読んでみた〜もうひとつの「江夏の21球」
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仲本
2011年11月26日 23:09 visibility266
“悲運の名将“・西本幸雄氏逝くのニュースを受けて、買ったまま読まずに置きっぱなしにしていた一冊を本棚から引っ張り出し、大急ぎで読んでみた。
1979(昭和54年)の日本シリーズはかの「江夏の21球」を生んで野球ファンに長く語り継がれることとなったが、どうもわたしにとっては昭和54年ははっきりとした記憶以前の出来事らしい。
著者は少年時代のファンレターをきっかけに応援団として西本監督の近鉄を追いかけて全国の球場を飛び回った経歴を持つ。いわば1979年シーズンの個人的戦記なのだが、敗れた近鉄サイドから当時の雰囲気を伝える。だいたい、敗者の歴史は残らないのが世の常だから貴重な記録だ。興味のある方はどこかで見つけてご一読ください。
スタンド・場外では大阪×広島のさながら「仁義なき戦い」、シリーズ第6戦までそれぞれのホームゲームで勝ち星を分け合っての3勝3敗という結果にも少なからず影響したのでは…、というくだりにはさもありなん、と思わせるものがある。
ところで、この年、西本監督は59歳。著者あとがきには「資料を見直すと当時のほとんどの新聞が監督を年寄り扱いしているのに驚いた。今では間違ってもこの年で『老将』などとは言わない」…、わたしの記憶にわずかに残る西本監督も「おじいさん」というイメージだったので意外に若かったのに驚いた。まあもっともそれはわたしが当時小さかったからだが。いずれにしても「パ・リーグの監督でわたしが一番最初に顔と名前を覚えた人」だというのは間違いない。関西ではその後CMで“ちょこちょこ“見かけた。
訃報によると91歳で亡くなられたというから大変なご長命だ。昨今のパ・リーグ、そしてプロ野球界をどう思われていただろう。御冥福をお祈りします。
(参考:『もうひとつの「江夏の21球」』佐野正幸/2009/主婦の友社)
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