尾藤竜一の件 追記
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DIME
2008年11月05日 17:02 visibility931
手術から投球再開まで10ヶ月を要しているからそうだろうなぁとは思っていたけど、やっぱり靱帯再建術なんだね。
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「巨人の星」へ尾藤、決意 左ひじ手術を克服
一昨年のセンバツで岐阜城北高をベスト4に導いた左腕尾藤竜一(19)=郡上市白鳥町=が巨人の育成ドラフト指名を受けた。「1軍のマウンドに立ちたい」。挫折を味わった甲子園のヒーローは決意を語った。
早大進学後、キャンプで左ひじのじん帯を断裂。野球ができず、昨年9月、手首のじん帯を移植する手術を受けた。いったんは野球をあきらめかけたが、復活に向け練習を再開。今年3月、大学を辞め郷里へ戻った。母校で練習を続ける姿が巨人のスカウトの目にとまった。
「高校時代と変わらないまでに投げられるようになった」という尾藤は、指名に安堵(あんど)の表情。父安正さんは「最後のマウンドは高3の夏のサヨナラ負け。もう一度、雄姿を見たい」と話す。指名を知った藤田明宏同高監督は「頑張って登録選手に」とエール。後藤寿彦県野球協議会理事長も「県の星として輝いて」と期待を寄せた。
岐阜新聞
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で、やっぱりスカウトが拾っていたと。これは素直にスカウトを称賛したいですね。
去年9月に手術を受けた=辻内崇伸より5ヶ月遅れで手術を受けた。そう考えておけばわかりやすいですね。
同じ靱帯再建術を受けた辻内崇伸のタイムスケジュールは2007年4月26日に手術、ほぼ15ヶ月ぶりの2008年7月25日のフューチャーズ戦で実戦復帰、本格復帰はまだです。
だいたい1年半〜2年はリハビリに見るべきだと思うので、来年度中は使い物にならない、本格的な試合登板は無理ぐらいの覚悟は当然球団は持っているものと思います、その一年分先行投資をしてでも先に確保しておく価値は有ると思ったのでしょう。
この判断は私も賛成です、辻内崇伸の時から何度も言っていますが、この手術はリハビリさえ間違わなければ、復活が期待できます、それが出来てからだったら、争奪戦になったでしょう。
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あと、昨年度中に退学さえしていれば、何ら問題はないです。
パソコンが壊れてしまって規約を確認できなかったので裏をしっかり取らずに誤解を招きかねない書き方をしてしまいました、すみません。勉強不足でした。
「これが許されるんだったら、メチャクチャできるじゃないか」なんてアホ抜かしてるのが散見されますが、そもそもこういう獲得自体はずっと許されていることですよ。
たとえば、阪神から去年指名された黒田祐輔、彼の経歴は今回の尾藤とほぼ同じです。2006年度中に大学を退学、そして2007年度のドラフトで指名されました。「昨年度中の退学者」というのはこれと全く一緒です。
違うように見えるのは、“浪人”していた尾藤に対して、一応「シャンソン化粧品」という所属先があったぐらいでしょうか。でもこれも同じなんです。
勘違いしやすいのですが、「アマチュア選手」という概念は正確にはないんですね。「アマチュア選手」すべてに対して何年間かの指名制限があるわけではありません。
指名制限があるのは「日本野球連盟に所属する選手」、「日本の学校に在学している選手」だけなんですよ。
関係する規約を抜粋します。内容は日本プロ野球選手会公式ホームページ/野球規約・統一契約書ほかから引用しています。
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新人選手選択会議規約
第1 条 (新人選手)
この規約において新人選手とは、日本の中学校、高等学校、日本高等学校野球連盟加盟に関する規定で加盟が認められている学校、大学、全日本大学野球連盟の理事会において加盟が認められた団体に在学し、または在学した経験をもち、いまだいずれの日本の球団とも選手契約を締結したことのない選手をいう。日本の中学校、高等学校、大学に在学した経験を持たない場合であっても、日本国籍を有するものは新人選手とする。
第3 条 (日本野球連盟の選手)
日本野球連盟に所属する選手に対しては、同連盟と日本プロフェッショナル野球組織との間の協定に基づき、次の方法により選択する。
