない」って事を言っていますけど、これも同じだと思いますし。
そのまま使い続けても、2軍で鍛え直しても、育つなら育つし育たないなら育たない。だったら1軍に迷惑をかけるべきではないと考えているだけで、こっちを選ばなきゃ坂本の未来がないとか思っているわけではないです。
だから、坂本使い続けるっていう選択肢を強制的に選ばなければならなくなるけれども、その代わりにMICHEALを得られるって言うのは十分魅力的だと思います、その点から方針を転換したとしても否やはありません。

まぁ大田が取れたことでちょっとどうするのかなぁとは思っていたんですよね。坂本勇人をどうやって2軍で漬け込み直すか。
高卒プロスペクトに対して「一軍の控えとしておいておく」というのは育成手法としては無しとすれば、2軍で坂本勇人、中井大介、大田泰示に対して遊撃と三塁の2ポジションしか無くなってしまう。
しょうがないから1名は(たぶん中井)一塁に回すしかないにしても、それでも田中大二郎とか円谷、岩舘、籾山、仲澤広基の事まで考えると2軍で与えられる育成機会がちょっと足りなさそう。
坂本をこのまま1軍で優先的に起用するのだとすれば、中井、大田で三遊間組めますからね、無理は生じない。

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全体としてお互いに「理のない」部分はない、考えのわかるトレードだと思います。
私はトレードをはじめとした各種活動については、動くことで発生するリスクをおそれて動かないよりも、リスクを承知の上でそれでも動くことをまず評価しています。
そういう意味では日ハムも巨人も直近の動き方は高く評価していますし、今回のこのトレードも成立したとすればお互いにリスクを冒しながらも動いたことを評価したいです。

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