或る野球オタクの一考察(3)
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ムサベン代表T.KATOH
2014年04月08日 03:02 visibility141
ショービジネス度外視のミスがなければ負けない野球をやるのか、
それともショービジネスのためにリスクを背負って勝つ野球をやるのか。
プロ野球をやるには、後者である必要性はないのですが、
後者になってしまうのが現状でしょう。
ビジネスにはならないアマチュアの野球は選択肢が前者しか与えられません。
国際大会においては、前者しかないのです。
そういう意味で、プロ野球というのは、国際大会に不向きな組織であると考えられるでしょう。
しかし、プロ野球選手というのは、野球を生業にしている専門家ですから、
本業が学生であったり会社員であったりする、
片手間で野球をやっている選手よりも優れている、
と考えている人がほとんどではないでしょうか。
残念ながら、その考えは私は正しくないように思えてなりません。
もちろん、アマチュア以上にプロはそれだけ野球につぎ込む時間が多いです。
しかし、その時間的なアドバンテージを有効利用できている選手は、
私が見る限り本当に一握りではないかと思うのです。
最近、プロ野球が大味な試合展開が多くなってきているように思います。
結局は、アマチュア時代に培われているはずの「ミスがなければ負けない野球」を前提にして野球ができていないからだと思うのです。
それ故、なぜこのプレーをするのか、この状況でどのようなプレーが求められているのか、
それがわかっていないので、反射的にやるしかないのです。
結局、身体能力が高くて、何事も反射的にできる選手というのは、状況判断の必要性を感じ取れない故、自分で判断のできないオートメーション化された選手と私は感じてしまうのです。
また、現在のプロ野球の首脳陣に感じてしまうこととして、
「自分の考えをそのまま実行できる選手」
が好きであるにもかかわらず、
「その考えを実行したのに失敗した」
ときに、選手をかばえない、つまり、責任のとれない首脳陣が少なからずいるというのが、コメントからうかがえます。
逆に言えば、「選手が勝手に判断してプレーを遂行する」ということを嫌う首脳陣が多いという風にも取れます。
結局、そういった首脳陣のほとんどが、作戦の選択肢を後にも先にも1つしか思い浮
かべないというのがあるのかもしれないのです。
ですから、「どうしてあの場面でああ攻めたのか」とか、
「どうしてあの場面でこのようにしたのか」とかが理解できないからこそ、
理解のできない選手は使えないということになるのかな、と。
しかし、「どのような意図をもってこのプレーを遂行したのか」をヒアリングしなければ、
理解することはできないでしょう。
私は、古田敦也が監督をやっていた時にTV観戦して、ベンチを観察していましたが、
2006年、米野がマスクをかぶっていた時に、打者への配球についていろいろとヒアリングをして、その説明を受けて、「あー、なるほどー、そういう攻め方があったのか」というような顔をしていたのをよく見ていました。
しかし、2007年ではキャッチャーに対してそういったヒアリングをする光景をあまり見ていないのです。
個人的には、現在、千葉ロッテのベンチが好きですね。
マスクがルーキーの吉田の時に、正捕手であるはずの里崎が中村バッテリーコーチと意見交換して、配球について学んでいる姿をよく見ます。
一人一人が奢ることなく、日々勉強しようという姿を見ると、本当に応援したくなりますね。
ともかく、選手と首脳陣の間で意見交換ができているような、ボトムアップのチームは発展しますが、トップダウンのチームは大味な展開で不安定な野球になるでしょうね。
よく、「相手を知るにはベンチを見ろ」といいますが、
首脳陣と選手がよく意見交換できるようなチームは強いと思いますね。
逆に、首脳陣と選手が必要な時以外に話さなかったり、
首脳陣と選手が固まって座っていたりするようなチームは強いとは感じませんね。
これを機に、TV観戦でベンチの状況を見るという楽しみを加えてくれればよいと思います。
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- 事務局に通報しました。
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