【巨人】 小坂残留と、岡島FA宣言。
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DIME
2006年10月28日 13:08 visibility1026
昨年、小坂誠を金銭トレードで獲得したときに最初に思ったのは、あと1年でFA資格を得てしまう選手を金銭トレードで獲得するのは無謀じゃないか?ってことだった。
結局小坂誠はFA宣言することなく、残留することになったわけで何の問題も無かった。
「FA権を行使しないで、残留の形をとらせていただいた。今シーズン、序盤はちょっとはできたが、それ以降はチームの役に立たなかった。今までで一番悪い成績。そんな成績で行使するのは納得いかなかった。来年も巨人でやらせてくださいと伝えた」
と本人は述べているものの、こういう発言をする選手でじゃあ成績が良くなったときに改めてFA宣言をするかというと、過去の傾向を見ると必ずしもそうではない。
例えば今年でいえば具体名をあげて申し訳ないがサブロー・日高・塩崎のようにパーソナルベストとは言えない成績を残していながらも、FA行使が予想される選手もいる。
過去の傾向でも似たような状況であることを思うと(FA資格継続選手の多さを見れば一目瞭然)、日本のプロ野球の中ではFAという制度に対してそもそも積極的な選手と消極的な選手がいるというのが伺える。
そんなプロ野球界で「納得できる成績が残せなかったからFAは使わなかった」というのは良くある表面的な理由に過ぎず、実際はFA志向が薄い選手であることがうかがえる。
また今年のフェニックスリーグで吉村監督からつきっきりで指導を受けていた。小坂本人の性格を鑑みても成績が上がったときにじゃあ宣言しますって言い出すか、それともこれだけ再生させてくれたのはこのチームのおかげですって残留を選ぶのかって問われれば、その人間性を考えれば後者のほうが自然に思える。
それに対して、同じようにあと1年でFA資格を得る岡島秀樹は日ハムが今年巨人から獲得した。もちろんあと1年なのに?って思ったのは確かだ。
彼の場合は結局今年FA宣言することをチームが優勝するとほど同時に発表した。
これまでの発言、とくに移籍前後の発言を考えるともともとFA志向と言うか、「いろんな球団の評価を聞いてみたい」という「積極的選手」だったのは間違いないだろう。少なくとも生え抜き球団(この場合は巨人)へのこだわりはなかったのは確かだ。
もちろん日ハムにしろ巨人にしろそれを見越した上での移籍だったのは間違いないだろう。そのあたりが岡島に対して實松一成&古城茂幸といっけん割が合わないようなトレードであった事にもつながる。将来性・契約年数などの係数をかければけっして割が合わないものじゃなかった。
結局日ハムからすれば今年一年だけでもどうしても自分のチームに足りなかった中継ぎ左腕を補強することで今年の躍進につながったし、巨人の側からすれば層の薄い内野手の中でそれまで守備固めとして十分使えていた黒田と比較してもより優れた古城を確保できた(黒田にも十分実力があるのは西武がすぐ手を上げたことからもわかるだろう)上に、1軍経験のある若手捕手(實松一成はまだ25)が加わることでこれまで巨人の若手捕手の中の「経験不足」を補いつつ同年代捕手(加藤・星)の競争意識を煽り結果として加藤の成長を促した。
日ハム側からすれば今年のこの活躍という短期的WINを得ることが出来たし、巨人側は長期的(なのでまだ現時点では結果を判断できないが)WINを得られそうな兆候を十分かもし出している、むしろ古城にいたっては短期的WINでもあると言えるだろう。
どちらにしても自分のチームに足りない部分を効果的に補強できたWIN-WINのトレードだったのではないだろうか。
短期的な獲得やトレードが多く将来を考えてないと評されることが多い巨人だが、それが恣意的な観点からの結論(巨人を何が何でも批判したい)ありきの解釈に過ぎず、長期的な視野でのトレードを行っていることが、この小坂誠と岡島秀樹の個人的な性格も見越したトレードとそれに伴う今年のFA状況からも良くわかる。
っていうかそもそも岡島のトレードに関してなんて、1年でFAだよってとこは事前に強調されてしかるべきだったんだけど、これが巨人のこととなるとそういう部分は全く報道されなくなってしまうんだよね、それを指摘すると巨人は上手なトレードしましたね、ってことになっちゃうからさ。そういう巨人の悪い意味での特別扱いはめぐりめぐって日ハムファンにとっても望ましくないことだと思うけど。
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