「上から目線」をぶっ飛ばせ!
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フジ
2012年02月08日 23:44 visibility108
「上から目線」ということについての新書が2冊並んでいたので読んでみました。
ひとつは
『「上から目線」の時代』(講談社現代新書 冷泉彰彦著)
もう一つは
『「上から目線」の構造』(日経プレミアシリーズ 榎本博明著)
です。
前者は、「上から目線」という語の定義と、いつ頃からそれが問題となったかという歴史的なことから考察をすすめ、「上から目線」の原因(=社会の変化と日本語そのものが持つ構造)とその対処法について述べています。
後者は、「上から目線」の種類を分類し、いずれも「劣等コンプレックス」が原因であると分析しています。
両者とも面白く読んだのですが、どちらかというと後者の方の分析がしっくりくる気がしました。
著者が述べたいのは、
「劣等コンプレックス」すなわち「自信のなさ」ですが、この「自信のなさ」がもたらす心的状況が、人の発言に「上から目線」を感じさせ、また「上から目線」な物言いをする方は、やはり「自信のなさ」の裏返しが言動に出てしまっている、
ということでしょう。
前者の本によると、「上から目線」が問題になってきたのはここ数年のことだということですが、リーマンショック以降の日本人の自信喪失と「上から目線」問題は密接に関わってきているように思えます。
ならば、今一度日本が自信を取り戻せば、この問題は解決しそうです。
日本全体が無理でも、個人レベルで自分に自信を持つことができればよいと思うのですがいかがでしょう。
自信といっても、最近の「お子ちゃま」(含、いい年した大人)にみられるような「過剰自己愛症候群誇大妄想的肥大万能感系無根拠な自信」ではありません(これほど始末に負えないものはないですが、「劣等コンプレックス」の裏返しだと思うと哀れなものです)。
まあ、そういった輩には徹底的にその自信やらプライドやらをずたずたに引き裂いてやればおとなしくなると思うのですが、生きる屍みたいになって引き籠もりにでもなったら社会的迷惑な存在になるので適度にコントロールしてやる必要がありますな。
話を戻すと、立場や経験が上の者がしたの者に何かをいうにはどうしても「上から目線」になるのは仕方のないことなので、下の者はあきらめて経験を積むなり実力を磨くなりして上の立場に行くようにすれば良いわけですし、上の者は下の者の顔色など見ていないで堂々とものを言えばよいわけです(何も、いつも高飛車でいろというわけではなく、ある程度ソフトな物言いをする必要もありますが)。
とにかく、必要以上に「劣等コンプレックス」を持たなくても良い!
健全な自信を持つこと!
これで、十分だと思うのですが、そうした自信を持つことさえ、今の日本は苦しい状況なのでしょうか…。
この記事を読んで「上から目線」だ、と感じた人は自分に自信があるかどうかチェックしてみてはいかが?(これも「上から目線」な物言いかな)
sell社会批評
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