☆日本最古の高校野球部 記念試合観戦記 ~青山学院高等部VS岐阜高校~
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鶴丸 深志’
2024年11月10日 19:00 visibility468
「日本最古の高校野球部はどこなのか?」
2011年にこのような日記を書いた。
https://labola.jp/blog/user/28237/12505927
これまで、日本最古の高校野球部に関する明確な情報は存在していなかった。アタシが長年にわたり、野球部史などありとあらゆる資料をもとに調査した限りでは、岐阜高校と青山学院高等部が1883年(明治16年)頃を野球部の創部としており、両校が日本最古の高校野球部であるという個人的な結論に至っていた。
すると昨年、アタシの調査結果を裏付けるこのようなニュースが初めて報じられた。
「国内の高校野球部で最古とされる岐阜県立岐阜高校(岐阜市)と青山学院高等部(東京都渋谷区)が、その威信をかけて岐阜市の長良川球場で激突した。岐阜高野球部が創設されたのは1884年(明治17)年とされ、当時の教師が生徒に指導したとする記録が残っている。一方、青山学院は1883年(明治16年)、大学生に混じって旧制中等部(現高等部)が練習に参加していたとして、同年に野球部の起源があるとしている。」
そして今年、このような情報が飛び込んできた。
「高校野球部として日本最古の歴史がある、岐阜高校と青山学院高等部が記念試合を行います。第1戦は岐阜高校が創立150年を迎えた2023年の5月21日に、岐阜市の長良川球場で行われ、岐阜高校が 8 - 3 で勝利しました。2024年は青山学院が創立150年の年に当たり、11月10日(日)に相模原市の青山学院大学キャンパスにて開催されます。」
日本最古の高校野球部同士の試合を観る機会はそうそうないと思い、居ても立っても居られず、高鳴るハートで青山学院大学相模原キャンパスに向け、愛車のレクサスLX600 “OFFROAD” を走らせた。
2,000本安打を記録した小久保裕紀氏や井口資仁氏が練習に励んだ青山学院大学相模原キャンパスのグランドに到着すると、既に両校の選手がキャッチボールを始めていた。エンジのユニフォームとブルーのユニフォーム、待ちこがれた試合だ。
試合開始前にはセレモニーが行われた。
昨日は両校の部員やマネージャーを集めての懇親会が催されたようだ。
青山学院高等部は東京都渋谷区に所在し、1950年(昭和25年)に開設されたが、その起源は1874年(明治7年)にドーラ・E・スクーンメーカーによって開校された「女子小学校」まで遡ることができる。
野球部は1883年(明治16年)、前身である東京英和学校時代に創部された歴史を有する。ユニフォームはブルー基調で、胸には「Aoyama」のマーク。野球推薦は行っていない。
夏の全国大会予選には、東京勢としては慶応 (神奈川へ移転)、立教新座(埼玉へ移転) 、早稲田実、成城、日体大荏原、早稲田、日本学園、麻布に次いで、錦城学園、大成、高輪、明治学院とともに第2回大会予選(関東予選)に初参加した。結果は、初戦で明治学院中(明治学院)に延長11回の末、14 - 10 で勝利、準々決勝では神奈川師範に 2 - 1 で勝利、準決勝では優勝した慶応普通部(慶應義塾)に 1 - 3 で敗退となった。
夏の予選通算成績は96勝104敗。夏の予選最高成績は、第2回大会、第29回大会予選でのベスト4で、甲子園出場はない。
岐阜県立岐阜高校は岐阜県岐阜市に所在し、1873年(明治6年)に岐阜町小学義校付設仮中学として設立された歴史を有し、岐阜県内屈指の進学校である。
野球部は1884年(明治17年)に創部された歴史を有する。ユニフォームはエンジ基調で、胸には「GIFU」のマーク。野球推薦は行っていない。
甲子園には春3回、夏3回出場し、甲子園通算成績は7勝6敗。甲子園最高成績は、1949年(昭和24年)の第31回夏の全国大会での準優勝である。
夏の全国大会予選には、1915年(大正4年)の記念すべき第1回大会予選(東海大会・リーグ戦)に、岐阜県勢としては斐太とともに初参加した。結果は、山田中(宇治山田)に 1 - 4 、愛知一中(旭丘)に 8 - 9 で敗れ、リーグ戦0勝2敗の成績で終えた。
岐阜高校は、その後一度も欠かすことなく現在まで夏の予選に参加し続けている全国に15校しかない予選皆勤校である。
夏の予選初勝利は、1917年(大正6年)の第3回大会予選(東海大会・リーグ戦)で、愛知二中(岡崎)の棄権による勝利であった。
夏の予選通算成績は157勝116敗1分である。
試合の方は、岐阜高校が青山学院高等部に 15 - 0 で勝利した。
5回裏の攻撃が終了し、部員達がグランド整備をしている間、両校の野球部創部の起源や戦績がアナウンスされた。両校の歴史と伝統の重みを肌で感じ取ることができた。同時に、高校野球の楽しみ方は甲子園だけではないと再認識できた。
試合終了後には、青山学院高等部ブラスバンド部による両校の校歌の演奏が行われた。演奏を聴いていると、胸が熱くなってきた。
本日は、日本最古の高校野球部同士の試合を観戦する機会を頂き、思い出に残るとても貴重な時間を過ごすことができました。両校の関係者の方々には心より御礼を申し上げます。また、両校のさらなるご活躍を祈念いたします。
以上です。
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