(1) 球団は、日本野球連盟所属選手が同連盟に登録後2年(シーズン)間はその選手と選手契約を締結しない。ただし、高校卒業の選手ならびに中学卒業の選手については、その選手が同連盟に登録後3年(シーズン)間は選手契約を締結しない。
同連盟所属選手が大学(短大、専門学校を含む)中退選手(体育会に籍のあったもの)である場合は、この契約禁止期間を登録後2年(シーズン)とする。
(2) 日本プロフェッショナル野球組織は、同一年度において、日本野球連盟に所属する同一チー
ムから投手1名を超えて選択会議での選択をすることはできない。ただし、そのチームおよび日本野球連盟が選択を承認した場合は、この限りではない。
(3) 日本野球連盟登録選手に対する球団の契約禁止期間は、その選手が禁止期間途中で退部した場合も本条(1)の適用を受ける。ただし、同所属連盟所属チームの解散または休部による場合は、この限りではない。
(4) 日本野球連盟では、選手の登録月日にかかわらず、同連盟シーズン中の登録はすべて1シーズンと見なす。
第5条 (選択選手)
第1条にいう日本の学校に在学している選手に対しては、選択会議開催 の翌年3月卒業見込みのものに限り選択することができる。ただし、日本の大学に在学している選手については、4年間在学している場合は、前項と同様に扱う。
第6条 (中途退学選手)
球団は、第1条にいう日本の学校に在学した経験を持つ選手であって、選択会議開催の4月1日以降に退学したものを選択することはできない。
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第3条が日本語がわかりにくいかと思いますけど、「日本野球連盟に所属する選手」ってのは基本的に「社会人やクラブチームに属する選手」って意味で捉えてくださってOKです。全アマチュア選手ではない(学生野球連盟に属する選手も違います)ことに注意してください。
で、シャンソン化粧品には野球部はなかったんですよね、当然日本野球連盟に所属しているはずがない。だから黒田は「アマチュア選手」ではあっても「社会人」であっても「日本野球連盟に所属する選手」じゃあないんです、尾藤竜一は浪人ですから言うまでもなくどこにも所属していません。
この2人ともに該当するのは第6条だけなんです。で最初に書いたように昨年度中に退学しているのだから黒田も尾藤も問題なし。
こんなのが許されるなら、例えば「今大学生の選手が3月末までに退学して、来年のドラフトで指名を受ける」なんてことが許されるじゃないか、って書いてる人がいましたけれど、その通りですよ、前からそうなっています、巨人が今回尾藤を指名したから表面化した穴ではありません。
基本的に中退した選手であってもプロに指名されるほどの選手であれば遅かれ早かれいずれかのアマチュア球界に属するところにまで復帰するのが普通です、今年の横浜の小杉なんかそうですね、彼の場合は第3条の(1)の後の方に該当します。
それをどこにも属さないというリスクを冒したからこそ、すぐにドラフト指名対象者になることが出来るんです。
逆に言えば、「高いレベルで野球を続けられない」からこそ、可能ではあっても実際にそうする選手はほとんどいない。そういう意味で実質的に「穴」じゃないんですよね。
3月末で退学したとしても翌年頭までは球団の練習に参加は出来ませんから最低でも10ヶ月ぐらいは触れられなくなりますからね。
今のままであっても、「プロに入りたいから」以外の意図で中退した選手とか、尾藤のように大けがを負った選手とか、そういう一部の例外を除けば、このルートを使ってプロに少しでも早く進みたいなんて選手が出てくる可能性は稀だろうと思います。
逆に、そういう事情がある選手を救済できる可能性を潰してまで、元々それを選択する人がほとんどいない穴をふさぐことが正しい選択だとは思いません。
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黒田の時に言うならばともかく(私個人はこれが“穴”とは思わないのでとやかく言うのはおかしいと思いますが)、今更巨人がやったときに脱法行為であるかのように騒ぎ立てるのはばからしいのを通り越して哀れみすら感じます。
ほんと客観的に見ることが出来ずに巨人って形容詞が付いたときだけ須く批判する単細胞ぶりは可哀想です。
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- 事務局に通報しました。
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