我的愛球史 第3話 タイガース・フィーバー


 1985年、僕の人生の転換期だったと思います。

 この年から僕にとって野球を見ることが人生に欠かせないものとなりました。

 7月に喘息キャンプに行った頃から「阪神は優勝するかもしれない」という話がちらほらでていましたが、8月に入るといよいよ「優勝しそうだ」という雰囲気に変ってきました。

 何がすごかったかというと・・・・例えば、ワイドショーで夏休み心霊写真特集を見ていると、視聴者から「新聞に載ったバースのホームランを打った写真にバットが映っていない!これは心霊写真じゃないか?」という写真が寄せられ、番組が真面目に(?)検証して「バースのバットスウィングが速過ぎて映ってないんですよ」という結論に落ち着く(最初からこのオチ狙ってたでしょ!?)というようなことがあり、テレビでタイガースの話題をしない日はない・・・という感じでした。

 間違いなく、僕の周りの、いや、関西の空気は変っていきました。

 周りの人が毎日みなワクワクしているように見えました。

 僕もそんなみんなの笑顔を見ているのが楽しかった。

 これが、僕がタイガースファンになった原点だと思うのです。

 決して、タイガースがセリーグでダントツ弱くてかわいそうだから応援しようと思ったんじゃない!

 タイガースを応援していたら楽しいから、タイガースが勝つとみんなが幸せになるから応援しようと思った。プラスの感情から入ることができた。

 これはすごく大事なことだったと思います。タイガースを、野球を持続的に愛することができるという点で、本当に出発ができたから。

 それから、1985年といえば、PL学園のKKフィーバーもありました。

 でも、僕はPLに敗れた甲西高校のベスト4も印象的だった。

 ニュース映像で、清原選手だったか、PLの選手が打った大飛球を、ラッキーゾーンのフェンスに上って捕りに行こうとする甲西高校の外野手を見た時、すごく感動しました。

 ああ、自分達の住む滋賀県のチームもこんなに強いんだ。京都や大阪のチームに負けてないじゃないか。

 一気に野球が身近な存在になりました。

 10月16日、タイガースは神宮球場でリーグ優勝決定。

 テレビをつけると、「阪神タイガース優勝おめでとう」の映像ばかり。

 湧き上がる関西。

 そして、日本シリーズ。

 11月1日、4勝2敗でライオンズを下し日本シリーズ優勝。バースMVP。

 プロ野球チップスを3つ買うと、いきなり掛布、バース、岡田のクリーンアップトリオが当った。

 これで運命は決まりました。僕はタイガースファン。

 僕の中で掛布雅之さんが「蚊取り線香のCMに出てくるタレントさん」ではなく「阪神の四番打者」に変った瞬間でした。

 しかし、野球を本格的に見始めた翌86年から、長い苦難の時代が始まるのでした・・・・。

 その前にあのドラフトがありました!

 次回、その話題から書かせて頂きたいと思います。
 

 






















































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