或る野球オタクの一考察(6)

今回は、一気に二つを考えていきたいと思います。
一つは、
「いついかなる時も通用するボールなどないことを論理的に証明する」
もう一つは、

「データをどこまで信用するか」
というところになるでしょう。

 

さて、一つ目から片づけていきましょう。
いついかなる時も通用する、これをムズカシイ言葉で言ってみますと、
「任意の状況でも通用するボールがある」
といえます。
任意の状況というのを具体的に説明すると、
「ブラックボックスの中に入っている複数の玉を目隠しをしながら一個とるという状況」
といったほうがいいかもしれません。

 

で、この任意の状況でも通用するボールを否定するのは、非常に簡単です。
「ある特定の条件・状況がそろった際に通用しない」ことを1例だけあげれば簡単に否定できるのです。


結局、打者がそのボールに狙いを絞っていたら、「どんな状況でも」ということに反します。
ということで、任意の状況でも通用するボールは存在しないということになります。

 

ちょっとインチキくさい論理ですが、ここで私が言いたいことは、
その場の状況もわきまえずに、
「ここはフォークで行ったら良かったのに」
とかなんとかいうのは止めようよ、ということです。

 

ここで、さらに言わせてほしいのが、
最近のプロ野球のバッテリー(特にセ・リーグ)は、
初球の入りで、打席内の打者の狙い球を見抜こうとしていないように思えるのです。
というのも、明らかに打者がストレートに反応している、つまり、ストレートを打ちたいと考えているのに、ストライクゾーンにストレートを押し込んでヒットゾーンに、あるいはホームランを打たれてしまっているケースが多々見えます。
例えば、データから、「このバッターはインローのスライダーが弱点だ」ということが出ているとしましょう。しかし、そのインローのスライダーを決め球にするまでの過程で、
その時にそのバッターが狙っている球種をストライクゾーンに投げてしまっているのに気づかず、同じことの繰り返しをしてしまっているのです。

 

これはあくまでも、私が推測し、仮定しているものなので、本当にそうなのかはわかりませんが、
基本的に、スライダーやフォーク、シュートなどのファスト系変化球と定義できる変化球をバッターは初めから狙い球にすることはないと思います。
というのも、ストレートと混同しやすいので、端から狙うのはジャストミートする確率を減らしてしまう気がします。

ですから、端から狙う球種として、極端な球種、
つまり、持ち球の中で一番遅いスロー系変化球と定義できる変化球(たとえばカーブであったりチェンジアップであったり)、もしくは、ストレート(ツーシームなどのムービングファスト含む)を狙っていったほうがタイミングを合わせやすいと思うのです。

 

そこで、データを使うのです。
特にここで、どういうデータを抽出すべきか、というと、
「打者の初球打ちの傾向」をデータとして集めなければならないと思うのです。
そういったデータがなければ、打席の位置やバットの傾き方などで初球の入りを考えなければならないでしょう。

 

そのデータで初球を投じ、そのバッターの反応いかんで、どういう球種を現時点で狙っているのかを考えなければならないのです。

 

さらに、また、データを抽出しなければならないのは、
バッターのタイプとして、
A「追い込まれようが何しようが、一度決めた狙い球はこの打席が完了するまでそのまんま」
B「追い込まれたら狙い球を替えよ」
C「やべ、狙い球バレたかも。狙い球替えよ」

というようなタイプがあると思います。
やっぱり、これも私が見た感じですが、基本はAタイプとみていいでしょう。
BタイプかCタイプかは、これこそ例外的に、覚えていく必要があるでしょう。
Aタイプで攻めてみて、アカン!と思ったら、BかCになるでしょう。

 

数字は人を説得するために、自分が納得するために非常に有効なものです。
しかし、そのデータのとり方いかんで自分の首を絞めることにもなるのです。

 

私は、自分のこの考えがほぼ100%正しいと信じていますし、
ほぼその考え通りに結果が出ています。

 

やっぱり、配球とか作戦とか、そういったものを批評するには、
私は最低限、状況判断を基にした客観的な判断基準をもって批評してほしいな、とつくづく思います。

chat コメント 

コメントをもっと見る

通報するとLaBOLA事務局に報告されます。
全ての通報に対応できるとは限りませんので、予めご了承ください。

  • 事務局に通報しました。