【サッカー 福島】 出帆した我らの行く末は

 この週末はまるで、カレンダーがひと月半以上先に進んだような好天。ニュースでは、北東北や北海道の猛吹雪を伝えるのがまるでうそのよう。ただ、この好天が花粉の飛散を呼び、体は悲惨な状態。ただ、マスクはサッカー観戦の大きな障害となることは言をまたない。


 13年度のJFLはこの好天と花粉の舞い上がる空のもと、多くのサポーターの高揚感とともに開幕した。高揚感は福島ユナイテッド。当然のことながら、社会人リーグからの昇格し、JFLという未知の大海原に乗り出した我々にとっては高揚感が先んずる。ただここをホームとする町田にとっては高揚感を味わう余裕などないのかもしれない。それは一年でJ2という夢舞台から再びJFLに帰ったことに由来する。せっかくのスタジアム改修今シーズンに限っては宝の持腐れとは言いすぎか。


 それでも、やはり昨年J2リーグを経験しただけあって、運営のそれはまったく卒のないものだし、屋台村の供食体制も問題なく、羨ましい限り。


 社会人リーグしか知らない我々(この場合私という意味でなく)にとっては、まさに極楽。このような運営を来週できるかといえばそれはNO。


 


 さてゲーム評。


 きっとゼルビアイレブンはいきなりの戦術に面食らったのではなかろうか。それはセオリーを一切無視したプレイの連続。どうみても社会人リーグ上がりのチームがとる攻撃ではない。全体に前ががりになり、ゼルビア陣内に攻めかかる。


 ゼルビアは選手の多くが変わったと聞いた。だからであろうか、守備の連携がうまくとれず、速攻に手を焼き、後手後手に。


 そして生まれた開始早々10分、鴨志田のゴール。まさかこんなに早く、JFLでのゴールがみられようとは。そのゴールが今年の優勝候補のゼルビア戦で生まれようとは。


 その後も積極的な攻撃でゴールを脅かす。


 


 ただ、その調子に乗った攻撃は前半まで。


 ハーフタイム中に、一転にわかにかき曇り、まるで見たこともないような霞がスタジアム全体を包み込む。まるで黄砂に吹かれるシルクロードのオアシスのよう。


 あとで知ったのだがこれは「煙霧」という気象現象なのだそう。風向きの変化で現れるらしい。だからか、その時の風はやたら強かった。


 


 風向きが変わったのは気象条件だけでなく、ゲームもそう。主導権をゼルビアに握られる。


 パスコースも潰され、簡単にボールを奪われる。


 それでも、ゼルビアの拙攻にも助けられたのはもちろんのこと、うちのDF陣を含めた全員守備でかわす。内藤にいたっては鬼気迫る好セーブを連発。そして最後はカウンター攻撃の応酬。


 


 よもやといっては、自分が応援するチームにはいささか失礼な話だが、虎の子の1点を守りきってのJFL初勝利。そして勝ち点3。ゼルビアを破ったことは大きな自信に。開幕前には勝利は遠いゆめ物語と考えていただけにまさか開幕戦で勝とうとは。


 ただ、このような攻撃が機能しつづけるとは到底思えないし、研究しつくされるだろうし、ホームでゼルビアと戦うときは返り討ちにあうかもしれない。


 


 ゲームでは、やはりルーキー白井。最後には足をつってしまったような感じだったが、このまま使いつづければチームの柱になるであろう。ただ、活躍し続けると夏場に湘南の台所事情いかんでは呼び戻されることも考えなければいけないかもしれない。


 


 JFL開幕戦、ゴール裏によもやあれだけの人が集まってくれようとは。ほぼ満席。


 在東京の福島県人会も動員をかけてくれたと聞いた。また、昨年の天皇杯で興味を持ってくれた方も多くいたに違いない。


 


  そして町田ゼルビアサポのみなさん。開門直後にはご挨拶とお土産まで頂いたし、復興を願う横断幕も掲げていただいた。感謝の言葉しかない。


 また、福島物産の即売など企画していただいたクラブにも感謝。


 社会人リーグから上がったばかりのチームゆえ何も知らないことばかり。故に勘違いすることもあろうが、そこは暖かい目で見守ってもらいたい。


 


 明日は、あの日が巡ってくる。望む望まないにかかわらずきっと、今シーズンはそれを引き合いに出されるに違いない。きっと明日の紙面も。


 ならば、勝利で飾ることとなった明日の紙面が今から楽しみである。


 


 


 


 





































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