簡単にストレートの四球を出す松本竜と辻内の共通点

  • 舎人
    2012年07月19日 00:45 visibility2226

先週の土曜日の試合の話。先発の東野が突然の故障で二回途中で早々と降板したため、巨人の投手リレーは何時になくせわしいものになりました。2番手で古川が登板すると、8人の投手が入れ代わり立ち代わりしたのです。その中に3番手としてルーキー松本竜が登板し、5番手として辻内が登板したのでした。この2人言わずと知れたドラフト1位入団。球団やファンから大きな期待を受けています。しかし、松本は同期入団の今村に後れを取り、辻内に至っては入団7年目になるというのに一軍登板を果たせずにいます。


 


松本はもちろん、辻内だってまだまだ若いですし、これから巻き返すことは十分可能だと思います。しかし、この日の登板はなんだか二人とも今後が心配になってしまう投球内容でした。松本も辻内もあまりにも簡単に四球を出してしまうのです。松本は一死を取ったものの、そこからヒットヒットで一死一二塁とされ、そこから3連続四球で2つの押し出しで途中降板。辻内も六回から登板しその回は無失点だったものの、イニングまたぎの七回に連続四球で途中降板です。打たれて途中降板ならば仕方ありません。しかし、四球四球で途中降板では、かばいようがありません。しかも、簡単にストレートの四球を与えてしまっている。プロの投手としてこれほど情けないことはないと思います。


 


 


2012年7月14日(土) イースタンリーグ 巨人対ロッテ(inジャイアンツ球場)  G+視聴


 


五回表、投手松本竜
工藤:カウント0-2からレフトフライ(???キロF、128キロF、外角124キロ)
角:カウント3-1からセンター前ヒット(141キロB、140キロB、140キロS、142キロB、真ん中142キロ)
高濱:カウント1-0からレフト前ヒット(122キロB、真ん中内より141キロ)
一死一二塁
ホワイトセル:フルカウントから四球(122キロS、125キロB、122キロF、123キロB、124キロB、123キロF、アウトロー42キロB)
一死満塁
細谷:フルカウントから押し出し四球(121キロB、139キロS、125キロB、124キロF、123キロF、122キロB、低めワンバウンド125キロ)、0対1、ロッテ先制
なおも一死満塁
金澤:またもストレートの押し出し四球(140キロB、141キロB、139キロB、外角141キロ)、0対2
投手交代松本竜→久米
久米が翔太を併殺に打ち取る間に高濱が生還し、さらに1失点


 


松本竜 登板結果

0回1/3 打者6人 球数28球 被安打2 奪三振0 与四球3 自責点3 MAX142キロ(2度)



六回表、投手辻内
神戸:ストレートの四球(136キロB、143キロB、143キロB、低め144キロ)
生山:カウント1-0から三犠打失敗(120キロB、外角140キロ)→ランナー入れ替わる
工藤:初球ショートゴロ(外角???キロストレート)→併殺を焦った丸毛がファースト悪送球
二死一塁
角の打席で工藤が二盗
二死二塁
角:カウント1-2から空振り三振(???キロS、???キロS、???キロF、???キロB、低め???キロフォーク)
工藤残塁、六回終了

七回表
高濱:ストレートの四球(120キロB、141キロB、143キロB、低め143キロ)
ホワイトセル:カウント3-1から四球(140キロB、121キロB、142キロS、141キロB、低め144キロ)
投手交代辻内→朝井


替わった朝井がタイムリーと押し出し四球を与え2失点


 


辻内 登板結果

1回0/3 打者6人 球数21球 被安打0 奪三振1 与四球3 自責点2 MAX144キロ(2度)

 

 


二人ともノーコンだと言ってしまえばそれまでなのです。ただ、その原因を考えると、彼らはともに投球フォームなどのテクニカルな面のことよりも、むしろ、メンタル面に大きな原因があるように感じます。自分を制御するのに精いっぱいで、制球をどうこうする余裕がないように見受けられるのです。


 


以前も話したことがありますが、どうもこの二人からは、自分の置かれている立場についての認識が甘い感じを受けます。辻内はもう7年目だというのに、「まだまだ大丈夫だろう」というのが見え隠れして、いっこうに切迫感を感じませんし、松本からはドラフト1位入団という栄誉とか責任感が伝わって来ないのです。おそらく二人ともプロ野球選手になるということはぼんやりとした目標だったものの、気付いてみたらどんどん周りの評価が上がり、何の自覚も実感もないままドラフト1位入団でプロ野球選手になってしまった感じを受けます。そして明確で確固たるプロ野球選手としての自分の将来像を描き切れていないまま今に至っているように私には思えるのです。


 


山口のように海外で散々苦労をした末に帰国し、どうしてもプロ野球選手になりたいと思って入団した選手からは、どんな場面でもへこたれない強い意志を感じますし、坂本のように「自分は野球で身を立てるしかない」と早くから自覚していた選手からは強烈なプロ意識が伝わってきます。そういった自分に対する突き詰めた厳しさを、いつ辻内や松本から感じることができるかです。パフォーマンスが発揮できるうちに自分の正体に気付くことができれば、彼らはものになるでしょう。しかし、それに気付かなかったり、気付いたとしても、歳を取って衰えてしまったり、取り返しの付かないケガをした後だったら、彼らは引退した後に、今の自分たちのことを後悔することになると思います。


 


もちろん、松本、辻内ともに大きな期待を込めているからこそ、こんな苦言めいた話をするのです。そして、今後もどの選手よりも二人のことは注目し続けて行こうと思っていますし、二人に少しでも成長を感じさせることがあったり、結果が出たりすれば自分のこと以上に喜び、心躍るのだろうと思います。なんだか困った親戚の子がいつの間にか二人に増えてしまったような気がしますが、こうなったからには最後まで彼らのプロとしての生き様を見守りたいと思います。時にはこんな苦言を言い、そしてエールを送り続けたいと思っています。

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