王監督、お疲れさまでした…

今日のファイターズ戦後、王監督は辞任の会見をした。

68歳ですか、50年間、本当にお疲れさまでした。

今日もホークスは元気なく、
5連敗で最下位と0.5ゲーム差になってしまったけれど、
全部自分が責任をかぶって去って行こうとされる姿は潔い。

また、今年のホークスの成績だけで、
王監督を評価する者など、いないでしょう。
数々の実績はもちろんのこと、
球界に、パ・リーグに、どれだけ注目を集める力になってもらえたかを考えても、
その功績は、計り知れない。

ファイターズの公式ホームページ、広報レポートにも、こんな風につづられていた。
http://www.fighters.co.jp/game/scoreboard/comment.php

 王監督は、いつも真摯だった。

 2006年のシーズン。ファイターズはダルビッシュ、八木らの台頭で投手陣の整備が進み、それまで全く歯が立たなかったホークスに序々に互角の戦いが出来るようになってきていた。まだ下位を行ったり来たりしている5月頃のことだったと思う。試合前に、王監督が笑顔でヒルマン監督(当時)に近づいてきた。「ヒルマンさんのところは強くなるよ。若い投手が順調に成長すれば、今年も優勝のチャンスが十分あると思う。」敵将であるにもかかわらず、それまで結果を出せていなかった苦悩のヒルマン監督に、温かい言葉をかけてくださったことが鮮明に思い出される。激しい争いをしていながらも、ファイターズが快勝した翌日は、「ナイスゲームだったね。完敗だったよ。」と、敵を讃える心の広さと優しさに触れた。大病をされたとき、ヒルマン監督はお見舞いに伺った。退院されてからしばらくして、王監督直筆の礼状が届いた。ヒルマン監督は、それを監督室の引き出しに大切に保管していた。「世界のホームラン王」としては勿論のこと、類稀なその人柄に、ヒルマン監督は心から王監督に尊敬の念を抱いていた。

 王監督辞任のニュースは、多くの人々に衝撃を与えたに違いない。クライマックスシリーズ進出をかけ、各チームがしのぎを削る。無論、勝負に容赦はない。今日は武田勝が良く投げ、打線も素晴らしいつながりを見せたファイターズが、今ひとつ元気のないホークスに完勝した。勝利の喜びは、どんなときでも変わらない。しかし・・王監督がフィールドを去ってゆく事実が、その喜びをいつもと違うものにした。

 プレーボールがかかるまで、そしてゲームセットがコールされれば、敵も味方もない。王監督がそれを教えてくださった。26日からまた、全力で戦おう。

王監督の人格が、多くの関係者やファンを惹きつけていたことを、
改めて思い出させてくれるいい文章だな、と思ったので紹介しました。


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