無駄にした4年間を取り戻せるか

ジーコが監督になったとき、このまま4年間代表監督が彼だったら大変なことになると思った人は少なくなかっただろう。私もその中の一人だった。
その予感は的中し、トルシエ監督時代にやっとサッカーがどういうものかわかってきた少年のような日本代表が、ジーコ監督の4年間で「前進」などなく「停滞」どころか「後退」してしまった。

そのことはジーコ監督の4年間を総括せずに、逃げている日本サッカー協会が総括をするまでもない事実だろう。
今ここで、なぜサッカーができるようになってきた少年のような日本代表を育てるために、新人監督ジーコに4年間も託したかのかを断罪するつもりはない。腹が立つし。

オシム監督になって初の試合を観て、一番思ったことは「トルシエの次にこの監督が来ていてくれれば、日本代表はサッカーを覚えたての少年時代から、何かしらの進歩を遂げることができたのではないのか」ということだった。

今さらこの4年間のことを言い続けても仕方ない。
オシムが監督をしている間に、日本代表が一歩づつ前進していく様を見せてほしい。

9日、印象に残ったこと。

三都主が代表で初めて良い選手に見えたこと。レッズでは欠かせない選手なのはわかる気がするけど、トルシエ、ジーコ時代、彼が代表でなぜ使われるのかがわからなかった。特にSBで使うのは三都主にも代表にもマイナスしかないと思っていた。
9日は4−4−2で左サイドの中盤ということもあってか、今までにないほどのプレーを見せてくれた。得点シーンを抜かしても、だ。おそらく速い判断のプレーは三都主が一番できていたのではないか。
こういう動きをこれからも続けてくれれば、代表のプレーにアクセントをつけ続けてくれるだろう。

気になったのは守備だ。監督が変わったからといって、すぐにどうこう変わるものでもないだろう。今までどおり、Jリーグでの試合よりも守備という点で、代表チームは劣って見える。常に決まったメンバーで練習できるクラブチームに比べて、代表はメンバーも代わりやすいし練習できる日数も限られている。
そのなかで守備に関してどう対処していくのか、オシム監督と代表に選ばれたディフェンダーだけでなく選手全員に期待したい。