消える運命の野球場 (丸亀城内グラウンド)

  • Mr.black
    2015年08月21日 10:56 visibility3110

前回レポートした丸亀市民球場(四国Cスタ丸亀)は今年開場した最新のスタジアムです。

ところで新球場が建設される時、その一方で既存の古い球場が閉鎖されるということが結構あります。今回もそういうことが起こるようです。

 

 

これは丸亀城の内堀。

ここから少し南側(写真では右側)に歩くと場内へ入る通路があります。

 

 

お堀を渡って右側に進むと忽然とスコアボード(裏面)が現れます。

 

 

 

ここは「丸亀城内グラウンド」。お城の敷地内にある野球場です。

 

 

グラウンドとは言いながらもスタンドは一応あります。これはライトスタンド。

この他1・3塁側にも同じようなコンクリート席のスタンドが。

収容数は約1,000人。

バックネット裏にスタンドはありません。昔はあったのかもしれませんが・・・・・。

 

 

両翼90m、センター120mと一定水準のグラウンド。

内野土、外野には傷みが激しいものの芝生があります。

 

 

この球場が造られたのは1950年(昭和25年)とのこと。当時と現在でどの程度違いがあるのかはあいにく分かりません。

一見草野球場レベルですが、開場した1950年代にほんの僅かながらプロ野球の試合が開催されたことがあるそうです。

完成当時は戦後まだ5年しか経っていない時期。ちゃんとした野球場が少なく、プロ野球と言えどもこんな環境で試合していたということなのですね。かつてレポートした愛知の大須球場も「今から思えば草野球場レベルだった」(←とあるプロOBの言葉)ということです。

 

 

スコアボードは右中間寄りにあります。パネル式で得点表示とカウントランプのみ。

 

 

レフトのフェンス後方はすぐお堀になっています。なのでスタンドは無し。

そしてフェンスはふくらみの無い一直線。これ以上広げられないのですね。

 

 

これはライトフェンス。一定間隔で丸い穴があいています。おそらく外野フェンスの支柱の名残でしょう。現在はもっぱら軟式野球での利用ですが、硬式野球が行われた当時は安全上高いフェンスが建てられていたのだと思われます。

ライト~1塁側のグラウンドのすぐそばは城内の通路(歩道)になっています。

現代の人からすれば「ただの草野球場」としか見えないでしょう。

僅かな数と言えどもかつてプロ野球が行われた球場(グラウンド)がその歴史を知る人が極少になってやがて打ち捨てられていく。時の流れなのでしょうね。

 

 

3塁側スタンドからは丸亀城の立派な石垣が眺望出来ます。

 

 

逆に城側から見た城内グラウンド。

予定では来年2016年3月に閉鎖されるそうです。お城の敷地なのでむやみな建物は建てられないでしょうから、跡地は駐車場か公園になるのかもしれません。

 

 

分かりづらいですが、1塁側のブルペンです。二人同時に投球できます。

 

 

1塁側ベンチ(右側)への入り口。掘り下げ式のベンチです。

左側は大会などの開催では関係者や記録員が使うであろうバックネット裏のスペースです。

 

 

外野にある倉庫。

 

 

四国アイランドリーグが無ければ見ることが出来なかったであろう丸亀城内グラウンド。

自分が生まれる前にプロ野球選手が駆け回ったグラウンド。そして間もなく消える運命にあるグラウンド。その前に訪れることが出来て幸せでした。

 

 

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