高校選手権熊本大会3回戦(1)


いよいよ高校選手権も各地区で代表校が続々と出る時期が来ました。


しかし、今年は先日まで日本代表が参加していたU-16ワールドカップの影響で、地域によっては日程が下がり気味。


この、熊本大会は代表選手を出している大津高校はスーパーシードでベスト4が初戦といういびつなトーナメント表になっており、今日はまだ3回戦ということで、熊本市の熊本農業会場に来ました。


いろいろな高校サッカーの試合を見に行っていますが、熊本県及びこの熊本農業会場は個人的にお気に入りの会場の1つです。


 


今日の第1試合は熊本農業と荒尾高校の対戦です。


熊本農業は過去に全国選手権6度出場経験のある強豪。今回も7校あるシード校の1つとして初戦を快勝しました。


一方の荒尾高校は、初戦東海大二に勝ち、今日の3回戦へ。ノーシードではありますが、昨年の選手権予選ベスト4。全国大会出場経験のあるラグビー部の影に隠れていますが、自分のイメージではコンスタントにベスト8・ベスト16には残る基礎のしっかりしている堅実な学校というイメージがあります。


この試合は試合前から好カードの1つ。接戦が予想されましたが、両チームとも相手以上の強敵が両チームのイレブンを苦しめることになります。



両チームにとっての強敵とは、写真を見てもわかるような大雨。


グラウンドはたんぼ同然の状態で、まさに泥んこサッカー状態。ボールは止まるし、ドリブルはしにくいし、グランドは滑るし、とてもサッカーらしいサッカーができる状態になく、前半はほとんど両チーム慣れるのに大変な状態で試合が進みます。


下の写真を見てもわかるように、コーナーキックで水たまりに止まったボールに対し、両チームの選手が殺到するなど、普段ではあまり見られないようなシーンが度々見られます。


このような状態で、前半は両チーム無得点で終わります。



ハーフタイム。


ここで、自分が熊本農業会場が気にいっている理由の1つがあります。


それは熊本農業の控え部員によって行われる「ハーフタイムショー」。


控え部員数名が保護者席の前で一発芸や物真似など約10分間いろいろなパフォーマンスをし、保護者及び観衆を和ませてくれます。


いろいろな試合会場に行っていますが、このようなショーをしているのは今のところ熊本農業だけです。自分と同じように試合観戦のオプションとして楽しみにされている保護者の方も多いのではないでしょうか。


また、保護者の方はこの時間にコーヒー等の飲料をサービスしてくれました。熊本県の学校は、自分のような関係者ではない人にも何かくれる所が多いです。(第3試合の秀岳館高校の保護者にも飴を頂きました)


おそらく、熊本県のサッカー強豪校を中心に、誰にでも飲み物をふるまっている所が多いのでしょう。強いチームが行う善行は、その県のいろいろな学校によい影響として波及していきます。


 



後半に入ると、雨が少しおさまり、ハーフタイムの指示もあったのかやっと試合展開が落ち着いていきます。


両チームとも3回戦では負けられず、1点を求めて試合がどんどんヒートアップしていきます。


しかし、オフェンス・ディフェンスに優れていた両チーム。スコアレスのまま後半終了。試合はPK戦に入ります。


PK戦も一進一退。5人終了で決着がつかず、サドンデスへ。


6人目。先行の熊本農業はボールがそれてPKに失敗します。一方、後攻の荒尾高校はきっちりゴールを決め、試合終了。5-4で荒尾高校が勝ち、4回戦進出を果たしました。


写真は勝利した瞬間の荒尾高校イレブンです。


 



残念ながら敗れた熊本農業イレブンですが、自分はいつも熊本農業のサッカー部員の姿を見ていると心が洗われたようなすがすがしい気分になります。


今日も、試合中雨にもかかわらず控え部員が写真のようにグラウンドにラインを引いて回っていました。また、試合間のグラウンド整備・試合中のボール拾い、駐車場での車の誘導、マネージャーはパンフレットを販売するなど、今日1日献身的に会場での試合運営に動いていました。


強豪校の中でも、サッカーさえすればいいという学校もある反面、強豪にもかかわらず、様々な活動に主体的に行ってくれる姿勢というのは、将来社会に出た時に必ず評価されることです。むしろ、サッカーが上手なことより大切なのではないでしょうか。熊本農業のサッカー部スタッフの指導が行き届いている証拠でしょう。


このような姿勢を見ているからこそ、強豪の多い熊本ですが、再び熊本農業イレブンが全国の晴れ舞台に立って欲しいことを期待してやみません。技術・精神面を大きく成長させて、来夏今度こそ大活躍してほしいものです。


一方の荒尾高校は4回戦、来週日曜日に八代高校と対戦です。昨年と同じベスト4まであと2勝。さらに2つ勝って初の全国の舞台を目指して欲しいものです。パンフレットを見る限り、3年生が16名。彼らは大会終了後は例のごとく受験勉強に追われるのでしょうか。1日でも長く仲間とサッカーボールが蹴られるよう、日々の生活を大事にしてがんばって下さい。最後になりますが、来週こそは晴天で気持ちよくやれたらいいですね。


 


※学校紹介


熊本農業高校(熊本市・県立)


創立から110年の伝統を持つ学校。農業・園芸果樹・畜産・生活・農業経済・農業土木・食品工業の7つの学科がある。校内にはビニールハウスや牛や豚が飼育されるなど、校内がとにかく広い。


 


荒尾高校(荒尾市・県立)


普通科・理数科のある県北部の地域を代表する学校。地域進学拠点校に指定。普通科の中に体育コースがあり、部活動も盛ん。ラグビー部・アーチェリー部などが全国大会出場経験あり。












































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