サッカーと野球が同居していた競技場 (刈谷球場)
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Mr.black
2014年03月25日 12:46 visibility3808
先日高校野球春季愛知大会を観戦したのは刈谷球場でした。今期はここからスタート。
両翼95m、センター122m。内野クレー、外野天然芝のごくごく普通の野球場です。
しかしかつてはとんでもない形をしていたそうです。
この地は野球よりもサッカーの方が人気があったようで、1950年(昭和25年)の建設当初は「野球も出来るサッカー場」というのがコンセプトだったのでは?と思えるような構造。
グランドの形状は野球の外野部分がサッカー用の長方形をしていました。
なので野球利用時は両翼91m、センター115m、そして右中間・左中間が125m、という極めて歪な状況。おそらく最深部に打球が行ったらランニングHRもあったのでは?
一般的に当時のグランド形状は「角団扇形」と呼ばれていたようです。
現在はスタンドが可動式で野球・サッカーなど様々に対応できるスタジアムは多数ありますが、そのままの形状でどちらにも対応していたのは世界中探してもこの刈谷球場だけだったのではないかと言われています。(当初の名称は「刈谷市競技場」。「野球場」でなく「競技場」という名称だったのがミソです。)
しかし残念ながら1990年代に大改修工事が行われ、現在のような普通の野球場に変わってしまいました。この情報をもっと早くに掴んでいれば見分に駆けつけたのですがね。何とも残念無念。
しかし球場外周をグルリと一周してみるとかつての「角団扇形」だった名残はありました。
上の写真はライト側場外。これでは分かりにくいかもしれませんが、歩道部分が広い所と狭い所があり、昔角ばっていたであろう辺りがやや鋭いカーブになっています。これはレフト側の歩道にも見て取ることが出来ました。
角形を円形にしたので空地が不自然な形で出来たのですね。
ところでここが野球専用球場になったのでサッカー場は別な場所に新設されています。
土地の歴史って調べてみるとずいぶん面白いエピソードが出てくるものだな、と思います。
場内設備に話を戻すと座席は内野が全て長イス。外野は芝生席。
照明は6基あり。照度は一定水準ありそうでした。時々ここで中日二軍が試合を開催しているようでそれも納得できました。
バックネットはワイヤー吊りで支柱が無く、見やすいです。
ただし1.3塁側の格子フェンスは高いので上の方に座らないと見づらいです。
収容は公称1万人ですが、そんなには入らないように思えました。
スタンドに屋根は無し。
スコアボードは磁気反転式。白文字がちょっと見にくかったです。
カウントはBSO。
そしてボード右上端にスピードガン表示がありました。(この日は表示あり。表示はオレンジ)
この日は開いていませんでしたが、ご覧のような売店スペースは作ってあります。
夏の大会では売店が出るかもしれません。
でも念の為飲食物は持参が無難でしょう。なお、駅からの道中にはコンビニが1店あるだけでした。そして球場周辺に飲食店などは無し。
交通アクセスは名鉄三河線「刈谷市駅」から北西に徒歩15分程度。
JRからのルートもある様子。
世にも不思議な形をしていたという刈谷球場。
ネットで昔の航空写真はあるのでご興味のある方は是非ご覧になってください。驚きの実態が見られます。
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